少しずつ暖かい日が増えていき、徐々に春らしくなってきましたね。チラホラと桜が咲いているのを見かけるようになってきて、春が近づいてくるのが感じられるようになってきました。
桜って、毎年気が付けば散っている事が多かったです。バタバタしているうちに、桜をゆっくりと見る機会がなくて、いつのまにか桜のシーズンが終わっている事が多かったです。
お花見までいかなくても、近場でいいからゆっくりと桜を眺めたいよね
今年は少し時間を取って、桜を眺める時間を作ってみようと思います
桜をみると、出会いと別れの季節だなっという感じがします。新しい事を始めるのには丁度よい時期なのかなと感じます。私も何か新しい趣味(新しい事)でも始めてみようと思います。
さて、では今回は米国の銀行の様子についてです。
資金繰りが苦しくなってきた銀行
去年に大幅利上げした影響を受けて、銀行が苦しんでいますよね。シリコンバレー銀行の破綻から始まって、中小銀行が高金利による悪影響に悲鳴をあげています。
FRBのパウエル議長は、先日のFOMC後の記者会見にて、「銀行システムは、今のところ健全で安定的、かつ安全だ」と述べていました。「銀行システムに脆弱な点はなく、シリコンバレー銀行は例外だった」とも述べています。
ただ、それでも市民の不安はぬぐえておらず、預金の流出は続いているみたいです。中小銀行から大手銀行への資金移動が続いています。
3月9日~3月15日の流出額は過去最大となっており、1200億ドル(約15兆6000億円)になっていました。不安になった市民は、中小銀行から大手銀行などに預金を移動させており、裕福層や銀行も資金の移動を始めているそうです。中小銀行の15日時点の預金残高は5兆4500億ドル(約708.5兆円)であり、前週と比較すると2.2%減少となっているみたいで、これは統計がある1973年以降で最大の流出額だそうです。
これまでは、サブプライムローン問題が浮上した際に540億ドルが流出したのが最大だったので、実に2.2倍の規模になります。ただ、当時と預金規模なども異なる可能性もある事から一概に比べるのは不適格かもしれませんが、それでも資金の移動がかなり多くなっているのは事実です。
銀行は、資金を調達するためにFRBからの融資を増やしており、FRBの緊急融資枠の利用額は、先週の時点で536億ドルとなっており、2週間前の119億ドルから4.5倍に増えています。また以前から設置されている「連銀貸出(ディスカウント・ウインドウ)」もリーマンショックの頃を上回るペースで利用されています。
それと、住宅ローンを担保に銀行に資金を提供する政府系金融機関の連邦住宅貸付銀行(FHLB)による銀行への融資残高は1兆1000億ドルを突破しており、こちらもリーマンショックの頃を上回っています。
銀行の資金繰りがなかなか苦しくなってきたように感じます。
そして貸し渋りが始まっていく
FRBの急激な金利引き上げによって、長短金利差の縮小・逆転によって銀行の貸出利ザヤが減っています。
銀行は通常であれば、短期金利で調達した資金を貸出などの長期金利で運用して利ザヤを稼いでいます。なので、一般的には金利上昇は銀行にとって好都合なのですが、それは通常の金利状態の場合です。長短金利が逆転した逆イールドの状態では、これが当てはまらず、貸出利ザヤの縮小によって銀行の収益が圧迫されてしまいます。
そこに、預金の流出なども加わって銀行の資金調達が厳しくなっていくと、貸し渋りが始まっていきます。銀行は企業等への融資基準を引き上げていく事になります。
現状でも、すでに銀行の融資は厳しくなりつつあり、FRBが公表する米国銀行の1月~3月の貸出態度指数は、大企業・中小企業向けで44.8、中小企業向けで43.8と、新型コロナ禍を除けば、どちらも2009年第1四半期(それぞれ64.2、69.2)以来の高水準にまで達しており、リーマンショックの頃の水準に近づいています。
銀行が企業などに対しての貸出に慎重な態度を取るようになれば、当然ながら企業の資金繰りが厳しくなり、企業の倒産などへと発展していきます。景気の悪化加速や失業率の上昇を招いてしまいます。
「政策金利上昇→銀行の貸し渋り→倒産増加→景気が大きく悪化」
日本のバブル崩壊や米国の経済暴落など、過去の大きな不景気の一連の流れは、基本的にはこれと同じような道をたどっています。
まとめ
株式市場は、年内の利上げ停止と年内の利下げの両方を見越して、やや強気な雰囲気が増えてきました。
ただ、パウエル議長がFOMC後に発言したように、まだインフレが根強く残っているようであれば利上げも辞さない態度を表明している事から、簡単に年内の利下げが行える状態にならない可能性があります。そうなると、年内利下げを想定している株式市場は混乱していく事になるでしょう。
また、銀行の資金繰りが厳しくなっていけば、貸し渋りも増えていき、景気への悪影響が強まっていきます。
景気の悪化と、金利の高止まり(インフレの高止まり)、この2つが共存する状態という最悪の事態も想定される事から、株式市場において短期的な反発があったとしても、慎重な対応を心掛けたいと思っています。
安心して投資できる環境にあると思えた時、または過度に悲観的になって株式市場が総崩れしていると感じた時、これらのどちらかの状態になっているのであれば、温存しているキャッシュを投下していこうと思っています。
なので、中途半端に先行きが分からない状態でキャッシュを動かしていくのは控えていこうと考えています。
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