日本は長らくデフレの波の飲まれて低成長が続いていましたが、徐々に物価も上がっていき、ようやく労働者の賃金の引き上げも行われるようになってきました。今までは、賃金の引き上げがなかなか行われなかったために、海外との所得の格差が広がっていき、日本全体が海外から見ると貧しく(割安に)見えるようになっていました。
パートやアルバイトの時給も上がってきたよね
労働者の賃金が上がっていく事は有難い事だよね
食品などの商品が値上がりしても、肝心な所得(賃金)が上昇しなければ、ドンドンと消費するお金が増えていくだけで、一向に豊かになっていきません。せめて値上がりした分ぐらいは賃金が上昇しないと国民の家計は苦しいままなのですが、ようやく賃金の上昇が本格的になってきた事で、国民の家計も少しは助かりますよね。
経済界では恒例の春闘が行われており、今年は満額回答が連発で、各企業は労働者に報いる回答をしてくれています。賃金を上げなければ社員の生活が苦しいというだけでなく、人材も集まらない事から各社とも賃上げの機運が高まっています。
主要な企業の春闘での回答
トヨタ 2万8440円(満額回答)
日産自動車 1万8000円(満額回答)
日本製鉄 3万5000円(要求上回る)
神戸製鉄 3万円(満額回答)
三菱重工業 1万8000円(満額回答)
日立 1万3000円(満額回答)
NEC 1万3000円(満額回答)
ほとんどの企業が満額回答をしており、労働者の要求通りのベースアップをしてくれており、労使交渉もスムーズに進んでいるようです。労働者の懐が潤えば、それは消費へと繋がっていくので、企業が賃金を上げてくれることは労働者にも有難いし、消費される側の小売店や飲食店などにとっても有難い事ですよね。
既存の労働者の賃金だけでなく、少子高齢化に伴って若者人口も減少しており、優秀な人材の確保に苦戦している企業も多い事から、新入社員の初任給も軒並み上昇している状態となっています。
各社の初任給
JR西日本 23万9646円
ANA 24万9557円
パナソニック 25万円
シャープ 25万1000円
富士通 26万1000円
JTB 26万2000円
日本製鉄 26万5000円
最近は、特に物価上昇圧力が強く、多くの庶民の暮らしにダメージを与えていたので、賃上げが継続していく事で安定した生活を送れるようになりますね。
今までは、賃上げがあったとしても、それ以上に物価上昇の方が高かったので、実質的な賃金を考えるとマイナスとなっているケースが多かったのですが、ようやく実質賃金がプラスになっていくかもしれませんね。
最近3年間の名目賃金と実質賃金のグラフ
春闘において主要な企業が満額回答を行い、賃上げをしている事から労働者の懐も少しは潤ってくると思うのですが、まだまだ大企業が中心の賃上げとなっており、国民の多くが労働している中小企業などには波及しているとは言えない状況です。
大企業が中心となっている賃上げの波が、中小企業へと波及していくといいのですが、それには大企業側が取引先である中小企業に対して商品(部品)の値上げを認めるなどのコストアップをしてくれないと厳しいです。
儲かっているのは力のある大企業が中心で、下請けである中小企業は今までと変わらずにあまり潤っていないという状態であれば、物価高は続くけれども中小企業の賃上げが進まない状態に変わりはなく、多くの国民の生活は依然として苦しい状況が続くことになります。
大企業の儲かった利益を取引先へと流してくれる事で日本全体が潤っていく事になり、本当の意味での賃上げが進んでいくのだと思います。
また、労働集約型産業といわれている物流やサービス業、医療・介護の現場においては、未だに所得は低く、賃上げの流れに乗れていない企業や労働者が多く存在します。
大企業が中心の景気の良い賃上げのニュースが流れている中で、こういった私達の生活を陰で支えている人々の所得はあまり変わらない状況になっている事もあるので、ぜひともこういった方々の賃金などが上昇してくれるといいなと思います。
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