15日の米国株式市場において半導体銘柄が大きく上昇していましたね。エヌビディアは 4.0%上昇、ADM(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は 6.4%上昇、コアウィーブは 6.2%上昇していました。半導体銘柄が大きく上昇したのは、トランプ政権が中国との貿易交渉において半導体輸出の規制を緩和したからです。

半導体は交渉の武器となっているね



一方の中国もレアアースという武器を持っているね
中国への半導体の輸出に関しては、エヌビディアの半導体に強い規制が掛かっており、最先端の半導体は中国に輸出できなくなっていて、その代わり性能を落とした「H20」という半導体を中国専用としてエヌビディアが開発して輸出していました。
ところが、米中の貿易戦争が激化した事で「H20」ですら輸出を規制されるようになってしまいました。これによりエヌビディアは中国への売上が激減して業績にダメージを与えていたのですが、この「H20」への規制が解除されて中国へ輸出できるように規制が緩和されたようです。
米国は中国が AI開発でリードしないように半導体の規制を強化していたのですが、中国としてはせめて性能を落とした「H20」は許可してくれないと困る状態でした。なので、「H20」という強い武器を持っている米国が有利なのかと思えるのですが、中国にも強い武器があります。それが「レアアース」です。
レアアースはハイテク製品の製造には欠かせない資源なのですが、そのレアアースの生産・輸出ともに最大のシェアを誇っているのが中国なんですよね。世界のレアアースの生産量のシェアは中国が約 70%と圧倒的なシェアを誇っており、輸出量も中国がシェア 70%と圧倒しています。
世界のレアアースは中国に委ねられているといっても過言ではないぐらい中国の影響力が強いです。そして、中国はこのレアアースの輸出を停止するなどの圧力を掛けながら米国の半導体輸出規制の緩和を迫っていました。
半導体はないと困る中国、レアアースがないと困る米国。両国の思惑が一致して、米国は中国が欲していたエヌビディアの「H20」の輸出再開、中国は米国が欲していたレアアースの輸出再開と、それぞれが妥協しながら交渉を行ったようですね。
やはり他に代替えのない商品を持つ企業や国は強いですよね。それにしても、貿易戦争の取引材料となるほどの製品を開発・製造しているエヌビディアはやはり驚異的な企業なのだと感じます。当分はエヌビディア製品の優位性は崩れないと思えるのでエヌビディアを保有(投資)しておくメリットは大きいのかなと思います。
コメント