米国株・米国経済に一番重要な個人消費の衰え

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先日、ニューヨーク連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of New York)は、米国の消費者が保有している債務(借金・ローンなど)を延滞する懸念が高まっているというデータを発表していました。

米国は金利が高そうだよね

政策金利が高止まりしていますからね

米国は、個人消費が経済に与える影響が大きく、GDPにおける個人消費の割合が7割ほどあるので、個人消費の失速は経済に大きなダメージを与える事になります。貯蓄傾向が高くて安全志向の日本人とは対照的に、楽観的で借金をしてでも消費をするという傾向がある米国において、債務が遅延していく事は景気に悪影響を及ぼしていきます。

インフレを抑制するという名目で政策金利は急激に高まっていき、近年まれにみる高金利を続けています。それに連動して、住宅ローン金利やクレジットローン金利なども急騰しており、その支払いに苦慮する消費者が増加しつつあります。

ニューヨーク連邦準備銀行の調査によると、消費者が向こう3カ月に債務の最低返済額を滞納すると予想する確率は平均で13.3%に上昇しており、コロナ禍の混乱時であった2020年4月以来の高水準となっています。特に平均以下の年収世帯(年収5万ドル:約725万円)や高卒者などの属性において支払い遅延の圧力が高まっているようです。ちなみに米国の平均年収は6万5千ドル(約950万円)なので日本と比べると高いですよね。

少し前のデータになりますが、2024年第1四半期(2024年3月まで)の米国におけるクレジットローン延滞率は過去10年間で見ても最高水準となっています。

「米国の全ての商業銀行におけるクレジットローン延滞率」

政策金利を上げ始めた2022年からの上昇率は急角度で上がっていますね。今後も高金利が続けば支払いに困窮する消費者は増えていく事になります。特に景気が落ち込んで失業率なども上昇していく事になれば、支払い能力が著しく落ちてしまう人々も増えてしまうので、債務の支払いに追われて消費が大きく低迷してしまう要因となってしまいます。

FRBが利下げの判断を急ぎ始めたのにも、こういった苦慮している消費者が増えてきているといった側面があります。利下げをすると言っても、急激に金利を引き下げるという事が出来るわけではなく、ジリジリと利下げをしていく事となるので、現在の5.50%の政策金利がすぐに2%や3%の低金利にはならない(歴史的な経済的大暴落・大不況にならない限り)ので、当面はある程度の高い金利水準が続いていく事になります。そうなると、債務を抱えている消費者への支払い圧力は高い状態が暫く続くことになってしまいます。

現在のクレジットカードの金利水準はこのような感じとなっています。

「米国商業銀行のクレジットカード金利の推移」

やはり政策金利を引き上げたころからクレジットカードの金利も急上昇しています。近年において非常に高い水準の金利負担となっていて、最近の米国における平均的なクレジットカード金利は22%もあります。日本だとグレーゾーンの金利になってしまいますよね。それぐらい高い水準の金利負担となっています。

経済を大きく下支えする個人消費が大きく落ち込んでしまうと加速度的に不景気に突入してしまうので、FRBとしてもなんとか個人消費の大きな減少は避けたいところであり、そのためにも利下げを行って少しでも早く負担を和らげる事をしなければいけないという意見も上がってきており、個人消費の動向に注目が高まっています。

インフレが完全に収まっていない状態であるにも関わらず、利下げへの圧力が強まっている背景には、失業率の高まりと共に、こういった個人消費への影響も含まれているようですね。

    

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