米国債ショックの再来がやってきた

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2日の米国株市場は大きく下落をしていました。その要因の1つとして米国債の格付け引き下げがありました。大手格付け会社のフィッチが米国債の格付けをトリプルAからダブルAプラスに一段階引き下げた事で、米国株式はリスクオフとなり相場が大きく下落していました。

そういえば昔にも米国債の格付け引き下げがあったよね

あの当時(2011年)も今回のように債務上限問題がありましたよね

大手格付け会社が米国債の格付けを引き下げたのは、今回が初めてではなく、以前にも米国債の格付けが引き下げられる事がありました。

今回は、その当時の振り返りと現在の状況をみてきたいと思います。

目次

2011年の米国債ショック

2011年の米国債券ショックとはどんなものだったのか?

米国では、政府の債務(米国債の発行総額)に上限を定めており、上限額に到達すれば政府は新たな米国債の発行が出来なくなってしまいます。米国債が発行できなくなると新たな財源が手に入らない事になり、政府関連の部署(役所や公共機関)への給料の支払いなどに影響(遅延や不払い)が起こる事になります。その結果、政府施設が閉鎖されたり、公共サービスが滞る原因となりかねません。

それを回避するために、上限を引き上げる必要があるのですが、上限を引き上げるにあたって政権与党と野党の間で駆け引きが行われて、上限引き上げ期日ギリギリまで両党の政策をどのように採用及び妥協するのかで揉めてしまいます。特に、上院や下院で政権与党が過半数を下回っていると交渉が難しいものになります。

結局は上限を引き上げる事になるのですが、両党の都合の良い部分を取り入れる事によって財政赤字の削減などの政策が中途半端になる事があります。

そして、米国の格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は財政悪化を理由に、米国債の格付けをトリプルA(AAA)からダブルAプラス(AA+)に格下げします。これは米国の歴史上初めての事であり、債券の格付けを引き下げるという事は政府の信用が引き下げられたことになります。

他の大手格付け会社であるムーディーズとフィッチは米国債の格付けをトリプルAに維持しましたが、スタンダード&プアーズが格付けを引き下げたことは株式市場に大きなショックを与えました。

現在の格付けの状況

大手格付け会社3社(ムーディーズスタンダード&プアーズフィッチ)が、現在の各国の債券の格付けをどのように位置づけているのかと確認していきたいと思います。

大手格付け会社の格付け状況

国名ムーディーズスタンダードフィッチ
ドイツAaaAAAAAA
オランダAaaAAAAAA
オーストラリアAaaAAAAAA
スイス等の6か国AaaAAAAAA
カナダAaaAAAAA+
米国AaaAA+AA+
韓国Aa2AAAA−
中国A1A+A+
日本A1A+A

最上級のトリプルAには、ドイツ・オランダ・オーストラリア・スイス・ルクセンブルク・デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・シンガポールの9か国がランクインしています。

米国は、ムーディーズがトリプルAを維持していますが、スタンダード&プアーズは2011年にダブルAプラスに引き下げており、今回フィッチもダブルAプラスに引き下げています。

日本はというと、ムーディーズがA1、スタンダード&プアーズがA+、フィッチがAという感じで、中国や韓国よりも低い位置づけとなっています。

現在の状況

フィッチが米国債の格付けを最上級のトリプルAから一段階引き下げた事で、大きく下落した株式市場。

フィッチが格付けを引き下げた理由は、財務状態の悪化と政府債務残高の増加を主な理由となっています。

今回のフィッチの格下げを受けて、イエレン米国財務長官は、「フィッチ社の決定は古いデータに基づいており、恣意的であり、フィッチ社の決定は投資家の認識を変えるものではない」と批判しています。

現在のところは、すでにスタンダード&プアーズが米国の格付けを引き下げていた事もあり、市場の反応は限定的です。3大格付け会社の1つであるムーディーズは今でも米国に最上級の格付けを付与しており、フィッチが格下げをしても評価を維持しています。今後はムーディーズがどのような判断を下していくのかによって変ってくるのだと思います。

まとめ

過去の例からすると、格付け引き下げによる下落は一時的なものとなり、それほど長く続くというものでもないです。

ただ、フィッチによる格下げが、上昇基調にあり強気相場だった米国株市場に水を差したのは確かです。

このニュース1つだけで相場が大きく変わるというものではないですが、他のニュースを合わさる事で相場の空気感が一変する可能性があります。

特に政策金利の動向が非常に需要であり、先日発表された失業率も市場予想の3.6%を下回る3.5%となっており、労働市場は依然として好調を維持しています。

市場では利上げは終了したという論調が主流となっていますが、労働市場の力強さが継続するようであればインフレが収まらずに再度利上げが必要な場面が出てくるかもしれません。

今回のフィッチの米国債格下げ自体は、それほど大きな影響をあたえるというほどではないと思いますが、他に経済に悪影響を与えるニュースが出るようであれば、それを補完するような感じでダメージを追加させる可能性があるかもしれませんね。

   

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