イギリスに本拠地があるラッファーという資産運用会社は220億ポンド(約4兆2000億円)という巨額な規模の資金を運用しているのですが、米国株式市場が急激な下落に見舞われる可能性があるとの想定をしており、運用資金の約70%程度を現金化しているようです。
キャッシュ比率が凄い高いよね
米国市場の暴落に備えているようだね
このファンドは、普段の現金比率が5%程度しかないので、通常の運用時には大半を株式等で運用しているみたいなのですが、今回は過去最大の現金化比率になるほどキャッシュを積み増して下落に備えているようです。
このファンド(英国:ラッファー)によると、米国の流動性縮小が株式市場の急激な反転リスクを高めるという事で、ブラックマンデー規模の下落の再来を懸念しているそうです。
個人的には、ちょっと過剰に反応し過ぎている(暴落を警戒し過ぎている)ような気もしますが、それでも高値圏にある米国株式が下落していくことに備えることは必要なのかなとも感じます。
米国株式市場は利下げを期待して上昇していました。ところが、米国経済が予想以上に強いために利下げはドンドンと後ろ倒しになっていき、現在では最短でも9月の利下げが濃厚だという判断が多くなっています。
今年中に利下げは行われるというのが主流となっていますが、そもそも市場が想定していた利下げは、当初は3月に行われる想定だったのが、6月にずれ込み、そして今では9月に後退するという結果となっており、市場の想定などは全然あてになりません。
当初の想定が3月に利下げが行われるという想定だったのも、高金利を維持している状態が長く続くと経済に悪影響を与える可能性が高くなってしまうからです。なので、ある程度の景気の状態とインフレの状態が落ち着いているのであれば、早めに利下げが行われるとされていたのですが、景気もインフレもあまり治まっていないことから、利下げは延期となっています。
もしも経済が落ち込めば、利下げを行えばいいのですが、インフレが収まっていなければ安易に利下げを行うことができないかもしれません。
現在、そのインフレに対して非常に懸念されているのが、中東情勢です。中東情勢の緊張が高まると、原油価格が上昇してしまい、その結果、インフレが再燃することになってしまいます。
景気が後退しているのに、インフレは進行しているという、スタグフレーションが起きてしまいます。こうなるのが一番危険なパターンですよね。
イスラエルとイランの関係はまだ不安定な状態となっています。各国は、両国にたいして強い自制を促しており、そもそもイランは大使館を攻撃されたことによるメンツを立てるためにイスラエルを攻撃しただけであり、これ以上の関係悪化を望んでいないので、イスラエルさえ大人の対応をすれば、これ以上の緊張悪化は防ぐことができます。
ただ、その肝心のイスラエルがどう動くかが予測しずらい国なので、暫くは緊張が高まっているかもしれませんね。
中東情勢の悪化による原油高の継続が、米国経済にとってはインフレ圧力につながり、その結果スタグフレーションへの発展してしまう可能性があるので、今後の動向に注目が集まっていますね。
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