投資をしているとよく聞くお話に、「富の大半は富豪が握っている」というのがあると思います。世界の保有資産でみても、上位 10%の人たちが世界の資産全体の 76%を保有しており、確かに富裕層が富の大半を握っていると言えるかもしれませんね。だからお金持ちのお金を庶民に分配すべきだという事になっていくんでしょうね。

富豪の数は少なくても、その少ない富豪がたくさんの富を持っているね



富豪が持っている富を表すのに、よく逆ピラミッドで表記されているよね
人口で見ると、ピラミッドの頂点にいる富豪の人数は少ないのに、資産の量で見るとピラミッドの形は逆になり、富豪の持っている資産の量は多く、逆に庶民の富は下向きのピラミッドの先端ぐらいの量しかないみたいだね。


基本的には、世界の各国ではこのような構図になっているみたいなのですが、日本においては少し異なっているみたいなんです。
日本では、富裕層の資産よりも一般の方々の資産の方が多いみたいなんですよね。
属性 | 資産規模 | 世帯数 | 保有資産総額 |
---|---|---|---|
超富裕層 | 5億円以上 | 8万世帯 | 97兆円 |
富裕層 | 1億円以上 | 124万世帯 | 236兆円 |
準富裕層 | 5000万円以上 | 341万世帯 | 255兆円 |
アッパーマス層 | 3000万円以上 | 712万世帯 | 310兆円 |
マス層 | 3000万円未満 | 4215万世帯 | 656兆円 |


最近の日本は昔と違って「総中流社会」が崩壊していると言われているけれども、それでもまだ世界の国々とは違って、一般の方々が保有している資産はそれなりにあり、超富裕層が富の大半を支配しているという感じでもなく、貧富の差が極端に開いているという所までは行っていないんですよね。
日本がなぜこうなっているのかという話の前に、富裕層にたどり着くには一般的には4つの手段があると言われています。
- 事業継承型
- 新規起業型
- 資産相続型
- 自己貯蓄型
「事業継承型」・・・昔から事業を行っており、代々に渡って会社や資産を受け継ぎ、それを成長させ続けてきたことで大きな富を手に入れている。
「新規起業型」・・・自ら新たな企業を立ち上げ、株式や配当などで大きな資産を形成する創業者達。
「資産相続型」・・・資産家の子供達が親からの相続によって富を受け継ぐ。
「自己貯蓄型」・・・労働者たちが自らの給料などを地道に貯めながら、資産形成を育み、富を膨らませる。
日本の場合は、「相続が三代続くと資産がなくなる」と言われているぐらい相続税の負担が大きく、「事業継承型」で親が会社を持っていても、「資産相続型」で親が資産家であったとしても、代を継ぐごとに資産は大きく減っていき、超富裕層を維持するのが簡単ではないそうです。
日本の場合は、世界各国にいるような代々の資産を守り続ける事が出来ている超資産家の割合が少なく(もちろん日本にもいるけどね)、勤勉で真面目な日本人はコツコツと労働で得た資金を貯めていき、それを育てている人が比較的(他国と比較すると)多く、極端な貧困層が非常に少なくて、一般の庶民であっても、それなりの預貯金を保有している国民性なんですよね。
だから世界の国々とは違って、超富裕層が金融資産の大半を持っているという感じではなく、金融資産の多くはマス層やアッパーマス層といった一般的な庶民の方々が保有しているという感じになっています。
さて、世界の国々でも金融所得課税の強化について議論されている事があるのですが、他国の場合は最初に説明したように金融資産の多くを超富裕層が持っているのに対して、日本はそうではないんですよね。
なので、金融所得課税を強化(増税)するとなると、他国では超富裕層がダメージを受ける事になっても、日本の場合は多くの一般の方々への影響の方が大きいみたいですね。
ゆえに、安易に金融所得課税を強化してしまうと、普通の方々が増税の影響を受ける可能性が高くなってしまうので、制度設計については慎重に確認と検証をしてから行う必要があるので、官僚や政治家の方々にはくれぐれも慎重な検討と対応をお願いしたいですよね。
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