パナマ運河の何が問題なのか?

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連日精力的に動いているトランプ大統領。様々な国々に貿易戦争を吹っかけているかと思えば、パレスチナ自治区のガザをアメリカが所有する(住人は別の国に移動させる)とか言い出したりと、やりたい放題のトランプ氏。何事もいい方向に転べばいいのだけど、やり過ぎて手痛いしっぺ返しを食らわないかとハラハラするよね。

極端な事をして景気に悪影響を及ぼさないかと心配になるよね

大胆で実行力があるのはいいけど、極端な事は避けて欲しいよね

そんなトランプ氏の発言の中で話題になっているのが、「パナマ運河をアメリカに取り戻す。パナマ運河の管理権を取り戻すために軍事行動や経済措置を取る可能性を排除しない」と話している事だよね。

他国の物(管理しているもの)を強制的に自国に取り込むというのだから穏やかではないよね。元々、パナマ運河はアメリカが費用を掛けて開発したのだけど、その後にパナマに返還されることになり、現在はパナマが管理していますよね。

では、パナマ運河の何が問題なんだろうか? 

パナマ運河を通行する事によって、北大西洋(メキシコ湾)から北太平洋へスムーズに移動する事が出来ます。パナマ運河が使えなければ、南米大陸を大きく迂回しないと北太平洋には行けません。これは、経済・軍事的に大きな意味を持ちます。

現在、パナマ運河はパナマが管理していますが、徐々に中国の影響が強くなってきています。

中国は、「一帯一路」という政策を進めており、他国のインフラ整備を資金的に支援する代わりに見返りとして中国の影響力を強めようとしています。パナマにおいても一帯一路を結んでおり、パナマは台湾と断交して中国と外交関係を強化しました。

「一帯一路」が問題視されているのは、発展途上国へ資金援助をする際に借金の肩代わり(もしくは返済不能なほど貸し付け)させて、湾岸地帯などの土地や施設を中国が借り受ける(もしくは奪い取る)事が行われている事です。

パナマ運河においても、中国系企業が管理権を有している場所があり、パナマ運河の両端であるバルボア港とクリストバル港は香港企業が運営権を握っています。そして、これらの企業がパナマ運河に開閉式の橋を架ける開発を始めており、実際に橋が完成してしまうとパナマ運河を封鎖する事が可能となります。

何かしらの有事の際に、中国企業がパナマ運河を封鎖してしまうと、米国の軍艦などはパナマ運河を通行できずに大幅に迂回する事となり、軍事的に由々しき事態になってしまいます。実力行使をしてパナマ運河に掛かる橋を爆破したとしても、破片等が川底に堆積して船舶の通行を阻害するようであれば、それを除外するにも時間が掛かる事から、どちらにせよ迅速な行動が不可能という事になってしまいます。

なので、トランプ大統領は「パナマ運河は中国ではなく、パナマに与えた。パナマは協定に違反し、完全に協定を破棄した」と発言してパナマ運河の返還を訴えているわけです。

これに対して、パマナのムリノ大統領は「パマナ運河を返還する事はない」とトランプ大統領の要求を退けてはいますが、「中国との一帯一路は契約が切れる来年度から更新する事はない」と中国との関係解消を訴えて、トランプ氏の機嫌を損ねないようにしているようですね。

米中の貿易戦争における話し合いの交渉においても、このパナマ運河の問題が取り上げられるみたいですが、自国の影響を残したい中国と自国の安全保障上看破できない米国との間で熾烈な綱引きが行われそうですね。

こうやって考えてみると、トランプ氏の「パナマ運河を奪還する」という発言も、過激で極端な発言ではあるけれども、一定の理に適っている(米国にとっては大切な事)というのが分かる気がしますね。

トランプ大統領は極端で強引な所もあるのだけど(個人的には好きではないのだけど)、こういった自国を思って実際に行動する点は日本の政治家にも見習ってほしいなと思う部分でもあるかな。

    

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