アマゾンの今後の株価の動き

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ジリジリと株価が下ってきている米国株市場。S&P500もダウ平均も6月の安値を下回って最安値を更新していますね。

ジリジリと下がっている株価とは反比例しているのが、為替レートですよね。ドル高円安が続いており、円が145円を超えてきているので、株価の下落ダメージをかなりカバーしてくれています。これは米国株投資家にとっては本当に有難い事ですよね。

ただ、今後も米国株市場の見通しは悪そうなので、株価が下値を探る展開はまだ続きそうです。

そうなると、何か仕込みたくなる人も多くなってくると思います。将来を見据えて仕込んでいくとするならば、アマゾンやテスラなどが人気なのではないかなと思います。

なので、今回はアマゾンについてのお話です。

目次

現在のアマゾン

アマゾンも現在は大きく下落しています。最高値は186.57ドルだったのですが、現在の株価は、114.56ドルなので38.5%の下落となっています。年初からも大きく下がっていますよね。

企業名最高値下落率年初来株価下落率
アマゾン186.57-38.5%170.40-32.7%

ただ、S&P500やダウ平均などの指数とは違って、まだ6月の最安値を下回ってはいません。6月の底値よりは10%位は高い株価水準を維持しています。これは、そもそもアマゾンは高値から大きく下がっていたので下がり過ぎているだろうと思われているのと、前回の決算において次期ガイダンスが市場予測よりも良かったので次の決算に期待されているという事もあります。

企業名現在の株価PERESP(TTM)
アマゾン114.56108.081.06

今のアマゾンはPER(株価収益率)でみると100倍を超えていますね。非常に期待されているとも言えるのですが、そもそもアマゾンは期待値が高い銘柄なので、時折PERが100倍を超える事があります。それでも普通は100倍を超えるのは高いと感じますよね。

過去のアマゾン

昔から期待値の高いアマゾンですが、普段はどのくらいの期待値なのだろうか?

アマゾンは、決算が大きく変動するような企業なので大きく利益を計上する事もあれば、利益があまりない決算を発表する事もあり、利益が安定していない事からESP(1株利益)やPERなども安定していません。時には、PERが100倍、200倍、300倍なんて時もあるぐらいですからね。

近年は、AWSで安定した利益を取れるようになってきており、それに伴ってPERも以前と比べると落ち着いてきたように感じます。近年の通期決算後のPERをみてみるとこんな感じです。

決算年度ESPPER
2018年度1.0180.7
2019年度1.1587.1
2020年度2.0979.2
2021年度3.2449.8

まあ、だいたいPERが80倍ぐらいが普段のアマゾンの状態かなという感じです。

2021年は、出資しているリビアン(新興EVメーカー)の評価額が大きく計上されている関係で、EPSが大幅に上昇しています。

アマゾンのEPS(1株利益)の見通し

では、アマゾンの今後のESPは市場ではどのくらいで予測されているのでしょうか?

ESP2020年末2021年末2022年末2023年末
アマゾン2.093.240.1(予測)2.29(予測)

2022年末のESPはめっちゃ低いですよね。0.1ですからね。ほとんど1株利益がない状態です。それでも、2023年末には、2.29まで回復する事になっています。

2022年末~2023年末まで均等にEPSが増えていくとして、PER50~110倍の時の株価がどんな感じになるのかシミュレーションしてみましょう。

アマゾンEPSPER50PER60PER80PER110
(年月)(1株利益)(株価)(株価)(株価)(株価)
2023年1月0.156811
2023年2月0.282514.2516.9522.631.075
2023年3月0.46523.2527.937.251.15
2023年4月0.647532.37538.8551.871.225
2023年5月0.8341.549.866.491.3
2023年6月1.012550.62560.7581111.375
2023年7月1.19559.7571.795.6131.45
2023年8月1.377568.87582.65110.2151.525
2023年9月1.567893.6124.8171.6
2023年10月1.742587.125104.55139.4191.675
2023年11月1.92596.25115.5154211.75
2023年12月2.1075105.375126.45168.6231.825
2024年1月2.29114.5137.4183.2251.9

株価は、1年後を見越して動いていくと言われています。それでいうと、現在の株価は今から1年後の2023年10月を想定して株価が付いていると考えると、「株価÷ESP=PER(114.56÷1.7425=65.7)」ということで、現在の株価(114.56ドル)はざっくりと予想PER65倍ぐらいで考えられているみたいですね。

現在のアマゾンは、実績PERが110倍、予想PERが65倍といった感じです。

今後のアマゾンの株価の見通し

普段のアマゾンは、ざっくりと実績PER80倍ぐらいの時が多いのですが、現在の実績PERは110倍なので、期待値は高めです。今後の業績が回復するのであれば期待値が高めでもいいのですが、果たして今後に業績は向上していくのでしょうか?

もしも、ここから業績が下方修正されていくのであれば、現在の期待されている株価は修正される事になる可能性が高くなるのではないかなと判断しています。

ちなみに、今年の5月の時に市場で想定されていたアマゾンの2022年末と2023年末のEPSと、現在の想定されているEPSを比較してみましょう。

EPS予測値2022年末2023年末
5月時点での予測0.792.66
現在時点での予測0.1(87%ダウン2.29(13%ダウン

わずか5カ月間で、今年度末のEPS(1株利益)は、87%も下方修正されている事になります。今年度の業績は期待できないという事ですよね。2023年末のEPSも、5月の時の想定よりも13%ほど下方修正されています。それでも、来年度はしっかりと挽回しているという想定になっています。

本当に来年度に業績は回復するのか?

現在の市場予測では、今年度の業績はダメだったとしても2023年末には業績は持ち直しており、予想EPSは2.29になっている予測なのですが、コロナ禍によるネット販売の増加で売上や利益が大幅に増加していた2020年末の実績(ESP2.09)よりも、来年末の業績(2023年末予想EPS2.29)の方が上回っている想定で本当にあっているのだろうかと思うのですよね。

これからも各国の政策金利は上昇を続け、ロシアとウクライナの争いは泥沼化しており、インフレは続いていき、景気も減速していく中で、アマゾンの業績が来年度に持ち直すとは思えないんですよね。

アマゾンの来年度業績が現時点で想定されているEPS:2.29から大きく下方修正されるようであれば、株価はまだまだ下落する余地があるのではないだろうか。

それを確認する為に、今月末にあるアマゾンの決算発表で次期ガイダンスがどのような水準で想定されるのかが注目ですね。

   

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