アマゾンの決算発表の前日には、クラウド部門のライバル企業である業界2位のアジュール(Azure)を持っているマイクロソフトの決算発表があり、マイクロソフトの決算内容が非常に良かった事でマイクロソフトの株価が1日で15%も爆上がりして米国株市場を大きく牽引していました。

マイクロソフトの決算が良かったらアマゾンへの期待も高かったね



アジュールのように業績が拡大しているのかに注目が集まっていたね
マイクロソフトの決算に続くことが出来るのかに期待されたアマゾンの決算は非常に良かった事から、アマゾンも決算発表後の株価は爆上がりしており、アマゾンもマイクロソフトと同じく1日で株価が15%も急上昇していました。
それでは、非常に良かったアマゾンの2026年度第2四半期決算を確認していきましょう。
アマゾン2026年第2四半期決算(2Q)
Amazonの2026年第2四半期決算(4月~6月:2Q)
売上高 2002億0600万ドル(19.3%増加)
営業利益 274億6100万ドル(43.2%増加)
純利益 626億4700万ドル(244.8%増加:3.4倍)
1株利益(希薄後) 5.75ドル(242.2%増加:3.4倍)


売上は前年対比で 19.3%増加となっていて、相変わらず絶好調でした。売上の成長率が二桁成長を維持しているのはもちろんのこと、成長率も伸びていて、もう少しで 20%に届く勢いで売上成長率が高まっていました。この規模の売上金額で成長率が更に伸びているのが素晴らしいですよね。
次は、「営業利益」を確認してみましょう。


営業利益は前年対比で43.2%増加となっていて驚異的な成長率を叩き出していました。3部門(北米部門、国際部門、AWS部門)ともに高い成長性を確保しており、どの部門も大きく利益を伸ばしていました。純利益については、626億4700万ドルとなっていて前年対比で 3.4倍にも増えていますが、これはアントロピックへの投資による534億ドルの非営業税引前その他の収益が含まれているために、大幅増益となっています。
次は、市場予測と今回の決算結果がどうだったのかを確認してみよう。
| 市場予測 | 予測値 | 結果 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1970億3400万ドル | 上回る |
| 営業利益 | 235億7100万ドル | 上回る |
| 純利益 | 199億7100万ドル | 上回る |
| 1株利益 | 1.82ドル | 上回る |
市場予想と比較してみると、売上は市場予測より1.6%高く、営業利益は市場予測より16.5%高く、純利益は市場予測よりも213.6%(3.1倍)高く、1株利益は市場予測より215.9%(3.1倍)高い結果となっていました。全てにおいて市場予想よりも高い実績を叩き出しており、営業利益は二桁以上も想定よりも高い実績となっていました。
では、次はアマゾンが前期の決算の際に予測していた今回の決算予測を確認してみよう。
私はアマゾンの決算を見る際には、市場予測が結果を上回っていたかどうかと共に、アマゾンが前期に予測したガイダンス通りに業績を順調に伸ばしていけているかも重要だと思います。
アマゾン自身が前期の決算の時に予測した数字
売上高 1940億ドル~1990億ドル
営業利益 200億ドル~240億ドル
今回の実際の結果
売上高 2002億0600万ドル
営業利益 274億6100万ドル
前期のガイダンスで上げていた数値を大幅に超えており、売上も営業利益も上限を大きく超える規模の実績となっていました。文句なしの結果だったと思います。
来期(2026年3Q)のガイダンス
では、大事な来期のガイダンスである2026年第3四半期の決算予測を確認してみましょう。
(アマゾンが予測した来期のガイダンス)
売上 1970億ドル~2020億ドル(9%増加~12%増加:中間値 1995億ドル)
営業利益 225億ドル~265億ドル(29%増加~52%増加:中間値 245億ドル)
市場が予測していた来期ガイダンス(3Q市場予測)
売上高 2039億1100万ドル
営業利益 249億7800万ドル
注目されていた来期のガイダンスですが、売上については市場予想を下回るガイダンスとなっていました。営業利益についても、上限は市場予想を超えていますが中間値で見てみると市場予想よりも低いガイダンスとなっています。ただ、来期のガイダンスについてはアマゾンは比較的低い想定を立てている事が多く、市場予想よりも低い事も多々あるので、あまり気にしなくても大丈夫だと思います。
エリア別売上高
では、エリア別の売上高を確認していきましょう。
| エリア | 売上高 | 営業経費 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 北米 | 1161億7700万ドル (16.0%増加) | 1070億5400万ドル (15.6%増加) | 91億2300万ドル (59.5%増加) |
| 国際 | 421億9700万ドル (14.7%増加) | 404億8000万ドル (14.7%増加) | 17億1700万ドル (14.9%増加) |
| AWS | 422億3200万ドル (36.7%増加) | 256億1100万ドル (23.6%増加) | 166億2100万ドル (63.5%増加) |
セグメント別の売上構成比率
北米 57.9%
国際 21.0%
AWS 21.1%
セグメント別の営業利益構成比率
北米 33.2%
国際 6.2%
AWS 60.5%
北米部門は、数年前の一時的な赤字からキッチリと脱出しており、黒字成長を続けています。今期も二桁成長を維持しており、営業利益についても前年対比で 59.5%増加という非常に高い成長性となっていました。出来過ぎではないかと思うぐらいの好結果でした。
「北米部門の営業利益」


