6月12日に新規上場(IPO)する事となったイーロン・マスク氏が率いるスペースX。日本からでもIPOに参加できるという事で投資家の間で話題になっていますね。私もスペースXのIPOに申込しました。スペースXは超大型企業であり、上場すると同時に時価総額が世界のトップ10位内に入るのが確実視されています。これほどの巨大企業の上場というのは過去にあったのだろうか? という事で、過去にIPOと同時に時価総額トップ10に入った巨大企業を確認してみようと思います。

過去最大と言われているスペースXは、どの程度の規模なのだろうね



では、過去の巨大IPOを確認してみましょう
近年で有名な巨大IPOはサウジアラムコですよね。サウジアラビアの巨大石油企業で世界最大の原油生産量、原油埋蔵量、原油輸出量を誇っている超巨大企業です。他には、ニューヨーク市場に上場したアリババや香港・上海市場に同時上場した中国工商銀行、そして古くは中国最大の石油メジャーのペトロチャイナなどが巨大IPOとして有名です。
では、それぞれの企業の上場時の時価総額金額と上場初日の株価上昇率、上場時の時価総額順位を確認してみましょう。
| 上場時の状態 | 時価総額金額 | 時価総額順位 | 初日の株価上昇率 |
|---|---|---|---|
| サウジアラムコ | 1.7兆ドル | 世界1位 | +10% |
| ペトロチャイナ | 1.0兆ドル | 世界1位 | +163% |
| 中国工商銀行 | 25000億ドル | 世界5位 | +14% |
| アリババ | 2300億ドル | 世界10位 | +38% |
| スペースX | 1.8兆ドル | 世界8位ぐらい | ??% |
過去の超大型IPOと比較すると、確かにスペースXは最大規模なのが分かると思います。サウジアラムコはリヤド市場(サウジアラビア)、ペトロチャイナや中国工商銀国は香港市場や上海市場なので、米国市場での超大型IPOはアリババ以来となるので、アリババの規模からすると数倍規模の超巨大IPOになりますね。
ただ、意外なのはサウジアラムコとスペースXは、それほど時価総額自体は大差がないんですよね。ほぼ同じ規模のIPOとなります。ペトロチャイナも1兆ドルだったので、この3つのIPOは別格だったという事ですね。
では、単純にサウジアラムコのIPOと同じ様に考えればいいのかなと思ったのですが、実はサウジアラムコとスペースXではIPO調達額が違うんですよね。サウジアラムコの 290億ドル(4兆6000億円)に対してスペースXは 750億ドル(12兆円)と、2.6倍ぐらいの差があるんです。
同じぐらいの時価総額なのに、IPOの調達額がなぜこんなに違うのか? それは、浮動株(市場に流通する株式)の割合が違うからです。通常のIPOであれば、全体の発行済株式に対する浮動株の割合は 10%~20%ぐらいです。スペースXの浮動株の割合は 4.2%ぐらいとなっていて普通のIPOに比べればかなり低く抑えています。しかしながら、サウジアラムコは更に低く 1.5%程度しか放出しませんでした。
なので、サウジアラムコとスペースXは同じ規模の時価総額となっていながら、IPO調達額が違うのですよね。なので、スペースXが過去最高の巨大IPOで調達額が史上最大規模に大きいと騒がれているのは、サウジアラムコでさえ290億ドルだったのに、更にそれよりも2.6倍も大きい 750億ドルを調達しようとしているからなんですよね。
では、この 750億ドルという規模は当時のサウジアラムコと比べると過大な供給なのだろうかというと、そうでもないと私は思っています。
それは、当時(2019年)のサウジアラムコは上場と同時に世界の時価総額トップに躍り出たからです。当時は、サウジアラムコの 1.7兆円がアップルよりも高い時価総額であり、時価総額世界最大の企業だったのです。今、スペースXはサウジアラムコと同規模の時価総額でありながら世界最大の時価総額ではなく、世界でも7位~8位ぐらいの規模です。
現在、世界最大の時価総額を誇っているエヌビディアは 5兆ドルの時価総額となっています。なので、スペースXの時価総額 1.7兆ドルは世界1位の時価総額には遠く及ばす、2.9倍の差がある状態となっています。今の時価総額の規模では当時のサウジアラムコのように世界1位の座には届かないのです。
当時のサウジアラムコの市場規模と現在のスペースXが上場する際の市場規模に差があるので、単純にサウジアラムコが 290億ドルの調達金額でスペースXが 750億ドルだから過剰すぎるという訳でなく、調達金額は 2.6倍の差があるけど、時価総額1位の金額差も実は 2.9倍ほど開いているんですよね。
では、単純に当時のサウジアラムコが上場した時よりも時価総額世界トップとの差が 2.9倍も開いているから、調達額の差が 2.6倍ぐらいだったら、時価総額の差と調達額の差を考慮して、同じ規模の調達額ぐらいな感じになるのかなと思うと、ここはちょっとだけ違うのかもしれませんね。
株式市場全体の市場規模(時価総額)で考えた方がいいかなと思うので、2019年の世界の株式市場の市場規模と2026年の世界の株式市場の市場規模を比較してみると、2019年は 89兆ドルで、2026年は 159兆ドルなので、約1.8倍ほどとなります。
調達額の差は 2.6倍。市場規模の拡大は 1.8倍。なので、やはりスペースXの調達額は当時のサウジアラムコの調達額の規模よりも少し大きい感じとなりそうですね。
ただ、時価総額トップのエヌビディアが5兆ドルとなっていて、当時(2019年)の時価総額トップよりも 2.9倍も増えているのをみても分かるように、現在は上位の企業に資金が集中しやすい環境となっています。それを考慮すると、スペースXの調達額は確かにサウジアラムコよりも多いが、世界の株式市場の市場規模の拡大や巨大企業への資金の集中度を考慮すると、あまり大差がない程度になってくるのではないかなと思います。
サウジアラムコは、当時世界最大の時価総額となるほどの超巨大IPOであり、調達額も当時史上最大だったにも関わらず上場初日の株価は10%ほど上昇しました。スペースXも確かに調達額は巨大ですが、資金の集中度や熱狂的なファン層などを考慮すれば、流石に初日はサウジアラムコのように上昇すると思っています。
ただし、あくまでも上場初日は好調な株価で推移すると思っているだけで、その後はどうなるかなんて全くの未知数だと思いますよ。


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