アマゾン復活のカギを握るアレクサへの生成AI導入

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近年急速に話題になり発展していった生成AI。この生成AIを広く世に知らしめたのが「チャットGPT」ですよね。今年になって爆発的に世の中に出回り、チャットGPTを創り出した「OpenAI」にマイクロソフトが巨額の投資をした事でも話題を更に集めました。

チャットGPTは使いこなせば便利だよね

私は、少し調べ物に使うぐらいで、あまり使いこなせていません

マイクロソフトがサービスに乗り出した事で、一気に市場へと出回るようになり、企業への導入も矢継ぎ早に決まるようになってきました。

今年の11月には、限定的に公開されていた生成AIが搭載されたオフィスソフト(ワードやエクセル、パワーポイントなど)の一般公開が開始されます。

生成AIがあらゆる所に搭載され、ますます便利になっていく世の中。そして、各企業のAI競争は激しさを増しています。そんな中、アマゾンもアレクサを通して生成AIへと殴り込みをかけてきました。

今回は、アマゾンの生成AIについてのお話です。

目次

生成AIって何だ?

ここ1年~2年で急速に認知度が高まり、多くの人が知るようになった生成AIそもそも生成AIって何なんだ?

生成AIと言われて、一番最初に思いつくのは、オープンAI社が開発した「Chat GPT」ですよね。生成AIが何のことだかよくわからなくても、チャットGPTという名前だけは聞いたことがある人が多いと思います。それぐらいTVでも話題になり、一気に知名度が広まったチャットGPT。そして、生成AIとはどんなものなのか?

生成AI(ジェネレーティブAI)とは、人工知能を使ってディープラーニングというAIの学習方法を用いて、大量のデータから特徴やパターンを学習し、新しいデータを作り出す技術の事です。生成AIは、あらゆるデータをもとに、高品質なテキストや画像、コンテンツなどを生成する事が出来ます。

生成AIの技術の応用範囲は日々拡大しており、言語的な生成に留まらず、ソフトウェアのコード作成、画像の作成など様々な事に利用されており、多くの企業が自社の製品に取り入れ始めています。

生成AIで先行しているのは、チャットGPTに代表されているテキスト作成ですが、指定された説明からリアルな画像を創り出す画像生成AIや、新しいメロディーや楽曲を創り出す音楽生成AIなども普及し始めており、これらの生成AIは、過去に創り出された作品を学習し、そしてAIが作成したフェイクデータをも参照にしながら、日々学習を繰り返しており、人間が作るリアルなものに限りなく近づいてきています。

生成AIが今後更に普及していく事で、将来的には人間が行っていた作業をAIが代わりに行う事で作業効率が大幅に向上する事が想定されています。

先行していたはずのグーグル。巻き返したマイクロソフト。

生成AIで一歩進んでいると言われていたのがグーグル(アルファベット)です。バードという生成AIを開発・運用しており、大手テック企業の中でも一番先に進んでいると言われていました。

ところが、マイクロソフトがオープンAIに出資をして、チャットGPTを世に送り出した事で、状況が一変します。

完璧な製品を目指していたグーグルは、バードが確実なものになるまで世に出す事はしませんでした。ところがマイクロソフトは(オープンAIは)、少し不完全ながらもチャットGPTを世に出す事を優先し、その存在をアピールする事で先行者利益を狙い始めました。

そして、バージョンアップを繰り返しながら、性能向上や機能修正を掛けながら、市場への浸透を図りました。

慌てたグーグルは急遽バードを世に出しますが、先行していたマイクロソフトに追いつくのは少し厳しい状況となっています。

さて、グーグルとマイクロソフトが生成AIで熾烈な争いを繰り広げている中で、テック大手の1角であるアマゾンは生成AIに関する話題に乏しく、大きく出遅れているのではないかと言われていました。

