安定資産として人気がある個人向け国債。個人向け国債には、いくつかの種類があり、変動金利となっている10年物と、固定金利となっている5年物と3年物があります。変動金利の10年であれば、購入後の金利状況によって金利が変わっていきますが、固定金利である5年と3年は購入時点の金利が最後まで変わらないです。

変動金利の10年個人向け国債の方が人気あるよね



ただ、これからは5年の個人向け国債でもいいと思いますよ
少し前までであれば、変動金利の10年個人向け国債で良かったと思います。日銀が政策金利を上げると、変動金利の10年個人向け国債もいずれは利率が上がっていくので、金利上昇局面においては変動金利の方が有利です。
前回のブログ記事でお伝えしたように、今月に日銀が利上げするのは確実視されています。1%だった政策金利が 0.25%利上げとなり、1.25%となる予定です。なので、前回のブログでは個人向け国債を購入するのであれば、今月ではなく、利上げが行われた後の来月にした方がいいというお話をしていました。
今回は、来月に個人向け国債を購入するとして、どの個人向け国債を購入すればいいのかというお話です。
従来であれば、変動金利の10年の個人向け国債で良かったと思うのですが、来月以降に購入するのであれば固定金利の5年の個人向け国債の方がいいのではないかなと思っています。
なぜなのかは、個人向け国債の利率の計算方法を確認しながら考えていきましょう。変動金利10年個人向け国債の利率の計算方法は、「基準金利×0.66」となっています。一方で、固定金利5年個人向け国債の利率の計算方法は、「基準金利-0.05%」となっています。
9月の個人向け国債のそれぞれの利率はこのようになっています。変動10年個人向け国債は「基準金利(2.95%)×0.66%=1.95%」。そして、固定金利5年個人向け国債は「基準金利(2.29%)-0.05%=2.24%」でした。
今月に政策金利が 0.25%利上げすることが確実視されていますが、政策金利が上がれば個人向け国債の基準金利も引きあがります。政策金利の引き上げ率と個人向け国債の基準金利の引き上げ率は必ず同じ割合になるというわけではないのですが、計算を単純化するために政策金利が 0.25%上がった分だけ基準金利も 0.25%引きあがると仮定します。
(10月の基準金利が9月よりも 0.25%上昇したとする)
変動10年個人向け国債
「基準金利(3.20%)×0.66%=2.11%」
固定金利5年個人向け国債
「基準金利(2.54%)-0.05%=2.49%」
このような感じとなり、変動10年の利率は「2.11%」ぐらい、固定5年の利率は「2.49%」ぐらいとなります。固定5年の方が利率は高くなりますね。
ただし、変動10年の場合は、政策金利が上がれば、再び利率は上昇していくことになります。なので、今までは政策金利の上昇を考慮すれば変動10年を保有していれば良かったと思うのですが、今後は利上げのスピードが落ちていくと思います。
現状で 1.25%(9月に利上げが行われたと仮定して)なのですが、ここから先に政策金利を上げていくとしても、0.5%(0.25%を2回実施)以上を引き上げていくのはなかなか厳しくなっていきます。0.5%の利上げを行うと、1.75%まで政策金利が上がっていくことになります。
政策金利を引き上げると、住宅ローン金利なども引きあがっていくので、一般市民への影響も強くなってしまいます。なので、日銀もある程度まで利上げすると、その先の利上げには慎重になって時間を掛けながらでないと難しくなっていきます。インフレに対して賃金上昇などで市民への影響が多少は軽減されるぐらいになってからでないと物価が上がっているからという理由だけでは利上げを続けるのが難しい判断になっていく事になります。
さて、今後の利上げが 1.75%(0.25%が2回)程度でいったん小休止するとするならば、変動10年の個人向け国債の利率はどのような感じになっていくのだろうか。
(政策金利 1.50%: 0.25%が 1回)
変動10年個人向け国債
「基準金利(3.45%)×0.66%=2.27%」
(政策金利 1.75%: 0.25%が 2回)
変動10年個人向け国債
「基準金利(3.70%)×0.66%=2.44%」
こんな感じになっていく想定です。さて、来月の10月に個人向け国債を購入すると仮定して、固定金利の5年個人国債を購入した際の利率は、2.49%ぐらいです。変動金利の10年個人向け国債を購入していても、その後に2回の利上げがあった場合でも、まだ固定金利の5年個人向け国債の方が金利水準が高いのですよね。
「固定金利5年」の利率 2.49%
「変動金利10年」の利率 2.11% → 2.27%(利上げ1回) → 2.44%(利上げ2回)
なので、来月ぐらいに個人向け国債を購入するのであれば、今後は固定金利の5年個人向け国債でもいいんじゃないかなと思っています。
もちろん、インフレが進んで政策金利をさらに引き上げないといけない可能性もあるとは思います。日銀が中立金利を2.00%前後ぐらいで想定しているので、2.00%(0.25%を 3回)ぐらいまで行く可能性もあります。ただ、それでも2.00%になるまでに何年かは時間が掛かる事を考えると、5年ぐらいの時間であれば固定金利の5年個人向け国債を購入しておいて、満期になってもまだ資金を使う予定がなければ、もう一度5年の個人向け国債に入れ直しておけば、途中解約のペナルティーもなく、高い金利で購入し直すことが出来るので、その方がいいのではないかなと考えています。
金利がほとんどついておらず、利上げが始まったばかりの頃であれば、変動金利の10年個人向け国債で良かったと思うのですが、何度か利上げが行われており、残りの利上げ回数も多くはないような感じ(あと2回~3回ぐらい)になりつつあるようであれば、固定金利の5年個人向け国債でもいいと思います。


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