新たな銀行破綻。でも過度に警戒はする必要はない

いつの間にか米国でまた銀行が破綻していました。3月にシリコンバレー銀行が破綻した事を記憶している方々も多いと思いますが、今回は11月3日にシチズンズ・バンクが破綻した事が発表されていました。

今年の3月に米国で銀行が破綻した時には大きなニュースになり、株価にも影響を与えたイベントとなっていたのですが、今回はもう慣れてしまったのかニュースにもならないぐらいの扱いでした。

でも、銀行が破綻したという事で少しぐらいは警戒は持っていたほうがいいのではないかなと思っていますが、過度に警戒する必要はないと考えています。

では今回は、新たな銀行破綻についてのお話です。

5つめの銀行破綻

米国で3月にシリコンバレー銀行が破綻し、数日後はシグネチャーバンクが破綻した時には大きなニュースになりました。そして、そして5月になるとファースト・リパブリック・バンクが破綻するなど、地方銀行の破綻が続いており金融不安が高まっていました。

政府が破綻した銀行の預金を全額保護するなどの救済策を行ったため金融システム不安がそれ以上高まる事はなく、金融不安は落ち着いていきました。

そして、７月にハートランド・トライステート銀行が倒産して、今回はシチズンズ・バンクが破綻しました。

ブルームバーグや日経新聞にも報道が全く乗っておらず、本当に破たんしたのかな？と思ったのですが、連邦預金保険公社（FDIC）の公式サイトで発表されていました。こちらがそのサイトになります。

連邦預金保険公社の発表を簡単に要約すると、アイオワ州にあるシチズンズ・バンクは破綻となり、アイオワ信託貯蓄銀行がシチズンズ・バンクの全ての預金および資産を引き継ぐことになります。

シチズンズ・バンクの支店は、アイオワ信託貯蓄銀行の支店として再開する事となり、預金者は通常通り自分のお金にアクセスする事が出来ます。

2023年9月30日時点で、シチズンズ・バンクの総資産は約6600万ドル（約99億円）、預金総額は約5900万ドル（約88億円）でした。

シチズンズ違い

シチズンズ・バンクが破綻したと聞いて一番最初に私が思った事は・・・。

シチズンズ・バンクが破綻したら米国に与える影響は、過去に破綻したシリコンバレー銀行やファースト・リパブリック・バンクなどよりも大きいのにと思ったのですが、どうやら私の勘違いの様でした(笑)

私は、「ファースト・シチズンズ・バンク」と「シチズンズ・バンク」を同じ銀行だと勘違いしていたので、今回の「シチズンズ・バンク」の破綻が大きなニュースにならなかった事を不思議に思っていたのですが、どうやら違う銀行だったようです。

「ファースト・シチズンズ・バンク」は、全米の銀行預金残高で第13位にランクインしており、預金残高は2260億ドル（約33兆9000億円）であり、全米に500店舗以上の支店を持っています。今年破綻したシリコンバレー銀行やファースト・リパブリック・バンクよりも規模が大きな銀行です。

一方で、今回破綻した「シチズンズ・バンク」は、アイオワ州の小さな銀行で支店数は2店舗。預金残高は5900万ドル（約88億円）となっており、それぞれ独自のブランドと組織を持っている全然違う銀行でした。

同じような名前をつけないで欲しいよね。紛らわしいよね（笑）

ちなみに、過去記事で米国の銀行のランキングを載せているので、参考にどうぞ！こちらのランキング第13位にファースト・シチズンズ・バンクが載っています。

まとめ

今回破綻したシチズンズ・バンクは規模も小さく、与える影響もアイオワ州に限定されており、そもそも預金等もアイオワ信託貯蓄銀行が全額保護する為、混乱は起こっていません。

今回のシチズンズ・バンクの破綻によって、連邦預金保険公社 (FDIC)が管理する預金保険基金（DIF)が支払うコストは1480万ドル（22億2000万円）となっていますが、これは預金保険基金にとって今まで一番低いコストだったようです。

破綻した銀行の規模も小さく、影響を与える地域も限定的であるため、何も混乱が起こっておらず、ニュースにすらなっていないので、過度に警戒する必要はないと思います。

ただ、政策金利は歴史的にも高金利の水準であり、今後も銀行の破綻が続く可能性はあると思えるので、少しだけは警戒を保っておいてもいいかもしれませんね。