投資の世界において天才と称されているウォーレン・バフェット氏。そのバフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイにおいて、年に1回のペースでバークシャー・ハサウェイの株主あてに、バフェット氏が手紙を公開しています。
バフェット氏の考えが聞けるのは貴重だよね
私達投資家にとって役立つ言葉が散りばめられていると思います
では、2024年2月24日に公開されたバフェット氏の「バークシャーの株主への手紙」の一部抜粋したものをお伝えしていこうと思います。
キャピタルゲインの重要性を間違えないで欲しい。私達は、なぜ株式市場に巨額の資金を投入するのでしょうか?私が初めて投資をした1942年のダウ工業平均は100ドルを下回っていた。学生だった私の学校の授業が終わった頃には、更に5ドル下がっていた。しかし、それはやがて好転して、月日は流れ、今では38,000ドル前後で推移している。アメリカは投資家にとって素晴らしい国だ。投資家がすべきことは、株式市場の気まぐれな1日ごと、1年ごとの動きを織り込んだ株価に戻づいて投資価値を判断する事ではない。それは愚かな事である。
バークシャーの目標はシンプルだ。私達は、基本的には永続的で優れた経済性を享受できる事業を所有したと考えています。資本主義の中では、非常に長い間反映する企業もあれば、没落していく企業もあります。どれが勝者になるのかを予測するのは非常に難しい。そして、その答えを知っているという人は、大抵は自己欺瞞に陥っているか、偽薬のセールスマンである。バークシャーは、将来的に高いリターンで追加資本を投下出来る稀有な企業を好んでいる。このような企業を1つだけ保有し、ただじっと待つだけで、計り知れないほどの富を手にする事が出来る。
時折、経済的な混乱などによって、一部の大企業やファンダメンタルズ的に優良な企業の株式や債券が著しく誤った価格で取引される事がある。例えば、ITバブルやリーマンショックなどである。実際に株式市場では、これからもそういった事が起こる。株式市場の規模は、私たちが株式投資を始めたころに比べればはるかに大きくなっているが、今日のアクティブな投資家たちは、私たちが株式投資を始めたころに比べれば、情緒的に安定しているわけでも、教え方がうまいわけでもない。理由は何であれ、株式市場は私が若かった頃とは比べものにならないほどカジノ的な行動をとるようになった。今やカジノは多くの家庭に存在し、日々住人を誘惑しているのだ。金融生活で決して忘れてはならない事実がある。この言葉を比喩的な意味で使うのであれば、ウォール街は熱心な営業活動を行って、顧客に儲けて欲しいと思っている。そのような時にはどんな愚かな事でも株式市場に出回る。皆が愚かではないが、必ず誰か愚かな人がいる。
バークシャーの投資ルールは今も昔も変わらない。それは、資本を永久に失うリスクを冒さないことだ。アメリカの経済成長と複利の力のおかげで、生涯の内に何度かの良い判断を下し、重大な過ちを犯さなければ、これまでも、そしてこれからも報われるのだ。現在のバークシャーは、現金と米国債券のポジションを、従来の常識が必要と考える額をはるかに超えて保有している。リーマンショックの時にバークシャーは事業から生み出されるキャシュを使って凌いでおり、コマーシャルペーパーや銀行融資などには一切頼らなかった。私達は経済がマヒする時期を予測したわけではありませんが、そのための備えは常にしています。私達の慎重な姿勢は、要塞のような建物を耐火構造にして保険を掛けるようなものだ。しかしバークシャーは、株主に財政的なダメージを与えたくないのです。ゆえにバークシャーは長持ちするように作られているのです。
バークシャーは、長期的なポジションとして、コカ・コーラとアメックスを保有している。アップルのような巨額なコミットメントではないが、それぞれ7%ぐらいは保有している。両社は、長年にわたって無関係な分野への進出を試みてきたが、それはことごとく成功しなかったし、それによって経営不振にも陥った事がある。しかし、両社ともベースとなるコアビジネスでは大成功をおさめ、そのコアビジネスの強さは米国だけでなく、世界中に広がっていった。「液体の消費」と「疑う余地のない金融の信頼」へのニーズは、時代を超えて受け継がれている。そして、時代を超えて私達の世界の必需品となっているのだ。
