最近の1年~2年ほどであっという間に生成AIがブームとなっていきました。エヌビディアが圧倒的な強者となったのも生成AIが次なる時代を作るという前提の下でGPUがバカ売れしており、大手ハイテク企業なども生成AIに乗り遅れるわけにはいかないと設備投資競争に拍車が掛かっている状態です。
生成AI関連であれば何でも上昇しているね
生成AIに絡んでいなければ時代遅れというイメージになりつつあるね
生成AIは普及しているのかといえば、そういうわけではなくて、これから普及していくだろうとされています。なので今はまだまだ導入段階であり、生成AIによって収益をしっかりと上げている企業は見当たりません。これだけ各社が生成AIへと舵を切ったのだから生成AIの時代が来るだろうと言われていますが、実際に生成AIの時代が来るかどうかは未知数です。
過去に私たち(人類)は、「次なる偉大なテクノロジーが誕生した」と騒いでは期待外れに終わったケースがいくつもあります。最近のケースではメタバースが記憶に新しいのではないだろうか。あっという間にブームも終わったのですが、メタバースに巨額の資金を投じた企業もたくさんあり、企業名さえ変えて本格的に力を入れた企業もありました。
輸送ドローン、代替肉、セグウェイ、グーグルグラス、Microsoft Zune(マイクロソフト・ズーン)、3Dテレビなど、多くの人々の話題となり「次なる偉大なテクノロジー(製品)」と言われながらも、いつの間にか市場からすっかりと姿を消したものがたくさんあります。
セグウェイなどもビル・ゲイツ氏やスティーブ・ジョブズ氏、ジェフ・ベゾス氏などの著名なIT企業創業者たちがこぞって絶賛していた事もあり、「次世代の最先端移動手段」として一大ブームを巻き起こしていました。斬新な見た目と操作性が近未来的だという事で、流行に敏感な人々に絶賛されていましたが、今や生産も終了しており現存機が細々と観光地で稼働している程度となっています。
セグウェイと同じように次世代の最新機器として話題をさらいながら消え去った製品に3Dテレビがあります。3Dテレビなどは今の若い人たちは知らないのではないかなと思います。本格的な3D映画であった「アバター」の驚異的な世界的大ヒットと地上デジタル放送開始によるブラウン管テレビの終了に伴って、次世代のテレビとして3Dテレビが販売され、各社がドンドンと新製品を投入するなどしていました。
3Dテレビは、2012年のテレビ販売売上高における販売売上割合が25%もあり、ブラウン管テレビの代替えテレビとして次なる時代を作っていくと思われていたのですが、次第に販売台数は衰えていき、いつの間にか液晶テレビに主役の座を奪われてしまいました。今では生産も販売もされていません。
セグウェイにせよ、3Dテレビにせよ、新しく出た当初は「次なる時代を作る画期的な製品」と話題になっていましたが、数年経てば話題にすら上がらなくなっていきました。
今が旬の生成AIも、流行の渦中にいると「必ず生成AIは普及して人々の生活を一変する」と思ってしまいますが、数年後には「あれは何だったんだろうね」という事になっている可能性も充分にあるのです。
個人的には、生成AIはこれからも普及していき、多くの製品に搭載されて人々の暮らしのサポートをしていくと思っていますが(だからこそアマゾンやマイクロソフト、エヌビディアに投資をしている)、多くの人々が正しいと信じて、大企業が大金を投じて研究・開発・販売しているからといって、思った通りに未来が進むとは限らないという事は忘れないようにしていようと思っています。
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