FOMCにおける来年の景気想定と利下げ想定

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先日開催されたFOMC(米国連邦公開市場委員会)では、各FRB委員(米国連邦準備制度理事会)が想定している来年の景気判断と利下げ判断が公表されていました。米国の経済を舵取りしているFRBの各委員たちがどのような判断をしているのかを確認しておくことは重要だと思います。

来年も好調な経済が続いて、株価も順調だといいね

景気も右肩上がりで株価も右肩上がりになって欲しいよね

FOMC後のパウエル議長の発言では、「インフレは幾分高まったままだ」という認識を示しつつも、関税によるインフレへの影響は短期的であり、一度限りの物価押し上げに留まるという見方をしていて、物価のインフレは 2026年1月~3月期あたりがピークになると想定しているようです。

現時点では、景気は緩やかなペースで拡大し始めており個人消費については堅調を維持している。来年になるとインフレが落ち着きはじめ、企業投資はデータセンターなど AI(人工知能)関連が支えており、この流れが続くと想定すると来年は堅調な経済状況になっていく事が基本ベースとなっていくであろうと述べていました。

さて、そういった想定のもとで、FOMCにおいて各FRB委員は来年の利下げ(政策金利の判断)をどのように想定していたのか、また来年以降の景気動向をどのように想定していたのかを確認してみたいと思います。

FRB委員(19人)による2026年度の政策金利想定

政策金利2026年
4.00%~3.75%3人(0.25%引き上げ)
3.75%~3.50%4人(現状維持)
3.50%~3.25%4人(0.25%引き下げ)
3.25%~3.00%4人(0.50%引き下げ)
3.00%~2.75%2人(0.75%引き下げ)
2.75%~2.50%1人(1.00%引き下げ)
2.25%~2.00%1人(1.50%引き下げ)

FRB委員による2026年の政策金利の動向は大きく判断が分かれておりバラバラです。若干の引き上げと現状維持が7人、現在よりも利下げが12人となっています。中央値は 3.50%~3.25%となるので、FRB全体としての判断では来年は1回の利下げ(0.25%の利下げ)という判断になります。

来年にはインフレも落ち着くけれども景気も持ち直しているから利下げはそれほど必要ないという意見の方が主流といった感じみたいですね。では、FRBでは今後の経済状況がどうなっていくと想定しているのかを確認していきましょう。

FRBが想定する来年以降の経済指標

項目2026年2027年2028年
GDP成長率
(前回の予測値)
2.3%
(1.8%)
2.0%
(1.9%)
1.9%
(1.8%)
失業率
(前回の予測値)
4.4%
(4.4%)
4.2%
(4.3%)
4.2%
(4.2%)
PCEインフレ率
(前回の予測値)
2.4%
(2.6%)
2.1%
(2.1%)
2.0%
(2.0%)
コアPCEインフレ率
(前回の予測値)
2.5%
(2.6%)
2.1%
(2.1%)
2.0%
(2.0%)
政策金利
(前回の予測値)
3.4%
(3.4%)
3.1%
(3.1%)
3.1%
(3.1%)

前回(9月)に公表していた時と比較すると、景気の動向(GDP)は良くなると判断しているみたいですね。GDP成長率は前回の時が 1.8%増加だったのが今回は 2.3%増加になっているので来年は景気が回復していくと想定しているみたいですね。

インフレも前回よりは若干だけ減少しており、インフレが落ち着きつつ景気も回復していくという投資家にとっては嬉しい想定となっていますね。インフレが落ち着けば、景気の動向が思わしくなければ躊躇なく利下げを行う事が出来るので、今年と比べると来年はFRBも舵取りがやりやすくなっていくのではないかな。

FRBの想定通りに物事が進んで行くとは限りませんが、FRBの想定通りにインフレが落ち着きつつ景気が回復し始めると米国株式市場も調子良くなっていくだろうから、是非ともそのようになっていって欲しいですよね。

   

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