国際部門は、万年赤字続きでずっとお荷物部門だったのが 2024年1Qから利益を確保できるようになり、その後もコンスタントに黒字を継続しています。一時的な黒字化なのかなと思っていたのですが営業利益は 10億ドルを越える水準をキープしており、安定的に黒字になれる部門へとなってきたようですね。
「国際部門の営業利益」


AWS部門は、アマゾンにとって最重要部門であり、アマゾンの利益の源泉でもあります。AI需要の高まりと共に、今後もますます売上も利益も取れるようになってくるアマゾンの金鉱とも言えるぐらいの重要な部門となっています。そんな重要なAWS部門の売上は前年対比で 36.7%増加と大幅に伸びています。AI需要の高まりをしっかりと捉える事が出来ているようです。そして営業利益も 63.5%増加と爆発的に伸びており、今後も更に伸びていくと想定されています。
「AWSの営業利益と営業利益の伸び率」


AWSの営業利益率の方も確認してみると、営業利益率については前期(37.7%)よりも更に増加していて今期は 39.4%となっていました。営業利益率はコンスタントに30%台をキープしており、更に営業経費を抑える事ができるようであれば40%台も目指せるかもしれませんね。
「AWSの営業利益率」
| 2024年3Q | 2024年4Q | 2025年1Q | 2025年2Q | 2025年3Q | 2025年4Q | 2026年1Q | 2026年2Q |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 38.1% | 36.9% | 39.5% | 32.9% | 34.6% | 35.0% | 37.7% | 39.4% |
各部門別の売上高
では、次は各部門別の売上高をそれぞれ確認していきましょう。
「本業のオンラインショッピング」
オンラインショッピングの伸び率は 15%増加となっていて、前期(9%増加)のよりも大幅に伸びていました。プライム会員向け配達のスピードが向上し、当日配達や翌日配達の商品が 40%以上も増加し、食料品と日用品が大きなスピードで拡大したようです。


「実店舗」
実店舗の伸び率は4%増加となっており、前期と変わらない水準でした。実店舗に関しては売上規模も大きくなく、成長性も元々低いので、現状程度の成長性を維持しつつ、マイナス成長にならない程度に頑張ってくれたらいいかなと思っています。


「サードパーティ(マーケットプレイス・他社販売手数料)」
サードパーティーの伸び率は 16%増加となっており、前期よりも更に高い伸び率となっていました。安定して二桁成長を維持できるようになってきており、アマゾンの中では2番目に売上規模の大きな事業なので、この調子で成長を維持して欲しいなと思っています。


「広告事業」
広告事業の伸び率は 26%増加となっていて前期よりも成長性は伸びています。広告事業はアマゾンの次なる成長の柱として期待されており、成長性も 20%台を続けているので、このまま大きく育ってきて欲しいなと思っています。期待に応えられる成長が続いていくのか今後も確認していきたいと思います。


「サブスクリプション(プライム使用料等)」
アマゾンプライム会員の手数料(プライム使用料等)などのサブスクリプション収入の伸び率については 12%増加と安定した水準を維持しています。アマゾンプライムミュージックやアマゾンプライムビデオなどの課金とプライム会費の徴収を行ってる事業ですが、大きく成長していくような事業ではなく、加入者数が頭打ちになればジリ貧になっていくような事業なので、成長性が鈍化してもおかしくないのですが、今の所は安定した成長を続けています。いずれは現状維持でも充分だと判断される事業なのだと思います。


「AWS(アマゾンのクラウド事業)」
今期のAWSの伸び率は37%増加となっていて、前期の28%増加から大きく伸びて非常に大きな成長性となっていました。AI需要の増大に伴って設備投資をガンガンと行っており、その恩恵がようやく目に見えて現れ始めた感じとなっています。世界最大のシェアを誇り、売上規模が非常に大きなAWSがこれほどまでに大きな成長性を取る様になっており、今後も更に伸びると経営上層部が発言していた事は投資家にとっても非常に嬉しい誤算だったと思います。