そんな中で発表されたのが、アレクサへの生成AIの導入です。

アマゾンの復活の鍵を握るアレクサへの生成AI導入

アマゾンは9月21日に、人工知能(AI)を使った音声アシスタント「アレクサ」に生成AI機能を搭載すると発表しました。スマートスピーカー「エコー」などを通じ、これまでより自然な会話が可能になるそうです。数か月以内に米国でサービスを開始する予定となっています。

生成AIを導入する事により、継続した会話の他、会話の記憶や各家庭向けのパーソナライズも可能になるそうです。従来のアレクサは、決められた文言・受け答えしか出来ない仕様となっていました。それが生成AIを導入する事により、より柔軟にあらゆることに対応できるように進化します。

従来のアレクサは会話の内容を記憶せず、「質問→応答」の1往復しか出来なかったのですが、生成AIの活用によって何往復も会話が可能となり、より人間との会話に近い状態になります。またボディランゲージやアイコンタクトなどの非言語的な合図でさえもアレクサ搭載の端末機についているカメラや人感センサーなどから情報を得て判断するそうです。

アマゾンが行った発表の場でも、同社のデイブ・リンプ上級副社長が「当社は10年以上、人間を超えるアシスタントを作ろうとしてきた。生成AIによって手が届くところまで来た」と述べているように、家庭内に人間同様の受け答えを行い、作業を代行する秘書が誕生するかもしれません。

従来のアレクサは、スマートホームでも細かな設定を行わないと実行できなかったものが、新しく生成AIを搭載した事によって、「ここの照明が暗いから少し明るくして」のような曖昧な指示でも、「ここ」というのが現在いる場所であるという認識を判断し、音声を拾ったスピーカーの位置を特定して「ここ」を指す部屋を判断し、「少し明るく」という曖昧な状況については、過去の照明具合から最適な照度を判断して実行するなどの自立判断能力が高まっていくとされています。

また、一つ一つ指示が必要だったタスクなども、「テレビを消して、照明を付けて、掃除機をかけて」などの複数の指示を一度にあたえて、同時に作業させることも可能となります。

生成AIを導入する事で、より人間に近く、よりスムーズにアレクサが進化していく事になります。

アレクサへの生成AIの導入は、当面の間は無料となっています。ただ、アマゾンの幹部は「将来的にはお金を払っても良いと感じてもらえるだけの体験を創り出せるだろう」と述べている事から、性能が向上して利用が広まってきた段階で有料化に踏み切る事になると思います。

まとめ

生成AIは、チャットGPTに代表されるようにテキスト(文章)で指示するものが主流となっています。

アマゾンは、テレビや照明・エアコンなどの電化製品を声で操作できるアレクサに生成AIを組み込んで、普段の生活に利用してもらいアレクサの利便性を感じてもらう事を狙っています。アレクサが搭載されている機器は全世界で10億台ほど普及しており、一定の影響力があります。

アップル社のiPhoneに搭載されている「Siri(シリ)」やグーグルのアンドロイドに搭載されている「グーグルアシスタント」などの音声アシスタントは、事前にプログラムされた限定的なやりとりに制限されてしまう事が多くなってしまうのですが、アマゾンは音声アシスタントであるアレクサに生成AIを搭載した事で活用の幅が大きく広がります。

音声アシスタントにおいては、他者に先駆けて生成AIを導入して、一歩他社をリードしているアマゾン。

今後、スマホなどはいずれスマートメガネ(ARメガネ)などの次世代端末に置き換わっていくと言われている中、将来的にはテキスト(文章)ではなく音声でのAI活用が有効となっていくとも言われています。

生成AIでは少し遅れた感があるアマゾンですが、音声アシスタントで確固たる地位を固めておけば、今の状況をひっくり返して、収益性を高めていく事が出来るようになるかもしれません。

音声アシスタントと生成AIの融合は、疑似アンドロイド(仮想人間型ロボット)を生む出す原動力にもなり、SFの世界のようなAIロボットと共存する社会が出来る最初の一歩となるかもしれませんね。

   

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