米国の中間選挙は、トランプ大統領率いる共和党が野党の民主党に大敗して、上院と下院の両方ともを民主党が過半数以上を占める状況となっていますね。今までは、データセンターなどの建設に対して寛容な態度を取っていたトランプ大統領ですが、民主党はデータセンターの規制に前向きな政治家がいるので、民主党が上院と下院を制した事により、データセンターへの規制が強化される可能性があります。

AIの発展のためにはデータセンターは不可欠なのにね



競争よりも調和を大事にしたいという事なのだろうね
中間選挙の情勢が分かった段階で、米国株市場は大きく動いており、データセンターへの規制が強化される可能性を考慮して半導体銘柄や半導体メモリ、光通信銘柄などは大きく下落をしました。エヌビディア、マイクロン、コアウィーブ、マーベルなどの代表的な銘柄は大幅下落しています。
一方で、アマゾンやマイクロソフト、グーグルなどのハイパースケーラー(クラウド企業)は大幅上昇しています。アマゾンは 6.1%上昇、マイクロソフトは 6.6%上昇、グーグルは 3.3%上昇となっていました。データセンターを建てまくっているハイパースケーラーはなぜ規制強化の可能性があるのに上昇したのでしょうか。
それは、ハイパースケーラー各社がガンガンと行っている設備投資が抑えられるようになれば、既に投資済みのクラウドから大量のキャッシュが舞い込んできて、キャッシュが潤う上に利益も増えていく状態になるからです。
今のハイパースケーラーは湯水のように設備投資に資金を突っ込んでいます。それはデータセンターを作れば作るほど売り上げが上がってくるからです。でも、作るのには時間が掛かり、そして出来上がってから売上や利益が舞い込んでくるので、キャッシュが入ってくるのに時差があります。
なので、データセンターを作ってキャッシュが入ってきても、次の需要を賄うために更にデータセンターに資金を突っ込んでいるので、キャッシュが出ていくほうが多くなっています。これによりフリーキャッシュフローはマイナスとなっていて、投資家達の不安を高める大きな要因となっています。
仮に、設備投資をしてから1年後に売り上げが上がってくるとして、100億ドル投資して、120億ドルの売上(投資額の1.2倍の売上が上がるとする)があれば、当然儲かるはずなのですが、その次の年も更に設備投資を増やしていく(30%づつ増える)ので、売上が追い付かない状態が続いていきます。
| 年数 | 設備投資額 | 売上額 | 累計差額 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 100億ドル | まだ売り上げはない | -100億ドル |
| 2年目 | 130億ドル | 120億ドル | -110億ドル |
| 3年目 | 169億ドル | 156億ドル | -120億ドル |
| 4年目 | 220億ドル | 202億ドル | -141億ドル |
| 5年目 | 286億ドル | 264億ドル | -163億ドル |
| 6年目 | 372億ドル | 343億ドル | -192億ドル |
この設備投資額を抑えれば(せめて前回と同じ金額ぐらいにすれば)、売上も追いついてくるのですが、需要が膨大にあり、投資額を抑えてしまうと、その需要を他社に取られてしまう恐れがあるので、各社とも手を抜けない状態が続いており、ガンガンと設備投資をせざるを得ない状態です。
でも、データセンターへの建設(投資)に一定の規制が入るようになれば、業界全体でブレーキがかかる事になります。1社だけがブレーキを踏む(投資を抑える)場合だと、他社に需要を取られてしまう可能性がありますが、業界全体でブレーキがかかるのであれば、他社に抜け駆けされる恐れはなく、設備投資を抑える事が出来るようになります。
設備投資が抑えられるようになれば、キャッシュが出ていく量は減っていき、逆に今まで投資していた分からはキャッシュがドンドンと入ってくるので、データセンター規制によって強制的に回収フェーズに入っていく事になります。
なので、民主党が大勝したと同時に、アマゾンやマイクロソフトは大きく上昇していたのです。逆に、半導体銘柄や半導体メモリ銘柄、光通信銘柄、ネオクラウド企業などは、ハイパースケーラーの設備投資が増え続けるからこそ、売上が増えていくという想定の元に株価が上がっていたので、データセンターが規制されると苦しくなってしまいます。
データセンターが規制されると、データセンターを拡大しているハイパースケーラー達には不利のような感じに思えてしまいますが、逆にデータセンターの建設を規制することで設備投資が抑えられる事になり、豊富なキャッシュが舞い込んでくる状態になっていくので、アマゾンやマイクロソフトに関しては比較的良い傾向と言えます。
また、AI需要が拡大しているのに供給が弱まる(データセンターの建設が弱まる)という事は、AIを利用できるクラウドの奪い合いになっていく事になり、すでに膨大なクラウドを構築しているハイパースケーラー達は、今以上に価格競争力が増していく可能性があります。今よりも高い値段でクラウド使用料を設定するかもしれません。
こういったケースは、半導体価格や半導体メモリ価格の高騰の時にも見られましたよね。需要に供給が追い付いていないから、今あるものに希少価値が付き、価格が高騰していきます。エヌビディアもマイクロンも、こういった需要に供給が追い付いていないからこそ、高利益を叩き出すことが出来ていました。データセンターの建設に規制が掛かると、こういったケースも起こるかもしれないのです。そうなると、ますますハイパースケーラー達に有利になっていきます。
そして、AIが発展していく事は米国が世界の覇権を握り続けるために必要不可欠な事であり、中国などに追い抜かれるわけにはいかないことから、過度にデータセンターを規制することはないと思います。また、州単位での規制はあったとしても、米国全体での規制には入らない(法案をトランプ大統領が否決できる)だろうから、全米単位での強い規制は出来ないと思います。
大幅に(強固に)データセンター建設に対して規制が入るようであれば、ハイパースケーラー達にとってもマイナス要因となるのですが、現状の感じであれば、一定の規制が入ったとしても、強い規制にまでは至らないと思えるので、そうであればハイパースケーラー達にとってはプラス要因の方が強く働く可能性が高いと思います。


コメント
コメント一覧 (3件)
おはようございます。マイクロソフトなどが本命なのは同意です。ただ資金繰りが苦しくなったデータセンターを資金潤沢なアップルが参入するという大穴があるのではと思いました。
本格的な下落が来てしまいましたね。どうなるのか恐ろしい反面楽しみでもあります。私は主戦場の日本株を今日から来週にかけて買い漁りたいと思います。
こんにちは、いわまさん。
アップルがどう動くか注目ですね。これまで通り、一歩引いているのか、それとも自社で扱うようになるのか、アップルの動きも気になりますよね。
大きく下落しましたね。ただ、大きく下がっている銘柄と、それなりの下落になっている銘柄との差が大きいですね。
S&P500などは、まだ高値から6%程度の下落なので、10%を超えてくると、結構つらい状況になっていきそうですね。
データーセンターを→データーセンターに です。
失礼しました