新興 AIインフラ企業の1つであるコアウィーブ。上場時は公募価格と同じ 40ドルでの終値となりましたが、その後はAIブームと共に株価は伸び続けて、一時は僅か3か月ほどで株価は 183ドルと上場初日よりも 4.5倍の高値が付くほど好調でした。しかし、その後は AI業界全体に対して設備投資が過剰なのではという懸念が高まり、株価はズルズルと下がり続けて今年の3月下旬には 69ドルと高値から 62%もの下落をしています。

コアウィーブは浮き沈みが激しいね



期待値が高い分、反動も大きいよね
そんなコアウィーブですが、最近は絶好調で、3月下旬から急ピッチで株価が伸びており、僅か2週間で株価は 47%も上昇しているんですよね。なぜ、最近になって急にコアウィーブは動機付いてきたのだろうか。
まずは、3月31日に発表されたプライベートレンダー(プライベート・レンディング)から 85億ドルの融資です。この融資を受ける際の金利が6%程度と非常に低かったのです。通常、スタートアップ的な企業が高額な GPUを担保に借り入れを行う場合、金利はもっと高くなるのが一般的なのですが、今回は格付け機関から投資適格(A3/A)の評価を得たために金利を抑える事が出来ました。
低金利での調達は、将来的な利益率(マージン)を押し上げます。今回の低金利で融資は、「コアウィーブの収益モデルが、リスクの高い博打ではなく、公共インフラに近い安定性がある」と判断されたという事であり、従来よりもリスクは軽減していると貸し手が評価している事になります。
では、企業側が資金調達する際の金利の目安とは、どのぐらいであり、今回のコアウィーブの6%はなぜ評価されているのかを、一般的な資金調達時の金利を確認しながら見てみましょう。
| 分類 | 融資金利 |
|---|---|
| 世界的な超巨大企業(Microsoftなど) | 3%~5% |
| 一般的な大企業(投資適格企業) | 4%~6% |
| 成長企業(売上成長・利益赤字企業) | 8%~12% |
| ハイリスク企業(新興赤字企業) | 12%以上 |
コアウィーブは、成長性を期待されてはいますが、赤字垂れ流し状態の利益が全く取れていない企業です。それなのに、融資金利は普通の一般的な大企業と同じ様に投資適格企業と評価されて6%程度の融資金利となっています。つまりは、現状では赤字にも関わらず安定した企業と匹敵するぐらいの状態(リスク)であると判断されて融資されたことになります。
通常では成長企業向けの融資は、8%~12%ぐらいの高い金利となるし、GPUなどの資産を担保にした融資になるとハードウェアの陳腐化リスクを考慮し、高めに設定されることが多いために、10%~12%程度の金利が付くことが多いです。
にもかからず、今回のコアウィーブの融資は、大手企業と同じぐらいの条件である6%の融資金利となっている事が、貸し手はコアウィーブに資金融資をしても、それほどリスクは高くない(回収の見込みは安定している)と判断したという事であり、株式市場はそれを大きく評価した(安心した)という事になります。
そして、その後にそれを裏付けるような発表が相次いだことも株価上昇の後押しをしました。それが、メタ・プラットホームズ(インスタグラムやフェイスブックの運営会社)と 210億ドルの追加契約を結んだ事と、アンソロピック(Anthropic)と契約を結んで同社の AIモデル「Claude」を稼働させる契約をした事でした。
メタとは、今までに 140億ドルほどの契約を結んでいましたが、今回の追加契約により総額で 350億ドルもの巨額の契約を手に入れる事になります。これにより、2030年ぐらいまでは安定した収益が見込める事が確定した事になります。
また、アンソロピックと契約を結んだ事で、今一番勢いに乗っている生成 AIモデルがコアウィーブで運用される事となり、コアウィーブの信頼性と先進性にお墨付きが与えられたという印象を市場が感じ取る事にもなりました。
主要 AIプロバイダー上位 10社のうち 9社(オープンAI、アンソロピック、エヌビディア、グーグル、マイクロソフト、メタなど)と契約を結んでおり、今では新興クラウド企業という立ち位置から AI時代の不可欠なインフラ企業となりつつあります。
ここから数年は、各社が AI需要を取り込むために AIクラウドに全力を掛けて突っ込んできます。AIクラウドに特化しており、エヌビディアとの蜜月関係によって最先端の GPUを最優先に仕入れる事が出来るコアウィーブは、暫くは優位な立ち位置にいるという事なのだと思います。


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