先日、逆イールドが解消されたね。普通は、長期金利(米国10年国債)の方が短期金利(米国2年国債や米国3か月国債)よりも金利が高いのだけど、逆イールドになると長期金利よりも短期金利の方が高くなるんだ。最近までは、2年国債や3か月国債の方が10年国債の金利よりも高くなっていて、逆イールド状態だったよ。
逆イールドになるとどうなるの?
逆イールドの時は超高確率で景気後退になるんだよ
逆イールドが注目されるのは、過去70年間で10回の景気後退のうち9回は逆イールド発生していて、逆イールドになると超高確率でその後に景気後退(リセッション)になっているからなんだよ。景気後退になると、株価も当然下がっていくから、景気後退の前に現れる逆イールドに注目している投資家が多いという訳なんだよね。
逆イールド発生、逆イールド解消、景気後退の時期(カッコ内は逆イールド発生からの時期)
逆イールド発生 | 逆イールド解消 | 景気後退発生 |
---|---|---|
1989年01月 | 1989年06月(5か月後) | 1990年07月(1年6か月後) |
2000年02月 | 2000年11月(9か月後) | 2001年03月(1年1か月後) |
2006年06 | 2007年06月(1年後) | 2007年11月(1年5か月後) |
2019年08月 | 2019年09月(1か月後) | 2020年02月(6か月後) |
逆イールドが発生してから、景気後退になるまでは1年以上も経過してからの時もあるんだ。逆イールドが解消されてからだと、数か月後には景気後退が起こっているから、逆イールドが発生してからではなく、逆イールドが解消されてから景気後退に警戒したらいいのかなと思ってしまうのだけど、逆イールドが解消される前に景気後退が始まるケースもあるんだな。
逆イールド発生、逆イールド解消、景気後退の時期(カッコ内は逆イールド発生からの時期)
逆イールド発生 | 景気後退発生 | 逆イールド解消 |
---|---|---|
1978年08月 | 1979年11月(1年4か月) | 1980年05月(1年11か月) |
1980年09月 | 1981年07月(10か月) | 1981年10月(1年2か月) |
逆イールドが解消される前に、景気後退が始まってしまうケースもあるから、逆イールドが発生すると、とりあえず警戒モードに入る投資家が多くなるという事なんだよね。
ただ、今回は「逆イールドが発生」→「逆イールドが解消」→「景気後退」というケースになったみたいだね。「逆イールド解消」まで進んでいるので、もうすぐ「景気後退」が起こるという事になるよね。そして、景気後退に近づけば株価は下がっていく事が多いので、キャッシュを用意していた方々にとっては、そろそろキャッシュを投入する時期が近付いてきたという事になるね。
景気後退になれば株価が下がるというよりは、景気後退に近づいてきたという事で株価は先行して下げていくので、景気後退の先行指数でもある逆イールドの解消が起こったという事であれば、そろそろ株価下落が起こる頃合いだという事になるんだな。
アノマリーではあるけれども、高確率で景気後退の先行指数となっている事から、キャッシュを保存していた投資家にとっては、投資を開始する準備を始める時期になってきたんじゃないかな。
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