株式と債券は逆相関の関係性にあると言われています。つまり、株式と債券は負の関係にあり逆の動きとなっていく事が多いです。景気が好調な時は企業も利益を沢山確保できるため株式が買われていき、一方で債券は景気が好調だと政策金利が引き上げられるため債券価格が下落してしまいます。
逆に、不景気になると企業の業績は低迷する事で株式は売られてしまいますが、債券は不景気の時は景気を促す為に政策金利を引き下げるため債券価格が上昇する事になります。

好景気は株式、不景気は債券だね



基本的には、株式と債券は逆の動きになるよね
基本的には、株式と債券は逆相関の関係にあり、それぞれ別々の動きをするのですが、時々同じような動きをする事があります。株式と債券が両方とも上昇する事もあるのです。
今回は、株式と債券の両方ともが上がる可能性についてのお話です。
普段は、逆の動きをする株式と債券が揃って上昇する相場とはどんな状態なのか?
その状況を作り出す重要な要素は、「予防的利下げ」です。
景気の悪化に対して先手を打つ「予防的利下げ」は、適温経済を作りやすくなります。適温経済の状況下では、経済は不景気を免れており、景気悪化が進んでいないので失業率も高くなく、物価上昇率は落ち着いており、金融政策もタカ派(金融引き締め重視)ではないため、緩やかな景気が長く続きやすくなります。景気が熱すぎず、かといって景気が冷え込んでいるわけでもなく、適度な状態を保ち続ける事から適温経済と呼ばれています。
景気悪化が本格的に起こる前に「予防的利下げ」が何度か行われる状態になると、株式も債券も両方とも上昇する事になります。
最近で、株式と債券の両方ともが上昇した局面は2019年になります。
S&P500の2019年~2020年チャート


株式市場は、予防的利下げを織り込みながら上昇をしていきます。そして、実際に予防的利下げを行われると、それまで上昇していたので予防的利下げを織り込み済みだという事で一旦は下落しますが、再び次なる予防的利下げを促しながら上昇を再開します。
経済も景気悪化を免れており、今後の経済状況を好感して継続した株式相場の上昇へと繋がっていきます。
EDV(バンガード超長期米国債ETF)の2019年~2020年チャート


債券市場も、予防的利下げが行われる事を好感して上昇していきます。実際に、予防的利下げが実施されるとそれを好感して債券価格は大きく上昇していきます。流石に大幅上昇し過ぎたという事で、その後は徐々に下がっていきますが、年間を通してみるとしっかりと上昇しています。
株式市場も債券市場も、予防的利下げとなるようであれば、共に上昇していく可能性が高くなっていきます。
株式市場は、景気が落ち込む事を防ぎ、金利も下がっていく事から、予防的利下げを好感して上昇していき、債券市場の金利が下がれば債券価格は上昇していく事から、予防的利下げを好感して上昇していきます。
今後行われる利下げが「予防的利下げ」であれば、株式・債券ともに上昇するという可能性があるのです。
一方で、「予防的利下げ」をしていたが、結局は景気の悪化が止まらずに、景気悪化に伴って利下げを続ける「本格的利下げ」になった場合は、株式市場は下落していくけれども、債券市場は上昇していきます。
今後、予防的利下げとなっても、本格的利下げとなっても、債券市場に投資をしておけば、どちらの場合であっても上昇する事になります。
今年度の利下げは確定路線であり、利下げをする事は確実視されています。
それであれば、債券ETFなどに投資をしておけば、景気が悪化しても・景気が悪化しなくても、利下げをするということで債券価格は上昇してくことから無難な選択肢になると思います。
今年の経済状況がどちらの転んでも、一定量の債券ETFを保有しておく事で、ポートフォリオの安定化を図れるのではないかと思っています。
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