トランプ大統領による関税問題やイラン攻撃などがあっても、結局は上昇していて安定した強さを誇っている米国株市場。S&P500は、年初来上昇率が 9.5%ほどあるし、1年間の上昇率で見た場合は 25.4%も上昇しています。本当にしっかりと右肩上がりで安心できますよね。

インデックス投資をしているだけで大丈夫だよね



そうなんだけど、ついつい個別株が気になるんだよね
私も、S&P500に連動する投資信託を保有しているのですが、ポートフォリオの半分ぐらいは個別株になっています。S&P500が上昇しているので、基本的には個別株も上昇しているのですが、マイクロソフトだけは株価が低迷しています。
クラウド企業として有名なマイクロソフト(世界第2位)ですが、AI需要の拡大によってデータセンターの増設・拡大に追われており、その設備投資の負担が多大な金額となっている事から利益を損なうという事で株価が低迷しています。
ただ、クラウド企業はマイクロソフトだけでないです。世界最大のクラウドであるAWSを有するアマゾンや、世界第3位のクラウド企業であるグーグルもマイクロソフトと同じ様にデータセンターの増設に追われ、多額の設備投資を行っているのですが、マイクロソフトとは違って株価は上昇しています。
| 銘柄 | 年始からの騰落率 | 1年間の騰落率 |
|---|---|---|
| マイクロソフト | -21.5% | -21.0% |
| アマゾン | +5.8% | +15.0% |
| グーグル | +17.1% | +111.2% |
| S&P500 | +9.5% | +25.4% |
なぜ、同じクラウド企業なのにマイクロソフトだけ株価が低迷しているのか? それは、アマゾンやグーグルは独自の強みがあるからなのです。
クラウド事業が設備投資の負担に追われているのは各社とも同じです。ただ、アマゾンの場合では、クラウド以外の事業が好調なんです。EC事業(ネットショッピング)や広告事業、サブスクリプションなどが順調に伸びており、クラウド事業を支えています。特にアマゾンの場合は、赤字部門だった海外EC部門も黒字化しており、収益性が向上しています。
また、グーグルも広告事業が好調です。AIによって検索エンジンが取って代わられると言われていましたが、自社のAI(Gemini)を検索エンジンに組み込む事で顧客離れを防いでおり、逆に検索エンジン経由でGeminiを使ってくれる事で自社のサービスに囲い込めています。また、営業利益率も改善していて 17.8%から 32.9%と増加しています。
一方で、マイクロソフトはクラウドへの設備投資の負担だけでなく、自社のオフィスソフトへの AIを組み込む(Copilot)ことで現在は利益率が低下しています。オフィスソフト(WordやExcelなど)は、特に元手が多くかかる訳でもなくソフトウェアなので、売れば売るほど利益率が高まる商品でした。ところが AIを組み込んで使用する事で推論コスト(AIが考える為に必要な処理に対する費用)が掛かってきます。そのため、現状では思ったよりも利益率が上がらない状況となっています。
マイクロソフトは、AIを導入する事によって将来的には利益を上げていく事ができるのかもしれませんが、現状ではどの部門においてもAIを導入する事が利益を低下させている要件となっているので、それが改善されるまでは(AIから利益があがってくるまでは)株価も低迷している状態です。
クラウド事業以外にもEC事業や広告事業などの収益部門を持っているアマゾンとグーグルは、まだ AIに対して耐性があるという事でマイクロソフトよりも株価への影響が少なくて済んでいるといった感じになっています。
ただ、マイクロソフトも設備投資へ先行投資しているクラウド事業からの収益がしっかりと上がってくるようになってくれば、株価も反転し始めると思います。それには少し時間が掛かるのかもしれないのでホルダーの方々は少し気長に待ち続ける必要があるのかもしれませんね。


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