今回の大統領選挙は、民主党は現職のバイデン大統領、共和党はトランプ氏が大統領候補者として浮上してくると想定されています。バイデン氏とトランプ氏の一騎打ちになった場合、現状ではトランプ氏が当選する可能性が高いと言われます。高齢で指導力に不安があるバイデン氏よりも、自己中心的ではあるが熱狂的な支持者があり、強いリーダーシップを発揮するトランプ氏の方が消去法で選ばれるとされています。
暴れん坊のトランプ氏で大丈夫なのかな
どちらが大統領になっても問題がありそうだよね
トランプ氏が大統領になると混乱を生じるおそれがあるのですが、かといってバイデン氏が大統領になっても指導力が弱いと思えるし、もう少し良い人材がいないものなのかと個人的には思ってしまいます。
さて、そんな大統領選挙ですが、選挙前には株価は下落して、選挙後には株価が上昇していくと思われます。
今回は、トランプ氏が大統領になった場合に、相場や経済政策はどうなるかというお話です。
大統領選挙前
個性的で我が道を行くトランプ氏が大統領になると、従来の米国の政策を修正して、自分のやりたいように政策を変更する為、国政や外交において混乱が生じる可能性があります。なので、大統領選挙においてトランプ氏が優勢だと伝わると、株式市場はトランプ氏が大統領に就任する事で混乱が起こる可能性を嫌気して下がる展開になると考えられています。
大統領選挙は11月にあるのですが、9月や10月頃は米国株式が軟調な展開になっている可能性があります。
ただ、大統領がトランプ氏に決まると、トランプ氏は経済政策的には米国優先を主導していくので、それを好感して大統領就任後は株式市場は上昇していくと思われます。
トランプ氏が大統領に就任すると仮定して、その際の大統領選挙前はトランプ氏が引き起こす混乱を嫌気して相場が下落して、トランプ氏に大統領が決定した後は経済政策への期待から上昇していくというのがオーソドックスな相場の動きとなっていきそうです。
トランプ大統領誕生後に恩恵を受けるセクター
トランプ氏が大統領になった場合、どういったセクターに恩恵が及ぶのだろうか?
一番恩恵を受けるのは、製造業だと言われています。米国第1主義を掲げるトランプ氏は、米国への産業の帰還を推奨して、海外へ出ていっている製造業を米国国内へ戻す事を推し進めていきそうです。
特に、中国との関係においては強固な態度に出ると想定されており、中国への最恵国待遇の撤回を行ったりしながら、米中のデカップリング(切り離し)を進めていく方針です。また、中国からの輸入品に対する関税の引き上げにも積極的に関与する可能性が高いと言われています。
中国に対する投資や資本の流入に対しても規制や制限を掛ける可能性もあり、中国への輸出比率が高い企業は苦慮するかもしれませんね。
トランプ大統領の金融政策
金融政策においては、自分の思うように行動をしてくれないFRBに対して敵対心を持っており、前回の大統領就任時(2019年)にも景気減速の予防処置としてFRBに利下げを行うように強い圧力をかけており、利下げを拒否するFRBを繰り返し強く批判していました。最終的にFRBはトランプ大統領の要望通りに予防的利下げを行う事になりました。
今回もトランプ氏が大統領に就任すると、インフレを懸念して利下げを渋るFRBに対して、強く利下げを求めると想定されます。FRBは安易な利下げには反対の姿勢を持っており、トランプ氏が利下げを要求しても当初は突っぱねると思われますが、度重なる圧力によって前回のようにFRBが屈するようであれば、FRBが想定していた水準以上に何度も利下げを行う事になるかもしれません。そうなると短期的には利下げを好感して株式市場は大きく上昇すると思われます。
トランプ大統領の個別企業への介入
トランプ氏は、個別企業への過度な介入を行う可能性があります。特に危険視されているのがアマゾンです。
前回の大統領就任時には、国防省へのクラウド納入を巡って、トランプ氏が国防省へ圧力をかけて最有力候補であったアマゾンを外すように要求し、結果として国防省はアマゾンではなくマイクロソフトを選択しました。
これはその後にアマゾンが「トランプ大統領による不当な圧力があった」と訴訟を起こし、国防省は2年後の2021年にマイクロソフトとの契約を一旦白紙撤回する事になりました。
そして、2022年に国防省は再度契約を結び直し、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、オラクルの4社に分散して発注する事になりました。
最終的に、アマゾンは国防省のクラウド案件を受注する事となりましたが、当初はトランプ氏の介入と圧力によって契約が出来ない状況に追い込まれていました。
トランプ氏がアマゾンを嫌っていた理由は、創業者のベゾス氏が保有しているワシントンポストがトランプ氏に対して否定的な報道をする事が多く、それに激怒したトランプ氏はアマゾンを目の敵にするようになっています。このように、トランプ氏の個人的な感情によって企業の経済活動が妨げられる危険性があります。
まとめ
今回の大統領選挙は、バイデン氏とトランプ氏の争いなる可能性が高く、その場合にはトランプ氏が大統領になる事が有力視されています。
トランプ氏が大統領になるとすれば、選挙前には株価は下落基調になると想定されていますが、大統領選挙後は株価は上がっていくと考えられています。
大統領就任後は、利下げなどにも積極的であり短期的には株価上昇の後押しとなると思われます。ただ、国際的・外交的には混乱を生じる事もあると想定されており、強硬な姿勢が突発的な事態を引き起こす可能性があります。
また、一部企業にとっては必要以上に敵視される事も想定される可能性がある事から警戒が必要かもしれません。
個人的には、暴れん坊で自己顕示欲が強いトランプ氏が大統領になるのは避けて欲しいなと思うのですが、現状では大統領になる可能性が高そうですね。
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