EVにとって厳しい時期になってきた

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マグニフィセント・セブンの一員として市場を牽引していたテスラ。そのテスラが最近は調子が悪いです。去年は結構頑張って株価も上昇していたのですが、今年に入ってからは右肩下がりとなっており、僅か3か月程度ですでに33%もの大幅な下落となっています。

投資家に大人気のテスラが苦戦中だね

テスラのEVは好きだけど、EVが普及するには時間が掛かりそうだね。

テスラにとって厳しいのは、特に今年の販売台数が伸び悩んでいる事であり、今年の1月~3月のテスラの販売台数は4年ぶりに前年実績を割り込んでおり、前年対比9%減少の38万6810台となっています。

世界的にもEVの需要が落ち着いてきており、販売台数の伸び率が低下してきています。従来のEV購買層であった富裕層(アーリーアダプター:流行に敏感な層)への販売が一定量行き渡っており、需要が一服しているといった感じになっています。

また、一般層(アーリーマジョリティー:流行追従者層)へ普及していくのは、まだ充電設備などのインフラ整備が追いついておらず、本格的な普及を妨げています

そして、それに拍車を掛けているのが各国のEV支援策の打ち切りやガソリン車販売中止時期の延期などです。ドイツにおいては、EV販売補助金が終了となり、英国や欧州でもガソリン車の販売終了時期(販売禁止時期)を従来の想定よりも後ろ倒しにしました。また、米国も従来のEV普及目標を引き下げました。

こうした動きに、米国の主要自動車メーカーも反応しており、フォード・モーターはピックアップトラックやSUV(大型多目的スポーツ車)などのEV販売を2年ほど延期する事を発表しており、その代わりにガソリン車として販売している全車種に対してハイブリット化を2030年までに完了する計画を打ち出しており、EVに集中していた戦略の見直しを行っています。

また、ゼネラル・モーターズもピックアップトラックのEV販売を1年ほど延期する事を決定しており、代わりにプラグインハイブリッド(PHV)の導入を強化する方針を打ち出していました。

米国主要自動車メーカーのEV戦略の鈍化は、米国政府がEV推進を弱めている事が強く影響しています。バイデン政権は、排ガス規制の緩和を打ち出しており、また2032年までに新車販売の7割をEVにするといった目標も約4割ほどに引き下げています。

需要の一服と共に、各国の支援策・補助金も徐々に縮小しており、EVにとって一番の追い風であったガソリン車の販売禁止時期も後ろ倒しになるなど、EV開発を慌てて進めていくインセンティブが弱まってきています

唯一の例外的な市場が中国市場なのですが、需要は旺盛ながらEVに参入する企業が相次いでいる事から供給は多寡になっており、中国においての競争は厳しさが増しています。

中国のEV企業最大手のBYDは、相次ぐ値下げ戦略で市場の取り込みを図っており、採算が悪化してもシェアを取る戦略に打って出ています。また、世界的なスマートフォンメーカーである中国のシャオミもEV販売に参入しており、シャオミ(小米)が販売したEVの価格は21万元となっており、テスラの主力である「モデル3」の24万元よりも低い価格設定となっていて、EVの価格競争は激化しています。

EVは、世界的には需要が一服して販売台数の伸びは落ちてきており、各国の支援策も弱まってきていて、更に最大のEV需要国である中国では値下げ競争による採算の悪化が深刻化しており、EV企業にとっては苦難の時期となっています。

そんな状況によって、テスラの株価も軟調な展開が続いています。

ただ、テスラは自動運転タクシーについて「8月8日に何らかの発表をする」と公表していました。これにより、5日(金曜日)の取引終了後の時間外取引でテスラの株価は大幅に上昇していました。

テスラの自動運転タクシーは、テスラ車よる自動運転技術によってテスラ車を購入した人が他人に自家用車を貸し出す事でロボタクシー(無人タクシー)として利用する事が出来るというもので、これによってテスラ車の価値は非常に高まり、テスラ車の販売台数も飛躍的に伸びるとされています。

現実的には厳しい内容だとは思いますが、前向きな発表があるとテスラ車の株価は伸びていくかもしれませんね。

それでも、当面はEV販売企業にとっては苦難の時期が続きそうなので、楽観的にはなりにくい環境になってきているのではないかなと感じます。

    

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