いよいよ始まった米国株の決算発表ウィーク。注目の大手企業が今週から来週にかけて続々と決算発表を行うのですが、先陣を切ってグーグル(アルファベット)が決算発表を行っていましたね。結果は、売上も利益も大幅に伸びていて市場予想を上回る好決算でした。しかしながら一方でデータセンターなどへの設備投資は増えており、好材料と不安材料が入り混じった決算内容でしたね。

時価総額の大きいビックテックの決算発表が始まったね



まずはグーグル。来週はマイクロソフトやアマゾンがあるね
今回のグーグル(アルファベット)の決算は、業績自体は非常に良かったです。今期の売上高は前年と比べても 24%も増加しており、1197億9600万ドル(約 19兆円)となっていて市場予想よりも高い実績となっていました。AI需要が一番強く表れるクラウド事業についても、前年よりも 82%も増加した 247億ドルとなっていて業績自体は絶好調です。クラウド事業の受注残も 5140億ドルとなっていて 3月末時点よりも 10%ほど増えています。
ただ、やはり設備投資の負担は重くなっていて、今年度の設備投資の想定は当初は1800億ドル~1900億ドルと見積もっていたのですが、更に上乗せして 1950億ドル~ 2050億ドルになると発表していました。また来年の 2027年についても「大幅に増やす」と語っていました。今期の設備投資自体も前年の約2倍にあたる 449億ドルを費やしています。
| グーグル | クラウド部門売上高 | クラウド部門売上伸び率 | 設備投資額 |
|---|---|---|---|
| 2024年04月~06月 | 103億ドル | 29% | 132億ドル |
| 2024年07月~09月 | 114億ドル | 35% | 131億ドル |
| 2024年10月~12月 | 120億ドル | 30% | 143億ドル |
| 2025年01月~03月 | 123億ドル | 28% | 172億ドル |
| 2025年04月~06月 | 136億ドル | 32% | 224億ドル |
| 2025年07月~09月 | 152億ドル | 34% | 240億ドル |
| 2025年10月~12月 | 177億ドル | 48% | 279億ドル |
| 2026年01月~03月 | 200億ドル | 63% | 357億ドル |
| 2026年04月~06月 | 247億ドル | 82% | 449億ドル |
クラウドは AIが普及するにつれて間違いなく伸びていくのですが、それ以上に設備投資の負担が重い事が懸念されていますね。クラウド事業の受注残も 5140億ドルとドンドンと増えていっているので、その需要に応えるためにガンガンと設備投資に邁進しているのですが、本当にこの需要が途切れないのかを不安視する傾向がグーグルの株価の軟調さを物語っていますね。
それでも、AIがあらゆる産業にサービスを提供していくのは時間の問題です。かつてはハイテク企業の盟主とも呼ばれていた IBMも AIの台頭によって苦戦しています。IBMは特に銀行などの基幹システム開発に強みを発揮しており、独自のプログラミング言語(COBOL・コボル)で開発・設計した基幹システムを他社製に切り替えるには莫大なコストと手間暇(切り替えにおける安全確認など)が掛る為、スイッチングコストが高いと言われてきました。
顧客が他社のコンピューターやクラウドへ移るには、COBOL(コボル)以外の新しい言語に書き換えて、データ移行や動作試験を繰り返す必要があります。費用や障害のリスクも大きいため、顧客が IBMの機器やソフトをそのまま刷新して、使い続ける理由になってきたのでした。
ところが、AIの出現によってこの関係が崩れてきました。AI大手のアンソロピックが、COBOL(コボル)のコードを現代的な言語に書き換える AIツールを発表したのです。基幹システム移行に必要な人員や時間が減れば、銀行などの企業は IBM以外の製品も選びやすくなります。これにより、IBMが苦戦を強いられるようになっているのです。
世の中のシステムの9割は、まだクラウドに移行しておらず従来のシステムのまま稼動しています。これらが AIによってクラウドへの移行がスムーズに進むようであれば、企業のクラウドへの移行は加速していきます。更に、AI自体がクラウドで稼働しているため、クラウドの必要性は更に高まっていく事になります。
クラウド大手各社が設備投資に邁進しているのは、クラウドの需要がかつてないほどに高まっているからです。その為、今は設備投資の負担が重くても、それが後々のリターンへとなって戻ってくるのであれば、今の先行投資は必ず後から生きてくることになると思います。


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