FIREの難しい点

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投資家に大人気のFIRE。色々な種類のFIREがあるみたいで、コーストFIRE、バリスタFIRE、サイドFIRE、、リーンFIRE、フルFIRE、などなど、全く何のことだか分からなくなるぐらい色々な種類のFIREがあります。

それだけFIREが投資家から注目されていて話題になっているのだと思います。

投資するならFIREが目標になるよね

FIREが目標というよりも、豊かな暮らしになればいいよね

とりあえず、私はFIRE(セミリタイア)した形になっていますが、種別をあえてあげるとすればサイドFIREになるのかな。投資資金だけで生活する事は難しいと感じるけれども、アルバイトや契約社員などで足りない分を補いながらであれば、生活を維持していく事が出来るかもしれません。

さて、今回はFIREについてのお話です。

目次

基本的にはFIREはお勧めしない

時々、このように質問される事があります。

FIREしたいと思うけど、FIREした方がいいですか?

その際に、私は大抵このように答えています。

基本的にはFIREはあまりお勧めしないかな

FIREした状態になっていながら、こんなことをいうのは変なのかもしれませんが、「FIREをした方がいいかどうか」と聞かれたら、基本的にはFIREをお勧めしていません。

もちろん、その人の投資資金量や家族構成によって異なるので、全員にお勧めしないという訳ではないですが、私が個人的に思う「安全にFIRE出来る水準にある人」という基準をクリアしている人は少ないです。

もちろん、FIREなんてリスクと隣り合わせなのですが、出来るだけ安全にFIREしようと思うと、どうしても安全なFIREの基準をクリアするのが難しいと思います。

安全にFIREするには

家族構成などにもよりますが、家庭を持っている(妻や子供がいる)のであればFIREの水準はかなり高くなっていくと思います。私の個人的な考え方であれば、家庭を持っている状態で安全にFIREするには3億円ぐらいは必要だと思います。まあ、3億円だとちょっと保守的すぎるので、もう少し基準を下げたとしても2億円は必要だと思います。このぐらいはないと安心してFIREする事が出来ないのではないかなと思います。

でも、よしぞうは1億円ぐらいでFIREしているよね

確かにそうなんですが、1億円では、やはりリスクは高いと思います

私は、1億円で会社を辞めましたが、この程度あればリスクがそれなりに残っていると思っています。もちろん、上手くやれば問題なくFIRE出来るかもしれませんが、安全ではないです。

FIREの基本的な考え方は、長期的には株式市場が上昇しており平均的なリターンが3%~5%は確保できるといった考え方です。ただ、毎年コンスタントに3%~5%程度のリターンが取れるわけではなく、数年間に渡ってマイナスリターンの年があるかもしれません。

長期的にみれば株式市場が上昇していくと言われていますが、10年近く低迷している時期もあり、大きな下落と低迷が重なれば、資産が増えるどころか大幅に減少してしまう事だって十分に考えられる事です。

それを考慮すれば、家庭を持った状態で1億円でFIREするというのは安全ではなく、それなりのリスクを背負ったうえで実施する必要があるという事になります。

普通のサラリーマンでは安全圏に届くのは難しい

安全にFIREしようと思うと、家庭を持った状態では最低2億円必要だとすると、一般的なサラリーマンがFIREしようとするとハードルはかなり高くなります。

エリートサラリーマンで年収が1千万円以上あって、なおかつ妻も共働きでそれなりの収入があるパワーカップルで、更に投資の運用がある程度上手くいかないと2億円という資金量にはなかなか到達しないと思います。

多くの投資家にとってFIREが現実的ではないのは、「世帯年収において高収入が必要となる事」プラス「投資のリターンがそれなりに高い必要がある」という条件がそろわないと届かないという厳しい現実があるからだと思います。または「素晴らしく高収入」「素晴らしく投資成績が良い」どちらかに強く偏っていても可能だと思うけどね。

