テンセントが大暴落。ゲーム規制の悪夢再び!

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昨日の午前中にテンセントの株価を見た時には、「1%ぐらい上昇しているな~」って思っていたのですが、夕方にチラッと株価をみてみたら10%以上もの暴落をしているじゃないですか。「何だこりゃ?」と思っているうちに、株価は下がり続けていき、一時は16%もの大暴落をしていましたが、終値は少しだけ持ち直しており、それでも274香港ドルと12.3%の大幅下落となっていました。

1日でこんなに下がる事があるの?

リーマンショックの時以来の大幅下落ですね。

リーマンショックの時に、1日で13.5%もの大幅下落(一時的には1日で19.8%もの大暴落をしていた)をしたことがありますが、今日の下落はその時に匹敵するぐらいの大幅下落となっていました。

今回の大幅下落は、なぜリーマンショックの時の下落幅と同じぐらいのショックを投資家達に与えたのかを確認していきましょう。

目次

突然のゲーム規制

今回、大幅下落となった引き金は政府当局(国家新聞出版総局)が発表したゲーム規制の草案です。突然、何の前触れもなく「ゲーム規制をしようと思っています。国民の皆さんのご意見も参考にしながら草案をブラッシュアップするので、国民の皆さんご意見を下さいね」と発表していました。

ゲームが主力事業であるテンセントにとっては、ゲーム規制は非常に困る規制となります。

過去にも、テンセントは政府当局からゲーム規制を食らって株価が大幅下落した事がありました。

2018年に中国当局は、突然新規販売のゲームに対する認可を全て停止する事を行い、それによって各社の新規ゲームが一切販売できないという事態になりました。また未成年の利用時間制限・年齢規制強化などを導入するように通知を行いました。

これに対応する形で、テンセントは中国公安庁のデータと連結して、2019年までにすべてのゲームに年齢認証システムを導入し、12歳未満のプレイヤーのプレイ時間は1日1時間に制限され、12歳から18歳までは1日2時間に制限されるようになると発表していました。

2018年のテンセントの株価は、最高値が474香港ドルだったのですが一連のゲーム規制を受けて252香港ドルにまで下げて、下落率は47%となっていました。

今回の規制内容

現段階では、まだ政府当局(国家新聞出版総局)が発表したゲーム規制の草案ですが、これが発表されるという事は高確率でこの内容に沿った規制が入るという事になります。

草案では、毎日ログイン報酬や初回リチャージ報酬、継続リチャージ報酬などの利用者の過度な利用促進を促すような設定を認めない事を規定する事が提案されているみたいです。またゲーム課金の上限も設定する方向性のようなので、そうなるとゲーム収益が事業の大きな柱であるテンセントへのダメージは大きいかもしれません。

中国では、近年ゲームに対する風当たりが強くなってきており、メディアなども「ゲームは現代のアヘンだ」と批判する事がありました。

ゲーム依存が社会問題化しており、特に若者への影響を懸念している事から中国では未成年へのゲーム規制が強く、中国では未成年のゲーム時間を強く制限しており、2021年からは未成年は週末である金曜・土曜・日曜・祝日しかゲームにアクセスする事が出来ず、利用時間も午後8時から午後9時までの1時間しかプレイ出来なくなっています。それ以外の曜日や時間帯のゲーム提供は一律禁止されています。

中国の未成年の風紀の乱れや若者の失業率の高まり、出生率の低迷などの社会問題への批判をかわすために、ゲームへの風当たりを強くして、ゲーム依存などが若者の社会問題を高まらせているとして国民の不満を和らげようとする意図もあるようです。

まとめ

テンセントの売上の内で、中国国内のゲーム事業からの売上はテンセント全体の売上の21%を占めている主力部門です。その主力事業の中国国内ゲーム事業において、収益の中心となる課金に制限が掛かるという事は非常に大きなダメージを受ける可能性があります。

中国では、アリババ創業者のジャック・マー氏の政府批判を発端として、IT企業への規制が強まっており、中国当局による度重なる規制や制限、罰金などが加えられていきました。

その度に、テンセントなどのIT企業にとっては大きな影響となり、業績が低迷するきっかけとなっている事から株価も低迷していました。

そして、ここにきて更なる規制強化が打ち出されようとしており、相次ぐ規制強化に疑心暗鬼となった投資家達は中国株から資金を一斉に抜き始めているという感じです。

ポテンシャルはある中国 IT 企業ですが、いつ何時、突然中国当局からの規制が入るか分からない現状においては、安定した株価の成長は見込みにくいと思います。

  

さて、今回の内容は、YouTubeにもアップしています。動画でみると、ブログとは違う魅力などもあると思いますので、ぜひYouTubeの方も見てくださいね。

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