好調な米国株市場における不安材料

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

米国株市場は、今年に入ってからも好調を維持しており、S&P500の1月の騰落率はプラス1.5%となっており、2月の騰落率はプラス5.1%と大幅上昇となっています。3月4日時点のS&P500の年初来リターンは、7.5%の上昇となっていて、すでに年間の平均リターンぐらいの上昇となっています。

この調子で上昇してくれたらいいね

年間を通しても今の感じでプラスリターンを維持して欲しいね

米国株市場が上昇を続けていきながらも、新しいグッドニュースなどが舞い込む事で更に上昇していくという展開が続いており、株価が高値を更新し続けるという循環となっています。

最近では、株価が暴騰しているスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)がS&P500に新規採用されていました。スーパー・マイクロ・コンピューターは、1年間の株価上昇率が1000%(10倍)になるなど急上昇している銘柄であり、今後も AIブームの流れにのって上昇を続けていく可能性があります。こういった大きく伸びる銘柄がS&P500などの指数に採用されると、指数の上昇力にも弾みがついていく事になります。

そんな感じで好調な米国株市場ですが、不安材料も少しずつ持ち上がってきています。いくつかの不安材料があるのですが、そのうちの1つに家計のキャッシュの不足というのがあります。

FRB(米国連邦準備委員会)の調査によると、個人の資産のうちで不動産や株式などを除いた現金や預貯金などのすぐに使える資金は、47兆ドル(7050兆円)となっているそうです。こうやってみると47兆ドルもあると多いように感じるのですが、この現金等のすぐに使える資金が個人の資産に占める割合は31.2%程度らしいです。

これは、結構低い水準のようで、リーマンショック直前の2007年9月の時が30.7%だったので、その時の低水準に近い状態みたいです。

リーマンショック前がどのような状態だったのかというと、株式市場は好調を維持しており、5年間ぐらいは右肩上がりの絶好調な感じでした。そのため家計の資金もリスクを高く取る傾向にあり、現金や預貯金を株式や不動産などの投資に回す割合が大きくなっていました。ゆえに、現金等のすぐに使える資金の割合は減っていき、2007年9月の時点では30.7%となっていたのです。

そして、そこから経済が不調になっていくと株式市場は当然ながらズルズルと崩れていきます。景気悪化や金利の上昇、リストラなどによって現金の必要性が高まっていくと、株式などに換金売りが大きく発生していき、相場の不調と現金化による換金売りが重なって連鎖的な急落を招くことになります。

株式市場が好調な時は、多くの人が現金等を株式などに投資する割合を増やしていくために、個人の現金等の比率が低くなっていきます。そして株式や不動産などの「非流動性資産」が増えていく事になるのです。

個人の家計が株式や不動産などの「非流動性資産」でパンパンに膨れ上がると(個人の現金等の比率が下がっていると)、株式市場の相場の天井に近いと言えるのです。

現在は、この個人の現金等の割合が31.2%とかなり低下してきており、株式市場の過熱感を表しているとも言える状態となっています。

FRBによると、消費活動に大きく貢献しているミレニアル世代(20代前半~40代前半)が保有する資産は、株高の恩恵を受けて過去5年間で2倍に膨れ上がりました。それが堅調な米国経済の原動力である消費を支えているのですが、資産の多くが株式等の非流動性資産であることから資産効果の脆弱性に懸念が高まっています。

株式などに多くの資産を振り分けており、現金余力が少ない個人が多い中、何かしらのアクシデントで相場が崩れる事があれば、資産の減少が大きくなっていき、生活費等の現金化による換金売りの圧力も高まる事から、下落スピードが更に加速する危険性があるため、注意が必要です。

よく言われている相場の天井付近でみられるという「靴磨きの少年が株の話をする」「週刊誌に株式特集が頻繁に乗る」「ワイドショーで株式の話題が上がる」などは、個人の現金等を更に株式へ向かわせる事となり、それによって余力が少なくなった状態で相場が崩れると、一気に換金売りが増えて、急落を引き起こすということなのでしょうね。

米国において個人の現金等の割合が少なくなってきており、日本のおいても新NISAの話題が連日ワイドショーやCMで流れており、相場の天井に近い状態になっているかもしれないので、株式市場が好調でバラ色の未来しか見えなかったとしても、あまり前のめりにならないようにしていく必要があるのかなと思っています。

   

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

↑↑↑ ランキングに参加しています。応援お願いします!!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次