先日、FOMCが開催されていましたね。そこで発表されていた政策金利は、現状と変わらない5.5%を維持していくというものでした。市場の想定通りに政策金利は現状維持となっています。今回のFOMCの内容はややハト派的だったこともあり、株式市場は安心感によって上昇する展開となっていました。
相場が好調を維持してくれるのは嬉しいよね
利下げは景気や相場にも大きな影響を与えるから注目だね
今回のFOMCについては、市場ではタカ派的な内容になれば年内の利下げ回数が従来の3回から2回へと減少するかもしれないという事が心配されていました。結果は、ややハト派的な内容となっており、年内の利下げ想定は従来通りの年内3回の想定を維持していました。
最近に発表された消費者物価指数や生産者物価指数などをみていると、市場予想よりも高い結果となっており、インフレが再び高まっていく懸念が出ていたので、FRBは利下げ回数を減らしていくかもしれないという想定も出ていたのですが、それについてパウエル議長は次のように述べていました。
- 「1月のCPIとPCEの数字は非常に高かった。季節的な影響があるにせよ、それを否定するつもりはない。2月の数字も予想より高かったが、1月のような数字ではない」
- 「2つの数字を合わせても、インフレ率が2%に向かって徐々に低下していくという全体的なストーリーは変わっていない。半面、これらの数値がインフレが2%に近づいているという確信につながったとも思わない」
- 「政策判断には注意が必要で、ここ2カ月のデータにも過剰に反応するつもりはないが、 無視するつもりもない」
- 「不適切で早すぎる利下げをやって、また利上げをするようなことにならないように、最初の利下げの決断は慎重にする必要がある」
FRBとしては、最近の経済指標の動向には注意を払いつつ、基本的には6月ごろに利下げを行う想定で進んでいるといった感じのようですね。今後の経済指標が強すぎない限りは想定通りに利下げを行う方向性になっていきそうです。
次に、「実質GDP成長率」、「失業率」、「PCE(個人消費支出)インフレ率」、「コアPCEインフレ率」、「政策金利」において、FRB委員達が想定していた予測値の中央値がどれくらいだったのかと、前回の予測値(12月の時の想定)をみていきましょう。
項目 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
---|---|---|---|
GDP成長率 (前回の予測値) | 2.1% (1.4%) | 2.0% (1.8%) | 2.0% (1.9%) |
失業率 (前回の予測値) | 4.0% (4.1%) | 4.1% (4.1%) | 4.0% (4.1%) |
PCEインフレ率 (前回の予測値) | 2.4% (2.4%) | 2.2% (2.1%) | 2.0% (2.0%) |
コアPCEインフレ率 (前回の予測値) | 2.6% (2.4%) | 2.2% (2.2%) | 2.0% (2.0%) |
政策金利 (前回の予測値) | 4.6% (4.6%) | 3.9% (3.6%) | 3.1% (2.9%) |
2024年度のGDP成長率は大幅に引き上げており、米国経済の先行きに楽観的な見通しを示していました。失業率も前回よりもやや低い設定となっており、米国の経済や雇用状態は好調を維持していくといった感じのようですね。一方で、PCE(個人消費支出)インフレ率は変わっていませんが。、コアPCE(個人消費支出)インフレ率は少し引き上げており、インフレは少し根強い可能性があるかもしれないと考えているようですね。ただ、それでも政策金利は4.6%と前回と同じ水準に据え置いており、年内に3回の利下げ想定を維持しています。
これを受けて、市場では6月に利下げをする可能性は75%にまで高まっており、7月までに利下げをする可能性は87%と高確率になっています。
経済状況や雇用状況が比較的好調を維持して状態のまま、インフレがやや落ち着いてきたタイミングで、利下げを行う事になれば、株式市場にとっては非常に好ましい相場環境となります。
現状の想定通りに6月に利下げに踏み切るようであれば、米国株には追い風になっていくことになりそうですね。
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