最近の雇用統計が下方修正されまくりだったので、先月の8月にトランプ大統領が激怒して米労働省労働統計局(BLS)の局長を解雇した事がありましたね。そして、今回は去年の雇用統計(2024年4月~2025年3月まで)の実数が発表されたのですが、これも大幅な下方修正となっており、もはや雇用統計は全く実態を反映していなかったという事になっていました。

雇用統計が大幅に狂っていたら雇用状態などが正確に判断できないね



雇用統計はFRBの利下げの判断にも重要なので困るよね
トランプ大統領が米労働省労働統計局(BLS)の局長を解雇した時は、今年の5月と6月の雇用統計において、5月は14万4000人増加から1万9000人と12万5000人もの大幅な下方修正、6月は14万7000人から1万4000人と今度は13万3000人の大幅下方修正となっており、もはや統計の正確性が非常に欠けていると言える状態でした。
年月 | 発表されていた雇用者数 | 実際の雇用者数 | 修正された数値 |
---|---|---|---|
2025年5月 | 14万4000人 | 1万9000人 | -12万5000人 |
2025年6月 | 14万7000人 | 1万4000人 | -13万3000人 |
これだけでも酷いなと思うのですが、今回は去年1年間の雇用統計(2024年4月~2025年3月まで)の実数が発表されていて、それによると去年の雇用統計(2024年4月~2025年3月まで)の総合計でも数値が全然違っていて、全体的に大幅な下方修正となっていました。
当初に発表されていた去年1年間(2024年4月~2025年3月)の雇用統計では、1年間で雇用者数は180万人増加していたことになっていたのですが、今回発表された修正では、1年間で88万9千人増加となっており、実に91万1千人もの下方修正となっていました。
月平均でみてみると、1か月あたり14万9千人増加だったのが、7万3千人増加と大幅に減少しており、1か月あたり7万6千人もの下方修正となっています。
項目 | 当初の発表 | 修正後の発表 | 修正された数値 |
---|---|---|---|
1年間の雇用者数 | 180万人 | 88万9000人 | -91万1000人 |
1か月平均の雇用者数 | 14万9000人 | 7万3000人 | -7万6000人 |
こうなると、全然実態が違うよね。1年間で180万人の増加と88万人の増加とでは、半分以下になっているからね。今までは、「雇用は景気が悪化しつつも堅調に踏ん張っている」といった感じで言われていたのですが、実際には雇用は落ちてきていて雇用環境が悪化している状態が見過ごされてきた事になります。
雇用が弱っている状態である以上、FRBは利下げをする必要があり、次のFOMC(9月17日)では間違いなく利下げが行われる事になりました。
それにしても、雇用統計は下振れし過ぎだよね。もう少し精度を良くしてくれないと発表している意味がない気がするんだけどね。
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