「その他の部門」
その他の収入に関しては、文字通りその他の事業であり売上規模も小さいので全く気にしなくてもよい事業となります。今期の伸び率は23%増加となっていました。


フリーキャッシュフローの状態


アマゾンは、豊富なキャッシュを事業の設備投資や開発費につぎ込んで、それが更に新たなキャッシュを生むという好循環を繰り返す事でフリーキャッシュフローがドンドンと増えていく企業でした。それが、今回のAIにおける設備投資では、本業で稼いだ営業キャッシュフロー以上に設備投資に資金を突っ込んでおり、フリーキャッシュフローはついに赤字になっています。
ただ、フリーキャッシュフローが赤字だから即座にダメだという訳でなく、フリーキャッシュフローの赤字が暫く続いても、その後にしっかりと設備投資をした分以上に利益を取る事ができるのであれば何も問題はないです。
| 項目 | 2025年1Q(前期) | 2026年2Q(今期) | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | 1485億3100万ドル | 1614億0300万ドル | 128億7200万ドル |
| 投資キャッシュフロー | 1472億9900万ドル | 1690億0700万ドル | 217億0800万ドル |
| フリーキャッシュフロー | 12億3200万ドル | -76億0400万ドル | -88億3600万ドル |
設備投資金額
アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどのハイパースケーラーは、AI需要に応えるためにデータセンターの建設を急ピッチで進めており、その為に設備投資への費用が莫大な金額となり、各社のフリーキャッシュフローは棄損していき、それが果たして利益へと繋がっていくのか不安視されている事から株価が軟調になっている要因となっていました。
今期の決算では、マイクロソフトやアマゾンのクラウドの成長性が高くなっており、懸念されていた収益化がクラウドの成長性推進という目に見える形で現れた事で株価も見直されて決算発表後の急騰に繋がっていきました。
ただ、今後も設備投資に資金をつぎ込んで行く姿勢は変わらず、今年度の設備投資額は当初の 2000億ドルから 2200億ドルへと見通しを増やしました。半導体メモリなどの高騰にコストアップによる引き上げという事のようですが、来年以降も設備投資に邁進していく姿勢は変わらないようであり、今後もクラウドの成長性が続くという事が株価上昇の前提となっているので、クラウドの成長力がどの程度まで上がっていくのは確認していく必要があります。
「アマゾンの設備投資金額」
| 2024年3Q | 2024年4Q | 2025年1Q | 2025年2Q | 2025年3Q | 2025年4Q | 2026年1Q | 2026年2Q |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 226億ドル | 278億ドル | 250億ドル | 321億ドル | 351億ドル | 395億ドル | 442億ドル | 542億ドル |


