先日、高齢者向けのNISAと未成年(子供)向けNISAを新たに創設する事を検討しているという報道がありましたね。高齢者向けNISAは、プラチナNISAという名称を使い、高齢者を対象に運用益などを分配金として毎月払い出す「毎月分配型」の投資信託をNISA対象商品として追加する事になるみたいだね。

運用期間が残り少ない高齢者に新たな制度は必要なのかな?



個人的には高齢者対象でNISA制度を拡充する必要はないと思うかな
今あるNISA制度では、長期的な資産形成を育むというスタンスの為、運用益の一部を再投資に回さずに分配金として契約者に払い出す毎月分配型のような投資信託などはNISA口座の対象商品には入っていませんでした。
ただ、高齢者の中には年金の下支え(年金以外の生活費用資金)として、分配金のように現金を支払ってくれる投資信託へのニーズが高いようであり、今回の政府の提案では高齢者を対象に分配金を支払う投資信託もNISA口座の対象商品に付け加える事を検討しています。
現在の素案では、一定の年齢に達した高齢者は、毎月分配型の投信を購入する際に NISA口座の資産を売却せずにプラチナNISAに移行できる措置も検討しているみたいだね。これ、どういった運用になるんだろうね。
現在のNISA口座の枠組み(非課税総額 1800万円)のなかでプラチナNISA(高齢者向けNISA)の枠を作って分配型投資信託の商品だけを追加するのか、それともNISAの枠とは別枠でプラチナNISA(高齢者向けNISA)の枠を取るのか、どうなるのかは未定なのだけど、NISA口座の枠とは別枠でプラチナNISAの枠が出来るのであれば、高齢者優遇処置だと批判が高まりそうだね。
どちらにせよ、年金代わりに分配金が出る投資信託を充てるというのはあまり良い運用方法ではないと思うかな。分配金が出る投資信託は手数料が高いものが多く、特別分配などで元本を取り崩す可能性もあるから、年金代わりとして運用するのは少しリスクが高い気がするけどな。
あと、未成年(子供)NISAを新たに創設する可能性についても検討されているみたいだけど、それなれば何故ジュニアNISA(少し前にあった未成年対象の非課税口座)を廃止したんだろうね。
ジュニアNISAが廃止された理由は、ジュニアNISAの口座開設数が想定よりも少なく、利用者が低迷していたから廃止したのだけど、そもそもジュニアNISAは非常に使いにくい制度でした。ジュニアNISAは基本的に 20歳になるまで原則的に出金を禁止されており(災害等の例外時は除く)、使いたい時に使えないという大きなデメリットを抱えていました。
そのため、子供の教育費として用意しても、いざという時に使えない( 20歳の誕生日を過ぎるまで基本的には引き出せない)可能性があるという教育資金としては致命的な欠陥があったため、普及が進まなかったという経緯があります。
新NISA制度が出来た時にジュニアNISAは廃止されたのですが、新NISA制度にそのまま移行すれば良かったのにと思うかな。ジュニアNISAは年間 80万円の枠だったので、非課税枠は 80万円のままで、あとは新NISA制度と同等のルールで運用していけば良かったのにと感じます。
とりあえず、プラチナNISA(高齢者向けNISA)や未成年NISA(子供向けNISA)などを新設するにしても、高齢者だけ枠を増やすなどの優遇処置をしたり、ジュニアNISAの時のように出金制限があったりと、現在のNISA制度を利用している投資家から不満が出るような制度設計にはしないようにして欲しいですよね。
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