米中の関税交渉が決裂しない理由

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米国と中国の関税交渉が続いていますね。両国間だけでなく他の国も米国と中国の対立が続くと巻き添えを食らう事になるから上手く交渉が纏まる事を期待しながら推移を見守っている感じですね。中国は世界の工場としてあらゆるものを生産しており、グローバルサプライチェーンの最重要拠点です。

中国に依存している企業は多いよね

あらゆる企業が中国で生産しているよね

かつては安い人件費を武器に世界の工場として君臨していた中国。しかし現在では人件費はそれほど安いというほどでもなく、中国よりも安い人件費を持っている国々は沢山あります。それでも、中国での生産が主流なのはなぜなのだろうか。

それは中国が今まで築き上げてきた複数の複合的な競争優位性があるからです。

中国では広大な土地を活かして大規模な工場を立ち上げ、しかも鉄鋼やレアアースなどの原材料も豊富にあり、製造に必要な原材料から組立、検査、輸送までが地理的に近接している事から、調達コストや時間が極めて小さくて済みます。

特に、スマホやEV、自動車部品などは特区となっている深セン周辺などでは2時間で必要なものを全て揃える事が出来るぐらい集約しています。

昔の中国は、安い人件費を武器に安価に製品を製造していましたが、その過程において、国を挙げて高速鉄道、港湾、高速道路、電力網などの物流・電力インフラを整備していき、長い年月をかけてこれらのインフラ設備は先進国並みかまたはそれ以上に発展しています。製造業にとって欠かせない安定した電力供給や広域物流網が高度に整っているのです。

そして、時代が進んで行き、工場なども単純作業から高度な熟練度が必要な作業が増えていきました。数十年にわたって蓄積された技術移転と人材教育の成果によって、CNC加工、ロボティクス、半導体製造、精密組立などの技術を習熟した技術者層が非常に厚くなっています。

そして、工場の規模も非常に大きく、大量生産によるコスト削減が可能となっていて、グローバルな大企業にとっては、数十万人を動員できる製造能力は他国では再現困難となっているのです。ベトナム、メキシコなどが「次なるチャイナ」として注目されていますが、サプライチェーンの深さ・広さ、インフラ、人的資源ではまだまだ追いついていないのが現状です。

中国の製造優位は、単なる人件費の安さではなく、数十年の投資の積み上げによる「製造エコシステムの完成度」が他国をはるかに凌駕しているという事なのです。もちろん、政治リスクや人件費の上昇などのよって、一部の工場などが移転しているのも事実ですが、完全な代替えには非常に時間とコストが掛かる事から、中国からの撤退や中国の代替えをすぐに用意する事は不可能となっているのです。

暫くは、中国のグローバルサプライチェーンとしての優位性は揺るぎようがなく、多くの国々が中国の製造能力に依存しており、米国と中国の決定的な決裂は世界経済を大混乱に陥れる事から、関税交渉においても米中が決裂する事はないと思われます。

それぞれ両国ともに自国民に対するメンツなども有る事から、多少のゴタゴタはあるにせよ、いずれ関税問題は決着するので、株価が動揺したとしても様子見で大丈夫です。

   

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