なので、一般の人にとっては基本的にFIREするのが難しい事からバリスタFIREなどのFIREの派生形が出てくるのだと思います。

ただ、気軽にFIREしてしまうと、あとで困る事になる可能性があるので、私は安易にFIREを勧めようとは思わないのです。

FIREの問題点

FIREをしようと思うと、FIRE自体はそれほど難しい事ではないです。自分で「もう十分だ」と思って仕事を退職すればいいだけなので、FIRE自体に何か特殊な技術が必要な訳ではなく、自分の気持ち1つで実施する事が出来ます。

ただ、FIREした場合は後戻りが難しくなってしまうという問題点があります。

一度退職してしまうと、一般的には次に同じような条件で再就職する事は難しいケースが多いです。

例えば、看護師や医師、弁護士、会計士、大工などの手に職を持っている人々であれば再就職も容易化もしれませんが、そうでなければ中途半端な年齢になってから再就職するのは厳しい事が多いです。

特に、大企業に就職していた場合は、再び大企業に再就職できる可能性はかなり低くなってしまいます。それまで積み上げてきたキャリアや給料水準がすべて白紙になってしまうのは非常に勿体ない事でもあります。

特に、独身で若い方がFIREされた場合は、その後に家族構成の変化があれば(結婚して子供が出来たりしたら)、それなりの給料水準が必要となるのですが、もしも大企業に勤めていてFIREしまった場合などは、元に戻る事が難しくなって後悔する事があるかもしれません。

FIREする事自体は、自分の気持ち次第なのでやろうと思えば簡単に出来ますが、充分な資産量が無ければ、その先の生活に苦慮する場合がある事から、慎重な判断が必要になってくると思います。

それでも確かにFIREの魅力は大きい

私自身もFIREしていますが、「FIREして後悔しているのか?」と聞かれると、後悔はしていません。ただ、「不安はないのか?」と聞かれると、それなりに不安に思う気持ちはあります。

相場が絶好調で右肩上がりが続く時であれば問題ないのかもしれませんが、タイミングの悪い事に私がFIREした時から相場は軟調になっており、更に今後の状況次第では不況が訪れるのかもしれません。こういった展開になると、安心してFIRE出来ているとは言い難く、不安に思いながらも何となくやり過ごしているといった感じです。

では、「FIREしなかった方が良かったのか?」と聞かれたならば、今のところですが「良かった」と答えると思います。先の事は分かりまんが、FIREする事で家族との時間を沢山持つ事が出来て、ゆっくりと子供たちと過ごせることは何よりも代えがたい幸せだと思います。

FIREする事への最大の魅力は、自分らしく過ごす事が出来るという事だと思います。

家族との時間を大切にしたり、自分の時間を大切にしたり、お金には換えられない価値があり、それを自分で自由に手にする事が出来る事がFIREの最大の魅力だと思います。

ただ、安定感がないという事は実感しているので、家庭を持っている状態の方々に安易にFIREをお勧めする気持ちにはなれないし、生活費があまり掛からない独身であったとしても、その後に結婚するなどして家族構成が変わるかもしれない事を考慮すれば、やはり安易にFIREを勧めようという気持ちにはなれません。

まとめ

最近は、コーストFIREやバリスタFIREなど色々なFIREが出来てきており、それなりの金額でスッとFIREされていく方々も見受けられますが、あまり安易にFIREする事はお勧めしないかなと思っています。

それでも、もちろんFIREの魅力には素晴らしいものがあるし、お金には換えられない価値があるのは事実だと思うので、FIREをするといった選択肢をとる事に対しては反対するつもりはないのです。

ただ、FIREが目標というよりも、その後の楽しい人生を歩むことが出来るきっかけとしてFIREを利用していくのがいいのかなと思っています。

そして、2億円や3億円ぐらいの非常に大きな資金量でFIREしたのであれば安全だと言えるかもしれませんが、投資で「確実に儲かる未来」がないように、FIREにおいても「確実に安全なFIRE」はなく不安定な状態であるという認識を忘れずにいた方がいいかなと考えています。

   

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