米国株の株価は好調、このままいくのか？

年末年始辺りから米国株市場の株価は好調を維持していますね。今年（2023年）になってからみても、S&P500は3.4％の上昇となっており右肩上がりに移行しています。ダウ平均は少し精彩を欠いていますが、それでも0.7％の上昇となっているのでプラスリターンで移行しています。

年初から株価が上昇していると、今年は「いけるんじゃないかな」って気分になってきますよね。最初のスタートはイイ感じで動き始めたのですが、今年はどんな1年になるのだろうか。

去年は1年間を通して下落相場がずっと続いており、年間でS&P500は－19.4%と大きく下落をしており、多くの投資家達が散々な1年間だったと思うのですが、2年連続での下落は避けてもらいたいところですね。

さて、今回のお話はこれからの米国株市場の展開についてです。

米国株市場の連続下落のアノマリー

去年（2022年）はS%P500は約20％の下落となっており、大きな下落をした1年となっていたのですが、今年も1年間を通して下落した1年になったのであれば2年連続で下落するという事になります。

過去の米国株市場において、2年連続でS&P500などが下落した時はあるのだろうか？

過去100年間において、米国株市場が2年連続で下落したのはわずか4回しかなく、いずれも歴史的な出来事があった時に連続で下落している事になっています。

• 世界恐慌（4年連続下落）
• 第2次世界大戦（3年連続下落）
• 石油危機（2年連続下落）
• インターネットバブル崩壊（3年連続下落）

こうやってみると、米国株市場が連続で下落をするという事は意外と稀な感じであり、しかも連続下落をする時は後世からみると教科書に載るような歴史的な経済的な出来事があった時になっており、そのような時に株式市場が連続で下落するのも当然だと言えるような場面ですよね。

リーマンショックの時も前年のサブプライムローン問題から大幅下落をしていたから2年連続で下落していたような感じを受けるのですが、サブプライムローン問題が起こった2007年は10月までは順調に上昇していた後に下落が始まったので、2007年は大きく上昇した分を後半で帳消しにした感じで2007年の1年間は3％位の上昇で終っていたんですよね。

なのでリーマンショックの時は1年間を通してマイナス成長だったのは2008年だけなんですよね。ただ、その2008年の下落率はS&P500で38.5％と大幅下落しており、円高も激しく進行しており、114円から90円と24円も円高になっていたので、日本の投資家からするとダブルパンチの大幅下落だったので印象深いですよね。

さて、米国株市場が2年連続で下落をしているのは意外に少なく、過去100年間の間では4回しかありませんそして、2年連続で下落をしていた時には、1年目の下落幅よりも2年目の下落幅の方が大きくなるという悲惨な結果になっているそうです。

もしも、今年も米国株式市場が下落するとなると2年連続での下落となり、アノマリー通りの展開となるのであれば今年の下落率は1年目を越えて20％以上の下落をするという最悪の展開となるのです。

歴史的な出来事が起こったのか

今年の米国株式市場がどのような展開になるのかはまだ分かりませんが、もしも2年連続で下落するならば過去の例からすると歴史的な出来事が起こった（もしくは起こる）という事になりますね。

さて、後世のからみた場合、去年は歴史的な出来事が起こっていただろうか？

サッカーワールドカップで日本がドイツとスペインを連続で破った事は歴史的な出来事だと思うのだけど、まあ個人的な感想は置いておいて、普通に考えて去年に後世に残るような経済的・政治的・世界的・歴史的な出来事があったのかというと、誰でも思う事は1つだと思います。

「ロシアのウクライナ侵攻」

これにより、原油や天然ガス・穀物などの価格が乱高下して相場は荒れ、経済も混乱しましたよね。インフレが加速して、欧米はインフレ退治に四苦八苦して、政策金利を急ピッチでガンガンとあげるという荒治療を行っています。

日本にいると、インフレの足音は忍び寄ってきている感じはしますが、それほど大きく経済が混乱しているという感じでもなく、緩やかに不景気が訪れているような感じがするのですが、世界的にみれば去年の時点でなかなかの歴史的な経済状況だったと思います。

まとめ

今年はまだ始まったばかりです。これから米国株式市場がどう動くかは未知数です。

過去の歴史を紐解くと、米国株式市場が2年連続で下落する事は少なく、確率論からすると2年連続下落する確率は低い事になります。

ただ、米国株式市場が2年連続で下落するような時は歴史的な出来事が起こっており、去年にロシアのウクライナ侵攻のような歴史的な暴挙で世界的に経済が混乱してインフレが加速した事は歴史的な出来事でもある事から、アノマリー的に考えると連続下落をする要素があるという事になります。

2年連続で米国株市場が下落をするという事になると、2年目の下落は大きなものになるので、アノマリー通りの展開となると、私達投資家にとっては非常に厳しい1年間となりますね。

さて、アノマリーは横に置いておいたとして、今年の相場がどんな展開になるのかは皆さん各自で色々と想定していると思うのですが、皆さんの想定はどのような想定なのでしょうか？

私の想定は今年も下落すると予測しています。今年も下落をするという想定のもとで去年からキャッシュ比率を高めており、そのキャッシュを今年の前半（1月～6月）に段階的に使いながら、下がっていく局面で拾っていこうと思っています。

さて、今年がどのような動きになるのかじっくりと観察していきたいと思います。