16日に開催されていた米連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利を 0.25%引き上げることが満場一致(投票権を持つ12人全員が利上げに賛成した)によって決定しました。これにより、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利は 3.75〜4.0%となりました。

ついに米国では利上げが行われたね



動きが遅い日銀とは違って、FRBは対応が早いよね
一方で、トランプ大統領は利下げを強く要望しており、利上げが決定するとFRBを非難する声明を出していました。「米国は世界で圧倒的に最も信用力の高い国だから金利は 1%かそれ以下であるべきだ」というめちゃくちゃな理論を振りかざしていましたが、大統領任期中に経済を見かけだけでも良くしたいという思惑だけでの発言であり、現状での政策金利 1%というのは、現実味がない数値ですよね。
では、今回のFOMCにおいて、FRBの委員達がどのような金利水準を今後も想定しているのか、また米国の経済成長やインフレ率、失業率などをどのぐらいと見込んでいるのかを確認していこうと思います。
今回の政策金利の想定(ドットチャート)においても、ウォーシュ議長は四半期ごとに金利見通しを判断する事に批判的な立場を取っており、FRB委員は 19人いるのですが今回の政策金利の想定(ドットチャート)についても前回と同様にウォーシュ議長を除いた 18人しか提出されていません。
「FRB委員(18人)による2026年度の政策金利想定」
| 政策金利 | 2026年 |
|---|---|
| 4.25%~4.50% | 4人(0.50%利上げ) |
| 4.00%~4.25% | 12人(0.25%利上げ) |
| 3.75%~4.00% | 2人(現状維持) |
年内(2026年度)における政策金利の想定は、少なくともあと 1回は利上げを行うという感じでした。現在の政策金利である 3.75%~4.00%に留まると想定しているFRB委員は2人しかおらず、残りの 16人は、あと 1~2回の追加利上げを想定しています。
ちなみに、来年の2027年度の政策金利の想定については、各FRB委員は次のように想定しているようです。
「FRB委員(18人)による来年の2027年度の政策金利想定」
| 政策金利 | 2027年 |
|---|---|
| 4.25%~4.50% | 8人(0.50%利上げ) |
| 4.00%~4.25% | 6人(0.25%利上げ) |
| 3.75%~4.00% | 0人(現状維持) |
| 3.50%~3.75% | 3人(0.25%利下げ) |
| 3.00%~3.25% | 1人(0.75%利下げ) |
来年の政策金利の想定については、現状から 1回~ 2回程度の利上げが優勢となっていて、今年にもう 1回追加利上げを行ったのであれば、さらにあと 1回ほど追加利上げがあるかもしれないといった感じとなっています。利下げを想定している FRB委員も数名いますが、基本路線は今の水準からもう少し利上げが継続するといった形となっています。
では、次にFRBが想定している今後の経済指標の状況を確認してみましょう。
「FRBが想定する今後の経済指標」
| 項目 | 2026年 | 2027年 | 2028年 |
|---|---|---|---|
| GDP成長率 (前回の予測値) | 2.3% (2.2%) | 2.4% (2.3%) | 2.2% (2.2%) |
| 失業率 (前回の予測値) | 4.1% (4.3%) | 4.1% (4.3%) | 4.1% (4.2%) |
| PCEインフレ率 (前回の予測値) | 3.7% (3.6%) | 2.3% (2.3%) | 2.1% (2.0%) |
| コアPCEインフレ率 (前回の予測値) | 3.4% (3.3%) | 2.5% (2.5%) | 2.2% (2.1%) |
| 政策金利 (前回の予測値) | 4.1% (3.8%) | 4.1% (3.6%) | 3.9% (3.4%) |
インフレ率は、前回よりもさらに上昇しており、インフレが緩やかに加速していく事を想定していますね。それに伴って利上げを行うつもりでいるので、政策金利についても前回の想定よりも当然ながら上がっています。ただ、インフレについては利上げを行うことで抑制できるという感じのようで、2027年の想定は前回と変わらない水準となっていました。
経済成長については、2026年も2027年も前回よりも若干上昇しており、AI需要による景気の拡大が見込めるという判断なのだと思います。失業率についても、景気の拡大を考慮したのか前回よりも下がっている数値になっていますね。
トランプ大統領は、利下げを行って更なる景気拡大を目指したい考えなのですが、インフレが進行している現状においては利下げなど出来るはずもなく、追加利上げが行われる可能性の方が現実味を帯びていますね。自身が引き起こしたイラン問題によるインフレ拡大なので自業自得な気がします。
ただ、インフレが進行してはいますが、経済状況も依然として好調なので、利上げが出来る体力がある(余地がある)ことは喜ばしい事だと思います。インフレ進行と同時に景気減速となれば、利上げも出来ずにスタグフレーションになってしまうところなのですが、今のところはスタグフレーションの心配をする必要はなさそうです。
AI需要の拡大という降って湧いてきたような景気拡大によって、イラン問題でインフレ気味になっても利上げできる状況にあるというのは米国株市場にとっては助かりますよね。ただし、AI需要が思ったほど伸びなければ景気の拡大もストップしてしまうし、イラン問題が長引けばインフレも更に加速してしまうので、依然として今度の動向は綱渡りの状態ともいえるかもしれません。
イラン問題さえ収まれば、インフレも落ち着き、利下げする余地が生まれていき、経済の活性化がさらに高まり、米国株式も好調を続けることになっていくので、はやくイラン問題にケリをつけてほしいですよね。


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