今後は更に差が開いていく

投資家に大人気のオルカン（全世界株式）や米国株式。新NISAの開始と共に投資信託のeMAXIS Slim全世界株式やeMAXIS Slim米国株式（S&P500）に日本の投資家の資金が集中しているようです。投資家たちにお勧めの投資先は何かと尋ねると、多くの方々がこれらの投資信託を推奨するぐらいオーソドックスな投資先となっていますね。

オルカンや米国株式は、長期的にみると順調に右肩上がりの状態となっていますが、綺麗に右肩上がりで推移しているわけではなく、当然ながら紆余曲折があったりします。全世界に分散投資をしているオルカンも、ポートフォリオの６割ぐらいは米国株式となっているので、米国経済や米国企業の状況に左右されていきます。

私達のように日本から投資をする場合は、当然ながら日本円と米国ドルの影響も受けるので、ドル円相場の状況によって資産が増えたり減ったりもしてしまいます。

現在のS&P500とeMAXIS Slim米国株式のチャートをみていると、違いが一目で分かるような感じになっています。

S&P500のチャート

eMAXIS Slim米国株式（S&P500）のチャート

S&P500は、７月の高値の水準から一旦は大きく下がったものの、その後に持ち直しており、現在では最高値の水準から１％程度の下落となっています。

一方で、eMAXIS Slim米国株式（S&P500）の方は、最高値の水準から大きく下がった後に少し反発していますが、それでも下落幅は大きくて最高値の水準から１１％ほど下落した状態となっています。

やはり為替相場の影響は大きく、ドル円相場がこの時期に１０％ほど下がっているのに連動するような形でeMAXIS Slim米国株式も下落している状態となっています。

今後、円高に進むようであれば、当然ながらeMAXIS Slim米国株式も更に下落していく事になっていくので、ますます本家のS&P500との乖離は進んでいく事になりますね。

ただ、今までは円安の影響を受けてeMAXIS Slim米国株式は本家のS&P500よりもパフォーマンスが良かったので、今はその反動が起こっている状態なので当然の結果と言える状態となっています。

３年前のS&P500とeMAXIS Slim米国株式のパフォーマンスと比較してみると、S&P500は25.6％の上昇なのに対して、eMAXIS Slim米国株式は69.8％の上昇となっており、大きく異なっています。急激に円安に振れたことで、円換算する時の効果が非常に大きくなっていました。

今後は、これの逆バージョンとなっていく可能性が高いので、eMAXIS Slim米国株式にとっては厳しい状況が続いていく事になりそうです。

それぞれのパフォーマンス	３年前から現在	最高値から現在
S&P500	+25.6％	-0.8％
eMAXIS Slim米国株式	+69.8％	-11.1％

円高に進むようであれば、円換算した米国株式の評価は減ってしまう事になるので、当面の間はパフォーマンスが悪くなってしまいそうですが、今まで円安効果で大きく増えていたので、その分だけ元に戻っていくと思って我慢するしかないかなと思っています。

１年～２年もすればドル円相場も落ち着いた動きになっていくのではないかなと思うので、それまでは円高の効果によってeMAXIS Slimなどの投資信託はS&P500よりも減ってしまうスピードは速くなりますが、S&P500自体は長い目でみれば右肩上がりに上昇していく可能性が高いと思えるので、長い目でみながら頑張ってホールドを続けていくのがベストなのかなと思います。

米国での利下げが進んでいけば、円換算した米国株などの評価額は厳しい状況が続くかもしれませんが、長期投資をする間には、こういった時期もあるので、それを乗り越えていけば明るい未来が待っているのではないかな。