最強企業の一角だけど、投資に踏み切れない理由

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先日、半導体製造ファウンドリの台湾セミコンダクター(TSMC)が決算発表を行っていました。売り上げが 1兆4,942億台湾ドル(前年対比 50%アップ)、純利益が7,630億台湾ドル(前年対比 68.7%アップ)という素晴らしい決算内容を発表していました。

さすが、世界最先端の技術をもつ半導体製造企業だね

あらゆる半導体企業がTSMCに頼っているからね

従来から半導体はインターネット社会において無くてはならないものだったのですが、AI社会に移行していくにつれて、最先端の半導体は最高級品として非常に価値があるものとなっていっており、その中でも最高品質の半導体を作る技術を保有している台湾セミコンダクター(TSMC)に製造依頼が集中しています。

特に、純利益率は 51.1%と製造業としては驚異的な数値となっており、売上の半分が利益として残るという事なので、巨額の設備投資が必要な半導体製造事業という分野において、50%以上の純利益を叩き出しているという事が素晴らしいですね。

世界最強の半導体ファウンドリである台湾セミコンダクターは、半導体生産の世界シェアが 72.5%と圧倒的なガリバー企業となっており、業界 2位のサムスン・ファウンドリのシェアが 5.9%程度だという事を考えれば、半導体生産の大半は台湾セミコンダクターが担っているといっても過言ではないです。

規模が巨大なだけでなく、圧倒的な技術力・生産力にも定評があり、歩留まり(不良品を抑えて大量生産する能力)も非常に高く、高品質な半導体を安定して大量に生産することが出来る唯一の企業となります。ゆえに、エヌビディアやアップル、クアルコム、ブロードコム、アマゾンなどなど、最先端GPUからスマホ、パソコンの半導体など重要企業の多くが半導体の生産を台湾セミコンダクターに依頼しています。

ただ、台湾セミコンダクターは半導体生産の大部分を台湾で生産しています。日本の熊本や米国のアリゾナなどにも工場はありますが、基本的には台湾に工場が集中しており、台湾セミコンダクターの生産量の 90%程度は台湾で生産しています。

なので、台湾に何か不測の事態が起これば、台湾セミコンダクターは致命的なリスクを背負う可能性があるのです。

一番困る不測の事態といえば、中国による台湾進攻だと思います。中国は台湾を自国の領土だと認識しており、他国に対しても台湾を国として承認することを認めていません。特に、中国国家主席の習近平氏にとっては台湾併合は長年の夢であり、悲願でもあります。

だからといって、中国が台湾に侵攻する可能性が高いのかというと、そういうわけではなく可能性として低いです。それは、仮に台湾に侵攻するとなると、米国などからの支援もあり、攻防が長引く可能性があるのと、それに伴う経済損失が非常に巨額のものとなり、中国自体へのダメージも計り知れないものがあるからです。

ゆえに、現時点では中国が台湾に侵攻する可能性は経済的な損失や国際的な孤立を考えると現実的ではないというのが一般的なのですが、ロシアがウクライナに侵攻したり、米国がイランに攻撃したように、経済的な損得を飛び越えて、超大国が理不尽な攻撃に踏み切る事はあるのが現状です。

そして、中国が台湾に軍事的な攻撃や軍事的な威嚇をすると、台湾に生産拠点が集中している台湾セミコンダクターにとっては致命的なダメージを受ける事になります。

なので、台湾セミコンダクターの成長性や重要性は十分に認識しているのですが、どうしても台湾セミコンダクターに投資する意欲(勇気)が湧かないというのが私の素直な意見です。

企業としては、非常に素晴らしい企業であり、将来性・技術力・重要性など全てにおいて最高ランクの企業であるのですが、地学リスクが非常に高いというデメリットがそれらを帳消しにするぐらい不安定なので、投資に踏み切る事が出来ないのです。

    

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