含み益も複利で増えていく

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投資をしていると、「単利」と「複利」という言葉を聞いたことがあると思います。

最近、この複利という言葉が話題になっている事がありました。「含み益」には複利は付かないという意見が広く拡散しており、それをみて「含み益に複利は付かないのですね。勉強になりました」と返す方もおられました。

見解や言葉の定義の違いで意見が分かれるようですが、含み益も複利で増えていきます。

だからこそ、投資信託や個別株などは利益確定せずに長期保有する事が大切だと言われている訳です。

複利ってよく聞くけどあまり深く考えていないかも

では、複利についてみていきましょう

さて、今回は「複利」についての基本的なお話をしていこうと思っています。

目次

複利とは

「複利」という言葉は投資をしてれば、よく聞く言葉だと思います。複利の効果を確保する事が大切だとか、人類最大の発明が複利だとか言われていますよね。

アインシュタインが残した言葉で有名なのが「複利は人類最大の発明である。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を支払う」という言葉ですよね。

複利とはどういうものなのか。

複利とは
利子にも利子が付く事
複利にするためには利子を元本に組み入れて運用する事

複利の場合は、1年目に増えた利子を元本に組み入れて20%の利率を計算するので、2年目は1年目よりも利子が多く貰えるようになります。毎年これを繰り返すことで、利子の増加が多くなり、雪だるま式に増えていくというものです。元本が増えていくので、その分だけ利子の増加は増えますよね。

1年目利子20万円 → 2年目利子24万円 → 3年目利子28.8万円

まあ、これを逆回転したものが借金の利息であり、マイナスの複利みたいなものですね。

一方で、「単利」はどうなのかというと。

単利とは
元本にのみ利子計算を行う事
利子に元本に組み入れない事

単利の場合は、元本に加算することなく、常に元本の金額が一定になっています。なので、利子の金額も一定であり、毎年20万円を加算していくだけとなります。そのため、増加スピードは複利に比べると小さくなります。

単利と複利を比べたら、3年目の時点で「単利が160万円」で「複利が172.8万円」となっており、すでに12.8万円も差が開いている事になります。年数が経てば経つほど、この差は広がっていき複利の効果が大きく発揮されていきます。

含み益とは

投資をしていると含み益という言葉をよく聞く、よく使うと思います。特に、株式投資であれば含み益や含み損などの言葉を使う事は日常茶飯事だと思います。

含み益とはどういうものなのか

含み益とは
有価証券などが購入時よりも値上がりしており、もしも売却したら利益が出る状態の事

では、投資信託や個別株が毎年20%の利回りで運用できた場合で考えてみましょう。
(投資でこんなに上手く運用できる事はないけど、まあシミュレーションとして捉えてね)

株式や投資信託の場合、元本に含み益を加算した時価で考えていきます。預貯金とは違って、基本的に毎年同じ率でのリターンがある訳ではないのですが、分かりやすいように毎年同じリターンがあると仮定すると、含み益があれば時価は毎年増えていきます。時価が増えれば、その分だけその年に増える含み益は増加していく事になります。

なので、含み益も複利で増えていきます。

株式が雪だるま式に増えていくのは、含み益が加算されていって時価が膨れ上がり、翌年度には更に多くの含み益を生み出してくれるからです。そして、それを繰り返す事で加速度的に大きくなっていくという事です。

ただ、株式や投資信託が難しいのは毎年一定のリターンがある訳でもないし、場合によってはマイナスリターンがある事ですよね。なので、含み益や時価は増えたり減ったりと不安定です。マイナスリターンの時に複利効果が加算されると単利よりも減ってしまう事になります。

例えば、100万円を運用していて、1年目20%増加、2年目20%増加、3年目20%増加、4年目20%減少、5年目20%減少、という感じになったとしましょう。

種別1年目20%増加2年目20%増加3年目20%増加4年目20%減少5年目20%減少
単利120万円140万円160万円140万円120万円
複利120万円144万円172.8万円138.2万円110.6万円

複利を敵に回したら怖いね

複利は味方にしないといけないね

株式や投資信託は、預貯金と違って綺麗な右肩上がりの複利効果が出るわけではないです。ただ、預貯金とは違って大きなリターンを狙えることから長期的な運用においては高い効果が発揮されるとされています。

複利の定義とは

個人的には、どうだっていいと思っています。複利の内容さえ理解していれば複利の定義なんてどうでもいいと思っています。

複利とは、「利子に利子が付く事であり、利子を元本に組み入れて運用する事」という言葉だけを厳密に取るのであれば、利子がつく金融商品(預貯金等)にしか使わない言葉だと言えるのかもしれませんね。

ただ、一般的には複利の効果があるものを複利と呼びます。

複利の定義を含み益に置き換えてみると、「含み益に含み益が付く事であり、含み益を元本(時価)に組み入れて運用する事」とすれば、株式投資における複利の効果について分かりやすいのではないかなと思います。

もう少し柔軟に考えると、単利(単利計算)とは元本にのみ計算するもので、複利(複利計算)とは元本と増えたものを合わせて計算するもの、と考えればいいのだと思います。

利益確定せずに長期運用を行う

投資において基本なのは、利益確定をせずに長期的な運用を行い、出来るだけ複利の効果を高めるという事です。

何か使う必要があり(生活費等)、必要に駆られて利益確定をするのであればいいのですが、そうでないのであれば、何か他の銘柄や他の投資先に入れるために利益確定をしていると、その度に税金を取られてしまい非効率になります。

例えば、500万円の投資が上手く行って2倍になった場合に利益確定すると、利益の500万円に税金が20%掛かるので、100万円が税金として持っていかれてしまいます。1000万円あった投資資金が900万円にまで目減りしてしまいます。

なので、出来ればずっと保有し続ける事の出来る優良企業に長く投資を続けていく事が正解だと言われています。

ただ、分かってはいても、ついつい違う銘柄が魅力的に思えて、利益確定を繰り返しながら次の投資先へと進んでしまいますよね。私は18年間投資をしていますが、長期投資を志しながらも長期保有できた銘柄でも最長で10年間です。その銘柄もすでに売ってしまっています。

長期投資って意外に難しくて、適時銘柄を入れ替えている人が多いのではないでしょうか。

インデックス投資が万人向けで長期投資に向いているというのは、個別株と違って業績の状態を気にすることなく保有していけるからなんでしょうね。なので、複利の効果を活かしながら長期投資をするのにはインデックス投資って最適でもあると思います。

投資は、長期的に運用しながら元本を膨らましていって複利の効果を重ねていく事で大きく増えていきます。そして、それこそが投資の醍醐味なのだと思います。

  

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