米国と中国の貿易交渉の行方

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トランプ政権が行っている関税施策。高い関税を掛けて相手を揺さぶり、自分達に有利に働くように仕向けています。特に、中国と米国との貿易交渉は注目が高いです。中国は米国にとって隣国のカナダ・メキシコを除くと最大の貿易相手国であり、日本の2倍近い貿易量となっていいます。

経済大国同士の交渉は世界中にも影響を及ぼすよね

どちらも世界経済に強い影響力を持っている国だからね

中国に対する追加関税については 8月12日まで延期されており、それまでに交渉が纏まるのかに大きな注目が集まっています。先日も、米国が中国に対してエヌビディアの半導体(H20)の輸出を認める事になった見返りに中国はレアアースの輸出を認めるなどお互いに譲歩しつつあります。

各国との交渉を取りまとめているベッセント米財務長官も米中協議については「非常に良好な状態だ」と述べており、対中関税の猶予期間については「心配は不要」だと発言しています。

では、市場では米中の貿易交渉の行方をどのように想定しているのだろうか。市場の想定では、中国が交渉においてわずかに優位に立っていると考えているようです。中国は景気が回復しつつあり、かつ多様な供給市場があります。そしてレアアースの生産・輸出をほぼ寡占している事から交渉カードとして強みがあります。一方で、米国は関税が短期的な圧力として効果がある反面、関税による価格転嫁や投資抑制、インフレ再燃などの懸念材料も多くあります。

それぞれの強みと弱みをまとめてみると次のようになります。

「米国」
強み
関税収入の増加  → 2025年第2四半期に米国は関税徴収で約640億ドルと、前年同期より47億ドル増加しており、財源の増加に貢献している。
技術面での優位性 → 先端技術や AI技術に対して依然として強い影響力を持っている。エヌビディアの半導体などの独占的な必須製品を作り出す企業を有している。
政権の交渉力   → 指導力のあるトランプ氏による圧力によって、交渉事を優位的に進めていく能力がある。

弱み
国内経済への負担  → 関税の影響でインフレ率が上昇し、2025年通年の米GDP成長が 0.7ポイント程度低下する見込み 。
供給網の混乱    → 関税政策の不透明さと頻繁な変更が企業を混乱させ、投資抑制を招いている 。
金融市場へのリスク → 関税施策への対向処置として、米国債の売却や他国との貿易拡大、ドル離れなど、安全資産であったドルや米国債への信用低下による米国資産の混乱。

「中国」
強み
中国経済の回復力     → 2025年上半期では名目GDP +5.3%、第2四半期は +5.2%ほど成長しており、輸出も堅調に推移している。
代替市場と供給網の再構築 → 東南アジア・ラテンアメリカ・アフリカなどとの貿易拡大で依存先が多様化している。
技術産業の進展      → 「Made in China 2025」政策を通じてAI開発やEV開発などで国際競争力が向上している。
レアアース供給の掌握   → ハイテク産業において必需品となっているレアアース市場において世界的に中国は寡占状態となっている。

弱み
内需の慢性的な弱さ    → 投資や消費は低迷しており、内需不振が続いている。
不動産や住宅市場の低迷  → 土地バブルが崩壊しており、不動産価格が下げ止まらず、不動産投資も鈍化している。
米国の技術制裁による影響 → 半導体など最先端分野での輸出規制は依然として中国の技術発展の制約材料となっている。

米国は関税による短期的圧力で中国を押してはいるが、米国経済は構造的に中国の供給網強化と内需回復力に対して脆弱であり、中長期でみると中国の経済・技術・供給網での耐性が強く、交渉力では中国が若干優勢と考えられています。

米国経済は、関税施策によるインフレ高騰の可能性があり、不景気になった際の金融政策に支障が生じる可能性(インフレの為に利下げが出来ない懸念)がある。一方で、中国は景気が順調に回復しているものの、内需は依然として低迷しており、不動産市場の浮上の兆しが見えない。米国との貿易戦争のあおりを受けて、景気回復が失速していくと再び強い不景気に見舞われる可能性がある。

どちらも、関税施策による悪影響があり、強い態度を続ける事は難しいが、中国が若干優位に立っていると考えられるので、米国も高い関税をちらつかせて交渉を強く迫る事にも限界があるため、米中の貿易交渉が決裂したりする可能性は低いと思います。

貿易の交渉事は短期間でまとめるのは難しいので、期限である8月12日までにまとまらない可能性も高いですが、そうであったとしても、部分的な合意が出来て、他の部分は継続交渉という形で再延長すると思うので、米中の関税戦争については楽観視していてもいいんではないかなと思っています。

    

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