カンファレンスコールの抜粋
カンファレンスコールでアンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)やブライアン・オルサフスキーCFO(最高財務責任者)が話した内容を一部抜粋してみました。
「カンファレンスコールの一部抜粋」
AWSは現在、年間売上高1,690億ドル規模の事業であり、参考までに、もし単独企業であればフォーチュン500リストで24位にランクインする規模です。当社のチップ事業の年間売上高は250億ドルを超え、前年比で3桁の成長率を記録しています。AI事業の売上高も四半期ごとに大幅に増加し、現在では250億ドルを超え、前年比で3桁の成長率を記録しています。
データセンターへの設備投資は、データセンターにサーバーを設置して収益化を開始できる 2年前から開始されます。サーバーが接続されたデータセンターが開設されると(つまりデータセンターに投資を開始してから2年後)、すぐに大きな収益を生み出し始め、その後 30年以上もの間、初期投資を再度行うことなくこれらのデータセンターを収益化できます。
サーバーやネットワーク機器は、より短いサイクルで運用されます。通常、サービス開始の数ヶ月前に購入するため、支出を開始する前に顧客需要を十分に把握できます。需要がなければ、資本を支出することはありません。
サーバーとネットワーク機器の場合、投資回収には平均して3年弱かかります。現在、サーバーの耐用年数は少なくとも 5~6年であり、最近の AIキャパシティのほとんどは少なくとも 5年間の契約となっています。つまり、損益分岐点に達した後の 2~3年間で、サーバーとネットワーク機器から相当なフリーキャッシュフローを生み出すことができるということです。
耐用年数が 30年以上ある当社のデータセンターについては、先に説明したように、少なくとも 5~6世代分のサーバー経済性を実現できるはずです。最初の世代以降は、先に述べたような初期投資を繰り返す必要がないため、全体的な経済性はさらに向上します。
つまり、短期的には、需要の高まりによって、収益化開始前に多数のデータセンターを同時に建設する必要が生じるため、これらのデータセンターが稼働し、収益化が可能になり、サーバーの利用開始から数年が経過するまでは、多額の設備投資が必要となり、フリーキャッシュフローの逆風に直面することになります。しかし、数年が経過し、収益の伸びが設備投資の伸びを上回るようになると(これは必ず起こります)、結果として得られる収益、フリーキャッシュフロー、および投資資本利益率は非常に魅力的なものとなるでしょう。
クラウドコンピューティングの第一期にも、私たちは同様のことを経験しました。ただし、AI よりも長い期間をかけて、需要はより緩やかに増加しました。AI の利益率と収益は、同じ進化段階にあったクラウドコンピューティングで見られたのとほぼ同じで、実際には少し先行しています。
私たちはAWSが数千億ドル規模の収益事業になると長らく信じてきましたが、今では少なくともその2倍、そして将来的には1兆ドル規模の年間収益事業となり、非常に魅力的なフリーキャッシュフローと投資資本利益率をもたらすと確信しています。
当社は米国で2番目に大きな食料品店であり、生鮮食品と非生鮮食品の両方で食料品事業は急速に成長を続けています。生鮮食品の月間アクティブ顧客数は年初から50%以上増加しました。生鮮食品の当日配送注文は1注文あたり平均3倍以上の数量となり、現在ではamazon.comの売れ筋商品トップ20のうち6つが生鮮食品です。
Amazon Leoは 4回の打ち上げを完了し軌道上に 400基近い衛星を擁し、今年中に衛星インターネットサービスを開始するのに十分な規模に達しました。企業や政府機関のお客様から既に大きな収益確約を得ており、20社以上のパートナー企業と共に、ネットワークを世界中に拡大していく予定です。
次期ガイダンス(2026年度第3四半期)では、売上が鈍化(マイナス成長)しています。その理由は、プライムデーの開催時期が今年は変更され、米国を含む主要国のほとんどで第2四半期にセールイベントが開催されました。2025年にはプライムデーは完全に第3四半期でした。2025年と2026年の両方のプライムデーの影響を除外すると、2026年第3四半期の前年同期比成長率は400ベーシスポイント(4.0%)ほど高くなっていたでしょう。
今回の決算のまとめと今後の見通し
今回の決算内容は、非常に良かったと思います。売上も利益も非常に良く、市場予想を上回る結果となっていて、次期ガイダンスも問題ないと思います(今年は今期にプライムデーを開催しており、去年は来期に開催だった事から次期決算の売上は前年対比でそれほど伸びない状態になるので次期ガイダンスも控えめな数値)。
何よりも素晴らしかったのは、クラウド部門のAWSが大きく伸びていた事。世界最大のクラウド企業でもあるAWSが、規模が大きいにも関わらず前年対比で 36.7%も増加しており、想像以上に伸びていたのは今までデータセンターへの設備投資につぎ込んできた先行投資が徐々に生きてきた証拠でもあります。
受注残高(バックログ)は 4,960億ドルほどあり、前期の時点で受注残高が 3,640億ドルだった事を考えれば、1四半期で 36.2%(1320億ドル)ほど受注残高は増えた事になります。今期のAWSの売上は、422億ドルです。単純に考えれば、受注残高は今期のAWSの売上の 12倍もの数字です。それほど膨大な売上見込みがあるという事です。
まだまだ需要に供給が追いついておらず、データセンターへの設備投資は今後も続いていくと思われるので、暫くは営業キャッシュフロー(収入)よりも投資キャッシュフロー(設備投資費用)の方が多くなり、フリーキャッシュフロー(差し引きの現金残高:手元の現金)はマイナス状態になっていると思いますが、それもいずれは逆転して収入の方がドンドンと多くなってくるはずです。
株価については、設備投資の負担規模とクラウド(AWS)の成長性のバランスがどのような状態になっているのかによって大きく変わってくると思います。今回のように設備投資の負担が重くてもクラウドが高成長を続けているようであれば株価も更に上がっていくと思います。ただ、クラウドの成長性がそれほど伸びずに設備投資の負担だけが重くなっていると株価の低迷に繋がっていくと思うので、今後もクラウドの成長性が伸び続けているという点を決算の度に示せるかどうかが重要だと感じます。
アマゾンは、本業のネット通販の方も好調であり、利益の源泉であるクラウド部門(AWS)も将来性が非常に高い部門であるので、押さえておくべき企業の1つなのではないかなと思います。これから AI社会が本格的に実装していく事を考えれば、アマゾンはホルダーに大きな利益を与えてくれる企業だと思います。


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