最近人気が高くなっている投資先に、「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」がありますよね。SNSでもよく話題になっているし、毎月決算型(毎月分配金が支払われる)なので分配金を受け取りながらFIREすればいいという発言も多いです。でも、こういった商品はよく考えてから投資をした方がいいと思います。

毎月分配金がもらえると嬉しいよね



でも、当然ながらメリットもあれば、デメリットもあるよ
「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は、どんな投資信託なのかというと、毎月150円の分配金が支払われていく(近年は、ほとんど毎月150円の分配金が支給されている)というもので、最近の5年間を見てみるとパフォーマンスもいい感じなんだよね。
でも、注意をしないといけない点は、このファンドはアクティブファンドなので、当然ながら運用が上手く行けばいいけど運用が上手く行かない場合もあるし、アクティブファンドなので手数料も高いんだよね。
まずは、「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」の近年のパフォーマンスをライバルとされている「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と比較してみましょう。
「インベスコ」と「オルカン」の5年間のパフォーマンス
投資信託 | 5年前基準価格 | 現在の基準価格 | 分配金再投資込み |
---|---|---|---|
インベスコ | 8060 | 8831(+9.5%) | 23838(+195.7%) |
オルカン | 11403 | 30358(+166.2%) | 無し |
こうやってみると、インベスコは分配金をコンスタントに毎月150円出した上で基準価格は維持しています。分配金を再投資したと仮定した際のパフォーマンスは+195.7%となっていて、オルカンの166.2%よりも良いので、こういった観点から「オルカンに投資するよりインベスコに投資した方がいい」という意見が多いみたいです。
でも、これアクティブファンドだから常に成績は不安定だと思うんだよね。最近は、上手く銘柄選定が出来ていてパフォーマンスも優れているのだけど、運用が上手く行かないケース(上手く行かない年)もあると思うんだ。
そして、アクティブファンドゆえに手数料が高く、毎年 1.903%もの運用管理費用(信託報酬)が発生するんだ。なので、インベスコの場合は毎年の運用結果から信託報酬を約 1.9%ほど引いたものがパフォーマンスとして表記される事になるんだ。インデックスの平均的なパフォーマンスが仮に 6%ほどだとすると、アクティブファンドのインベスコはインデックスを上回るためにはインデックスの平均的なパフォーマンスである 6%から更に信託報酬のを足した 1.9%を足した 7.9%のリターンがないとインデックスと同じ成績にならないと言えるよね。
この条件をクリアするのはなかなか難しいと思うし、近年のインベスコのパフォーマンスがオルカンを上回っている事は確かに素晴らしいと思うのだけど、このパフォーマンスを10年20年と続けていくのは、なかなか難しいと感じるんだよね。
アクティブファンドゆえに銘柄選択は非常に重要であり、それが近年は上手く行っているみたいだけど、逆に言えばアクティブファンドゆえにパフォーマンスが落ちてしまう事も充分にあると思うんだ。なので、資産運用をしている現役世代が長期運用するような商品ではないと思うんだよね。
年金を支給してもらっている世代が年金の足しに買い付けるのであれば、まだアリなのかもしれないけど、わざわざ現役世代の投資家達が買い付けなくてもいいと感じるし、アクティブファンドだという事を忘れて、これをたくさん保有すればFIREが楽に出来ると思うのは少し違うような気がするんだ。
SNSやネット上で人気だからというのではなく、本当に自分にあった商品なのかどうかを、しっかりと確認したうえで投資を行った方がいいんじゃないなと思っています。
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