世界最大の時価総額を誇るエヌビディア。今では一番資金力がある企業と言っても過言ではないほどの巨大な規模の企業となっています。そんなエヌビディアから資金提供を受けたい企業は山ほどあるというのに、エヌビディアはコアウィーブに対して多額の出資を行っています。エヌビディアが出資している資金のうちの9割以上がコアウィーブ向けの資金だという事を考えると、コアウィーブは突出してエヌビディアから資金提供を受ける形となっています。

なんでコアウィーブだけ、これほど資金提供を受けたのかな



エヌビディアにとって、役に立つ企業だからみたいだよ
エヌビディアが出資をしている企業は沢山あります。では、具体的にどの企業に対して、どのくらいの割合で出資しているのか(エヌビディアが出資した資金全体の何%ぐらいになるのか)を確認してみたいと思います。
「エヌビディアが出資している企業(上位5社)」
1位(91%)
コアウィーブ:AI特化型クラウドインフラ
2位(5%)
アプライド・デジタル:次世代データセンター構築
3位(4%)
アームホールディングス:半導体設計
4位(3%)
ネビウス・グループ:AIインフラ・クラウドサービス
5位(1%)
リカージョン・ファーマシューティカルズ:AI創薬・バイオテクノロジー
これをみれば、エヌビディアが大量の資金をコアウィーブに突っ込んでいるのが分かりやすいですよね。エヌビディアが他社に出資している資金の91%がコアウィーブ向けなんですからね。エヌビディアの投資ポートフォリオの約9割を1社が独占的に占めているというのは、投資戦略としては極めて偏っており攻撃的な運用状態です。
エヌビディアの投資ポートフォリオは通常の投資運用のように分散投資でリスクを薄めて利益を得る事が目的ではなく、「自社のエコシステム(AIインフラ)を広げること」に特化しています。
コアウィーブは AI特化型のクラウドプロバイダー(通称:ネオクラウド)であり、エヌビディアの最新GPU(Blackwellや次世代のRubinなど)を大規模に展開する最大のパートナーです。そのため、エヌビディアの半導体の最大の買い手であるコアウィーブに対してエヌビディアの投資ポートフォリオの9割以上をつぎ込むという驚異的なリソースの集中を行っています。
これは「エヌビディアのチップを最も効率よく回すインフラ」を自ら支えるという戦略の表れです。
エヌビディアにとっては、自社チップの最大の買い手であるコアウィーブを支援することで、「自社製品の需要先を自ら作り、強固なエコシステムを維持する」という循環取引のような状態を成立させています。
「エヌビディアが出資 → コアウィーブがその資金でエヌビディアの半導体を大量購入 → エヌビディアの売上が増え、GPUのシェアが盤石」 というような資金の流れが循環していく事で、エヌビディアは自社製品の「確実な買い手」を育成し、グーグルやアマゾン、マイクロソフトなどの既存の巨大クラウド企業が自社製チップへの移行を進めている状態でも、その影響で減少した分のエヌビディア製半導体のシェアや売り上げを確保する事が出来ます。
今回、エヌビディアはコアウィーブに対して更に 20億ドル( 3100億円)の追加出資を行い、コアウィーブの株式を取得し、そして最新の半導体「Vera(ヴェラ)CPU」と「Rubin(ルービン)GPU」をコアウィーブに最優先で導入させることにしました。
グーグルやアマゾン、マイクロソフトの自社製チップよりも更に数倍も高性能なエヌビディア製最新チップをコアウィーブに独占的に提供する事で、競合他社への圧力となり、最新のチップを使いたいのであればコアウィーブを使うしかない(必然的にエヌビディア製半導体を使用する事になり、テック大手の自社製チップの利用を抑制する)という効果を発揮していきます。
エヌビディア自身が王者に君臨し続ける為に、自らの資金を提供してでもエヌビディアのエコシステムを守っていくという気概が込められているといった感じなのだと思います。


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