私達は、アメックスもコークも1株たりとも売却していない。そして、2023年度には両社は、利益も配当も増加させて、私達に報いてくれた。アメックスもコークも2024年度もほぼ間違いなく増配するだろう。この2社よりも優れたワールドワイド・ビジネスを創造する事ができるだろうか? コカ・コーラやアメックスからの教訓とすれば、本当に素晴らしビジネスを見つけたら、それに固執する事だ。1つの素晴らしいビジネスがあれば、避けられない多くの凡庸な決断を相殺する事が出来る。
今年は、更に2つの投資について説明したい。コークやアメックスと同様、これらの投資も私たちのバークシャーのポートフォリオにおいてはアップルと比べるとそれほど大きなものではない。しかし価値のある投資なのです。2023年中にオクシデンタル・ペトロリアムと日本の超大手商社企業5社のポジションを増やすことができた。バークシャーは、オクシデンタルの買収や経営にはまったく関心がない。私たちは、オクシデンタルの米国における膨大な石油・ガス、また炭素固定化技術におけるリーダーシップを高く評価している。これらの活動はいずれもわが国の利益に大きく関わる。少し前まで、米国は外国産の石油にひどく依存していた。現在はシェールエコノミーによって、国内で生産が出来るようになり、外国の干渉を避ける事が出来るようになった。オクシデンタルは、米国の戦略石油備蓄(SPR)の全量に匹敵する量を生産する事が出来る。従来のように石油を外国に依存していたら、有事の際には戦略石油備蓄はすぐに底をつき、米国が正しい行動をとれるとは限らない。原油価格が今後1ヵ月、1年、10年の間にどうなるかは誰にもわからない。しかし、株主にとっても、米国にとってもオキシデンタル・ペトロリアムはとても貴重な存在なのだ。
バークシャーは、日本の超大手商社企業5社の長期的な持分を保有し続けています。各企業は高度に多角化された方法で経営しており、バークシャー自身の経営方法にやや似ている。バークシャーは現在、伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事の5社の株をそれぞれ約9%ずつ保有している。この5社は、従来の株主優遇政策よりもはるかに優れた株主優遇政策をとっている。日本での買付を開始して以来、5社とも魅力的な価格で発行済み株式数を減らしている。一方で、5社すべての経営陣は、自らの報酬について、米国で一般的な水準よりもはるかに積極的ではなく、米国の経営陣よりも安い水準で労働している。また、5社はそれぞれ利益の1/3程度しか配当に回していない。5社の巨額の内部留保は、多くの事業を立ち上げるためと、それほどではないが自社株買いのために使われている。バークシャーのように株式の発行に消極的である。そして、バークシャーにとってのもう一つの利点は、私たちの投資が、経営が良く、評判の高い5つの大企業と世界中で提携する機会をもたらす可能性があることだ。
いかがでしたでしょうか?私達、投資家にとっても大切な事が書かれていると思います。
バフェット氏の言葉は、何時の時代にも通用する内容だと思います。そして、私達投資家にとっては、常に心に留めておきたい言葉でもあると思います。
長く市場に留まり、そして多くの企業の行く末を見守ってきたバフェット氏の言葉は、一つ一つ重みがあると感じます。
- 長期投資の大切さ
- 相場を予測する事は誰にも出来ないという事
- 時々株式市場は企業の値付けを間違ってしまう事
- リターンに目を奪われて、愚かな行動に出てしまわない事
- 暴落を予測する事は出来ないから、備えは常にしていく必要性
- 世界に通用する素晴らしいビジネスを見つけたら、しっかりと保有する事
私も、投資を続けていく中で、多くの間違いを犯してきましたが、それでも今まで相場で生き残れてきたのは、こういったバフェット氏の言葉を少しでも取り入れてきたからだと思います。
株式市場が好調になると、ついつい目先の利益に目を奪われて、大切な事を忘れがちになりますが、バフェット氏の言葉を聞きながら、もう一度初心に帰って精進していきたいと思います。
さて、今回の内容は、YouTubeにもアップしています。動画でみると、ブログとは違う魅力などもあると思いますので、ぜひYouTubeの方も見てくださいね。
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