リーマンショックは何が怖かったのか?今と何が違うのか?

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歴史的な大暴落と歴史的な大暴騰をしていた日本株市場。こういった暴落などはなかなか体験できるものではないので、コロナショック以外に暴落などを経験した事がない投資家にとっては貴重な体験だったのではないかと思います。

大暴落したけど、次に日には少し戻ってきたから安心したかな

でも、油断は禁物かな。今後の動きを注視する必要があるかな

暴落というと、リーマンショックを上げる投資家も多いと思います。最近の投資家さん達からすると、リーマンショックの話や体験を語ると老害(リーマンショックおじさん)扱いされることもあるので、あまり積極的にお伝えするのは気が引けるのですが、少し思ったことをお伝えしようかなと思います。

リーマンショックは確かに暴落をしました。リーマンショックの頃に投資をしていた人は非常に怖い思いをしたとおもいます。リーマンショックが怖かった理由は多々あると思います。経済もボロボロだったし、倒産する企業は続出していたし、日常生活にまで影響があったので、株どころではないといった感じだったという事もあります。

でも、私にとっては暴落が怖かったというよりも、私にとってはその一連の流れが怖かったです。

さてその前に、先日大暴落した日経平均は、下落率ではブラックマンデーに次いで史上2位でした(ちなみに、下落金額では史上1位でしたね)。

それでは、日経平均の歴代下落率上位3位までを見てみましょう。

日付下落率ショック名称
1987年10月20日-14.9%ブラックマンデー
2024年08月05日-12.4%利上げショック(?)
2008年10月16日-11.4%リーマンショック

社会の教科書にも載っているブラックマンデーがやはりナンバーワンですが、先日の大暴落も堂々の2位にランクインしており、そしてリーマンショックも3位にランクインしています。

どれも、大暴落に間違いないです。これだけの大暴落を体験できるのは数十年に1度ぐらいの本当に貴重な体験です。というよりは、出来れば体験したくないものですよね。

ちなみに、下落率上位10位まではこんな感じです。

順位日付下落率
1位1987年10月20日-14.9%
2位2024年08月05日-12.4%
3位2008年10月16日-11.4%
4位2011年03月15日-10.5%
5位1953年03月05日-10.0%
6位2008年10月10日-9.6%
7位2008年10月24日-9.6%
8位2008年10月08日-9.3%
9位1970年04月30日-8.6%
10位2016年06月24日-7.9%

ランキングに入ってくるような歴史的な大暴落なんて、大暴落した年でも1回ある程度なんですよね。

ところが、リーマンショックの時はそれが立て続けに起こっているんです。トップ10に入るような大暴落が4回もありました。先日の大暴落クラスの下落が連続で起こっているという事です。

これを歴代下落率20位にまで広げると、2008年のリーマンショック時は合計6回もの歴史的大暴落が連発しているんです。もちろん、大暴落以外の数%程度の暴落クラス(大幅下落)も何度も起きています。

先日の大暴落は、ほとんどの人は気が付けば始まって、気が付けば終わっていたという感じだと思います。仕事中に大暴落して、気が付けば終わっていたみたいな感じなのではないでしょうか。

でも、リーマンショックの時は考える時間がありました。だから、余計怖くなるんです。考える時間があるという事が非常に心理面で不安定さを高めてしまうのです。

さて、私がリーマンショックの時に怖くなったのは、下がり続けていたからというよりは、大暴落と大暴騰を繰り返していたからです。今回の大暴落でも翌日に大暴騰していましたよね。

「なんだよ、あれ。翌日戻すなら、暴落するなよ」と思った人もいると思います。

わけが分からない動きですよね。あれがパニック状態という事なんでしょうね。みんなが怖くなって一斉に売って、売り過ぎだと思ってみんなが一斉に買い戻す。本当にバタバタした動きですよね。

では、日経平均の歴代上昇率トップ3位までを見てみましょう。

順位日付上昇率
1位2008年10月14日+14.1%
2位1990年10月02日+13.2%
3位1949年12月15日+11.2%

こんな感じになっています。ちなみに先日の日経平均の大暴騰はランキング4位で、上昇率は10.2%でした。

上昇率トップはリーマンショックの時でした。そして、歴代上昇率ランキング20位以内に、リーマンショックは5回もランクインしています。

つまり、歴史的な大暴落をしたとおもえば、すぐに歴史的な大暴騰をして、そしてそれを繰り返していたのです。渦中にいた私は本当に訳が分からない状態でした。

「暴落時は買い」という誰もが知っている投資の必勝法を当時の私も知っており、それを実践するのが投資の成功の秘訣だと疑わなかった私はリーマンショックの大暴落の時に「ここで買わないで、どこで買うんだ」とばかりに突っ込んでいきました。

暴落した時に購入できたので「これを数年置いておけば勝利間違いない」と確信していましたが、その後の暴騰しても、すぐに大暴落して、また暴騰して、それを打ち消すようにまた大暴落する株式市場に、狼狽するというよりもパニック状態でした。

結局、怖くなってすぐに売り払ってしまいました。もちろん、損切です。あっという間にマイナス20%ぐらいになりました。結果論として、それを数年置いておけば当然ながら利益が出ていますが、当時は「まだ下がる」としか思えなかったです。つまりは、渦中にいると冷静な判断などなかなか出来ないものです。

リーマンショック時の歴代ランキング20位に入っていた大暴落と大暴騰

日付下落率(上昇率)
2008年10月08日-9.3%
2008年10月10日-9.6%
2008年10月14日+14.2%
2008年10月16日-11.4%
2008年10月22日-6.7%
2008年10月24日-9.6%
2008年10月28日+6.4%
2008年10月29日+7.7%
2008年10月30日+9.9%
2008年11月04日+6.2%
2008年11月20日-6.8%

歴史的な大暴落や大暴騰以外でも、2%~4%程度の急落・急騰が続いていたので、本当にジェットコースターに乗っているような感じで、上げ下げを繰り返しながら、それでも急速に下落をしていくといった感じでした。

ちなみに、歴代3位の下落率となっていた2008年10月16日に日経平均を買えたとして、それをそのまま保有していると、5か月後の2009年3月までに更に下落を続けており、17%も下がっていく事になります。大暴落時に購入しても、その渦中にいると更に下がり続けて、更に約20%近い下落になっても耐えていないといけない状態になっていました。

市場の平均である指数の日経平均株価でさえ、こんな動きだったので個別株だと更に激しい動きとなっています。通常の精神力や投資レベルで、暴落時に平然と耐えていけるのは至難の業だと思います。

先日の日経平均が大暴落した際にも、「こんな暴落時に買えないなんて、だから勝てないんだよ」と煽るような発言をされる方もいましたが、私は「別に暴落時に買えなくてもいい」と思っています。

この先の株価の動きなんて、誰も読めないものです。

そして、もしも今後も下落が続くようであれば、今購入しても耐え続ける事が出来る投資家がどれだけいるのでしょうか。

投資経験が豊富な方や投資レベルが高い方、心が折れない強い精神力を持っている方は、暴落時に果敢に買っていっても問題ないし、「暴落時に買い」という言葉に間違いはないと思います。

ただし、簡単なものではないと思うし、初心者であれば、不安定な相場で勝負しなくても、相場が落ち着いてからでも遅くはないです。

わざわざ難しい事に挑戦しなくてもいいと思うし、まずはコツコツと投資を続けていく事が大切で、そして無理をせずに退場しないことを心掛ける事が何よりも大事です。

     

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