今年も半年が過ぎて、米国株市場は一時的に大きな下落がありましたが持ち直して現在は年始の頃とほぼ変わらない水準にまで株価が戻ってきています。今後は、年末に向けて上昇していく可能性が高いと考えているアナリストも多く、私達投資家も今後の米国株市場の展開に期待したいですよね。

今年も年末にはプラスリターンで終わって欲しいよね



S&P500が、3年連続のプラスリターンになるのを期待したいね
今年の後半戦に向けて、米国市場に対しては「期待される材料」と「懸念される材料」とがあります。それぞれを少し確認してみようと思います。
「期待材料」
企業収益の強さ
関税問題の緩和
中東情勢の緩和
利下げ期待
AI関連への期待
「企業収益の強さ」では、現在発表されている最新の決算においてはS&P500に属する企業の 92%が好決算を叩き出しています。ESPの成長率では今年1年間で14%程度の成長性を見込んでおり、企業収益は好調を維持していくと考えられています。
「関税問題の緩和」においては、時間が掛かりつつも少しづつ纏まっていくと想定されており、交渉が長引いた場合には追加関税の発動時期を遅らせて引き続き交渉を続けるなどの対応を取ると想定されている事から、関税問題も次第に緩和していくとされています。
「中東情勢の緩和」については、イスラエルとイランの争いに一定の緩和がみられており、このまま進めば停戦が続く(暫定的に和解する)とされています。中東情勢の緩和によって地政学リスクの減少、原油価格の下落などが見込まれています。
「利下げ期待」においては、関税問題の進展や原油価格の下落などによってインフレも落ち着いていくようであれば、利下げへの期待が強まり、株式市場への資金が流入してくとされています。FRB高官も利下げを容認するような発言をしている人もいる事から、期待感が高まっています。
「AI関連への期待」では、AIの普及が人件費の削減などの企業の収益向上を支援すると期待されており、技術の発展によって企業業績が上向いていく可能性があります。また AIが普及していく事で AIを主戦場にしているマグニフィセントセブンの業績も向上していく事から、S&P500へも好影響を与えるとされています。
「懸念材料」
トランプリスク
バリュエーションの過熱
長期金利の上昇
一部企業への依存
「トランプリスク」については、トランプ大統領が何を言い出すのか分からないという大きな不安定要素があります。関税問題も急に厳しい態度を表明するなどする可能性もあり、混乱を引き起こすかもしれません。また、市場が想定していないような急な制度変更や金融変更などを突発的に行うリスクもあり、今後もトランプ大統領の動向に引きずられるかもしれませんね。
「バリュエーションの過熱」では、S&P 500のフォワードP/E(予想PER)が過去平均を上回る 21倍程度になっている事から過熱感が指摘されています。不安定要素が悪い方向に傾いていくとバリュエーションの高さは大きな下落を引き起こす要因となりかねないので注意が必要です。
「長期金利の上昇」においては、財政赤字の拡大が続いていく事で長期金利の上昇を引き起こしかねず、長期金利が上昇すると株式市場からは資金が流出して株価下落の要因となってしまいます。ドルの下落なども伴うと、安全資産と言われていた米国債などの信頼性が低下していき、米国株を含めた米国資産の下落となっていく可能性があります。
「一部企業への依存」では、マグニフィセントセブンに代表されるハイテク銘柄がS&P500を大きく牽引しています。これらの企業が不調に陥れば、一気に市場のセンチメンタルは悪化する事からS&P500の行く末はマグニフィセントセブン頼みになっています。良くも悪くもマグニフィセントセブン次第という側面があります。
米国株市場の年末の株価に対する期待される材料と懸念される材料は、このような感じとなっています。
出来れば期待される材料が懸念される材料を上回り、年末の時点では年始よりもプラスリターンとなっていて欲しいですよね。、個人的には、年末の想定は楽観的にとらえており、S&P500などはプラスリターンで終わるのではないかなと思っています。
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