致命傷を繰り返す

投資をしていると誰もが憧れる「ハイリターン」。大きく上昇した銘柄を掴み、爆益を叩き出す。投資資産をあっという間に増やしていき、大金を手に入れる。

ネット社会が発達した現代においては、そういった爆益を手に入れた人々の情報が簡単に手に入り、検索すれば爆益を手に入れた多くの投資家がヒットするため、誰でも爆益を手に入れる事が出来るように感じてしまいます。

成功した人々だけが表舞台に残り、敗者は静かに舞台から降りていくので、勝者しか私達の目にはうつりません。勝者だけの情報が溢れる事で多くの投資家が成功していると感じるのかもしれませんが、その裏には無数の敗れ去った人々が存在しているのです。

今回は、そんな爆益を手に入れる投資についてのお話です。

爆益は可能なのか？

投資で大きく資産を増やす爆益。それは本当に可能なのか？

確かに投資で爆益を手に入れる事は可能だと思います。ただ、当たり前の事ですが簡単に出来る事ではないです。

SNSには投資で爆益を手に入れた人々の情報が溢れかえっていますが、生き残った勝者だけが情報発信をしているだけで、敗者は情報発信をしていません。なので、勝ち残った投資家だけが声を高らかに情報発信をしているので、勝っている人が多いように見えますが、生存バイアスがかかっている状態です。

また、SNSなどでは嘘の経歴や投資履歴を創り出して情報発信をしている人も一定数います。そういった人々もいることで、一層多くの投資家が爆益を獲得して成功しているように見えてしまいます。

実際には、多くの失敗してしまった投資家達がいます。

爆益というハイリターンを手に入れるには、大きな損失を被るハイリスクを受け入れる必要があるのです。

そして、多くの場合はハイリスクの方が発動して、致命傷を負ってしまうのです。

話題の小型銘柄

爆益を狙う時に多くの人が投資をするのが、成長途上の小型銘柄です。そして、そういった銘柄は話題になりやすく、時代の流行に乗っている銘柄だったりします。

例えば最近であれば、代替食料、遠隔医療、空飛ぶ自動車、AI関連など、これから先の時代をリードするような雰囲気を持った銘柄が人気を集めます。

ビヨンド・ミート（BYND)、テラドックヘルス（TDOC)、イーハンホールディングス（EH)、アップスタート（UPST)などは成長する小型グロース株として人気でした。

ただ、小さな銘柄が大化けするには、業績も伴わないといけないし、ゲームチェンジャーとならなければいけません。

しかしながら、多くの場合は期待だけが先行して、業績が伴わずに赤字企業のままで経過してしまう事もあります。そうして、期待感だけで高まった株価はいずれ破綻してしまう事になるのです。

これらの銘柄は期待されたような業績を上げる事が出来ず、株価も大きく下がってしまいました。

問題は次も狙ってしまう事

個別株に投資をしていれば、誰でも銘柄選択を間違えてしまう事はあります。

成長すると思っていた銘柄が、それほど成長せずに期待外れに終わり、株価も大きく下がってしまって損切をしたことがある投資家は多いのではないでしょうか。

また気持ちを新たに次なる投資に向かっていけばいいのですが、問題なのはまた次も大きく爆益を狙ってしまってハイリスクな投資を継続する事です。

ハイリスクな投資をして失敗してしまいす。そして、それをとり戻そうとして再びハイリスクな投資を選択してしまう。

ハイリスクな投資は、そもそも成功する可能性が低いケースが多く、ハイリスクな投資を重ねて、失敗を繰り返しているうちに投資資金を取り戻す事が困難になっていきます。

こうなると、もうハイリスクな投資を続けて1発大きく当てないとどうしようもない状態になってしまいます。

そして、もはや取り返しのつかない状態となり退場へと導かれていくのです。

まとめ

個別株投資をしていると、時には大きく狙ってみたいと思う事があると思います。

そんな時は、大きな金額を入れる事をせずに小さな資金で様子を見る事が必要です。

そして、ハイリターンを狙ってハイリスクな投資をして失敗した場合は、失敗を取り返そうとはせずに、気持ちを切り替えて新たな投資に向かってください。

爆益を狙って、ハイリスクな投資を繰り返していると、致命傷を繰り返す事で、退場を余儀なくされます。

「小さな資金で」「失敗を取り返そうとしない」「ハイリスクを繰り返さない」

これらを意識しながら、投資を続けてくださいね。