投資信託は海外、個別株は日本

今年の上半期（1月～6月）の新NISAにおける購入状況が発表されていました。新しい新NISA制度が始まって非課税枠が拡大されたという事もありますが、ニュースやワイドショー、ＣＭなどで新NISAが取り上げれる事が多くなり、従来からの投資家だけでなく、新しい投資家も増えてきたようです。

新NISAでの購入額は証券会社上位10社（野村、大和、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガン・スタンレー、楽天、SBI、マネックス、auカブコム、松井）の合計で7兆5009億円となっており、前年度の旧NISA制度での購入金額よりも約4倍近い増加となっています。

では、どんな投資信託や銘柄が新NISAでは購入されているのかを見ていきましょう。

投資信託購入金額上位５銘柄

順位	投資信託名	購入金額
１位	eMAXIS Slim全世界株式（オルカン）	1兆1032億円
２位	eMAXIS Slim米国株式（S&P500）	8411億円
３位	SBI・V・S&P500インデックスファンド	1743億円
４位	楽天・S&P500インデックスファンド	1207億円
５位	楽天・全米株式インデックスファンド	1039億円

圧倒的にeMAXIS Slimシリーズの投資信託が強いですね。eMAXIS Slim全世界株式（オルカン）は１兆円越え、eMAXIS Slim米国株式（S&P500）も８０００億円となっていて、この２つだけで２兆円近い金額を集めています。新NISAでの購入金額の26％をこの２つだけで占めており、ほとんどの投資家がオルカンかS&P500などに投資をしているといった感じになっています。

SBI証券や楽天証券の米国株式インデックスファンドも健闘していますが、それでもeMAXIS Slimシリーズとの差は非常に大きく、投資信託はeMAXIS Slimシリーズの１強状態ですね。

投資信託の上位５位はすべて海外株式投資信託が占めており、日本株の投資信託はランクインしていません。最近の米国株ブームは私たちのような米国株投資家だけでなく、一般的な投資家にも影響を与えているようで、オルカンやS&P500への人気が非常に高まっているようですね。

では、個別株の状況も見てみましょう。

個別株購入金額上位５銘柄

順位	銘柄名	購入金額
１位	NTT	1379億円
２位	三菱UFJFG	793億円
３位	JT	786億円
４位	エヌビディア	639億円
５位	トヨタ自動車	598億円

投資信託の購入状況とは違って、個別株の場合は日本株が上位を独占する状態となっています。NTTや三菱UFJフィナンシャルグループ、JT、トヨタ自動車と普段から人気のある大型銘柄が上位を占めていますね。外国株でランクインしているのはエヌビディアだけとなります。

投資信託と個別株とでは、これほどまでに極端に違いが出るものなんですね。

それにしても、投資信託では圧倒的にオルカンやS&P500に人気が集中しているのに、個別株ではマイクロソフトやマクドナルド、コカ・コーラ、Ｐ＆Ｇといった世界的にも有名な超大型企業がランクインしていないのが不思議ですね。唯一、ランクインしているのがエヌビディアだけだったというのも、やはり話題になって人気がある銘柄は皆さんも欲しくなるものですね。

投資信託では、投資先として日本株に限定するのではなく、オルカンなどで全世界に分散してリスクを薄めるという事を選択したり、世界市場を支配している米国株企業を中心としたS&P500を選択したりするのだけれども、個別株となると身近な日本企業の方が投資しやすいといった感じになるみたいですね。

私は、普段から米国株などの海外株式に投資をしているので、日本株よりもマイクロソフトやマクドナルド、Ｐ＆Ｇなどの世界規模の超大型企業の方が日本企業よりも安心感があるのですが、一般的にはやはり日本企業の方が安心感があるみたいですね。

投資信託と個別株の購入先がこれほどまでに異なるというのは私にとっては新鮮な驚きでした。