米国株市場を牽引しているハイテク銘柄。投資家にも人気が高く、実力もある時価総額上位のマイクロソフト、アップル、グーグル、アマゾン、エヌビディア、メタ、テスラの7社を「マグニフィセント・セブン」と呼び、今後も成長が期待できる銘柄として有名です。
僕は、エヌビディアとグーグルを保有しているよ
私は、マイクロソフトとアマゾンとエヌビディアを保有しています
米国株を代表する指数であるS&P500の上昇力も、このマグニフィセント・セブンが抜けてしまえば、あまり上昇していないというぐらい、米国株式市場の上昇はマグニフィセント・セブンの力が大きいといわれています。
そんなマグニフィセント・セブンに最近は新たな銘柄が組み入れられて「マグニフィセント・エイト」と呼ばれる事もあります。新たにマグニフィセント(素晴らしい・壮大な)に組み入れられたのは、イーライリリーという製薬企業です。すでに最近調子が悪いテスラを抜いて、時価総額ランキングでは7位に食い込んでいます。
時価総額7位という巨大企業でありながら、その規模に割には知名度はイマイチな感じのイーライリリー。では、簡単にイーライリリーという会社を確認してみましょう。
イーライリリーは、糖尿病治療薬や抗精神病薬、アルツハイマー治療薬などが主力の製薬企業です。イーライリリーの特徴としては、研究開発力が強いという事です。「研究開発こそが企業の魂である」というモットーの元、日々新しい製品の開発を続けています。
昔から、研究開発に力を入れており、インスリン製薬を世界で初めて商品化して大量生産による一般販売をしたのがイーライリリーです。その後は、ペニシリンの大量生産にも成功し、ソークワクチン(ポリオワクチン)も世界では初めて製品化しており、遺伝子組み換えヒトインスリン製剤も世界初となります。
このように、新しい製品を開発する力が強いイーライリリーが最近になって新しく開発したのが、肥満症治療薬である「ゼプバウンド」です。これは、もともと糖尿病治療薬の「マンジャロ」として販売されていたのですが、この薬に肥満を軽減する効果が有る事が分かった事から、新しく肥満症治療薬としての商品を受けて、「ゼプバウンド」として販売をしています。
この「ゼプバウンド(マンジャロ)」がバカ売れして、イーライリリーの業績と株価を大きく押し上げたのです。
株価は、コロナショック前の2019年から6.6倍にまで急上昇しており、2023年からの1年間だけでも2.0倍に上昇するなど、大幅な株価上昇となっています。
肥満症治療薬としてイーライリリーが販売している「ゼプバウンド(マンジャロ)」は、新しいタイプの「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれる薬品であり、他社でこのタイプの薬品を販売しているのはノボ・ノルディスクだけになります。ノボ・ノルディスクも肥満症治療薬「ウゴービ」を販売して、業績・株価とも大幅上昇しています。
現在、世界の人口の40%は肥満であると言われており、その割合は年々増加すると想定されており、2035年には世界の人口の半分以上は肥満体になると言われています。
肥満は、あらゆる病気の元になると考えられており、糖尿病や心臓疾患、高血圧など幅広い健康問題を引き起こし、脳卒中や痛風、癌など多数の疾病の原因となってしまいます。また、太っているという外見から、差別や偏見を受ける事もあり、心の傷を負う人々もいます。
そんな状況を改善する事が出来るGLP-1受容体作動薬は、やせ薬のゴールドラッシュとして人気が沸騰しており、この分野で先行しているイーライリリーやノボ・ノルディスクの株価が上昇しているのです。
そして、イーライリリーの時価総額は去年にトップテンにランクインしており、ついにはテスラを抜いて米国企業では7番目に位置するほどの規模にまで拡大していきました。
従来のマグニフィセント・セブンは全てハイテク銘柄でしたが、そこに新しく割り込んできたイーライリリーは、マグニフィセント・セブンからマグニフィセント・エイトとして新しく米国株市場を牽引していく存在だと考えられています。
最近では、アマゾンがイーライリリーのサイトで購入した肥満症治療薬のゼプバウンド(マンジャロ)などの処方薬を自宅に配達するサービスを始めると発表していました。肥満症治療薬の需要が急速に高まっていく中で、患者がオンラインで気軽に購入する事が出来るようになります。
イーライリリーは、アマゾンのオンライン薬局「アマゾン・ファーマシー」と提携し、イーライリリーのサイトで患者が薬を注文すると、アマゾンが配送する体制を整えました。アマゾンが配送を手掛ける事で供給網の効率化に繋がると期待されています。
マグニフィセントセブンのメンバーであるアマゾンと、そのマグニフィセントに新しく加わったイーライリリーが直接手を結び、更なる拡大を目指しています。今後も、肥満症治療薬とアルツハイマー病治療薬で成長性を期待されているイーライリリーの動きに注目が集まっています。
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