11月に入ってからは好調を維持している米国株市場。消費者物価指数が鈍化していた事もあり、FRBによる利上げは打ち止めとなり、今後は現状の金利をどこまで続けるのかが焦点になっているというのが市場関係者の想定のようです。
インフレがこの調子で落ち着いてくればいいよね
何か突発的な出来事がなければ、もう金利を引き上げる事はなさそうだね
金利の引き上げは現状の水準で終了という事になるようであれば、長期金利もこれ以上はあがることがないだろうから、株式市場にとっては有難い状況となります。
今後は、いつ利下げをするのか?という事が焦点となっていき、景気が鈍化していくスピードと金利を引き下げるタイミングがスムーズに行くのかが重要となっていきます。
政策金利の上昇が終わり、利下げへと移っていく事で、相場は上昇基調となりつつありますね。
楽観は次なる急落を引き起こす
利上げが終了したという想定が大半を占めており、現状の金利水準を維持するという予測が99%以上となっている事から、一時は5%を超えていた長期金利も低下してきており、株式市場は楽観的な雰囲気になっています。
今後は、年末に向けてジリジリと上昇していきそうな感じなのですが、楽観的になればなるほど、あとあとで急落を引き起こす要因となっていきます。
今はまだ恐る恐る上昇相場に飛び乗っていくという感じですが、これがこのまま上昇を続けていくと、「今買わないと損だろう!」という雰囲気が高まり、楽観論が強まっていきます。
そうなると、その時点が一旦は天井となり、次なる下落へと誘っていく事が多いです。
逆のケースも同様の事がいえます。下落が続き、「まだまだ下がる!」という雰囲気が強まった時などは、暫くすると反発していって、上昇していくという事が多かったりします。
何事も、多くの人々が楽観的もしくは悲観的な意見が多くなってくると、そのあたりが天井や底となる事が多いです。
今年のケース
今年の相場で考えてみると、年初から調子よく上昇していた相場は3月になると急落を始めていきます。
この頃に何があったのかというと、シリコンバレー銀行の破綻をはじめとする金融不安が高まっていた時期です。そして、世界有数の巨大銀行であるクレディスイスの破綻危機です。クレディスイスは、プライベートバンキングでは世界3位、世界の銀行ランキングでも43位という世界的な銀行です。これらの銀行の経営が大きく揺らいでいた事で、株価にも動揺が走りました。
ただ、株価が下っていたのは、ちょうど金融不安が強まっていた時で、その後は上昇に転じています。
金融不安を乗り切ったS&P500は、順調に上昇していき、底値から20%上昇した事によって強気相場入りとなります。強気相場になると市場の雰囲気は強気に傾き、暫くは上昇していましたが、ある程度上昇した後は下落を始めていきます。
8月に始まった下落は、9月になっても続いていき、10月も下落基調が続いていくと、「そろそろ暴落が始める」という意見もチラホラと出てきました。長期金利は上昇を続け、ついには5%台と突破すると市場の雰囲気は弱気一辺倒となり、ダウ平均・S&P500・ナスダックともに200日移動平均線を下回ると、その後も下落を続けていくという空気が強まりました。
しかしながら、多くの投資家の雰囲気が弱気に傾くと、天邪鬼な相場は逆方向に動いていきます。
まだまだ下落が続くのではないかという雰囲気が強かった10月末から株価は上昇を始めていくようになります。
まとめ
株式市場は、市場の雰囲気が偏っていくと逆の動きをするようになります。
強気な雰囲気が高まっていったり、弱気な雰囲気が高まっていった時などは、その時点(そのあたり)が天井や底だったりする事が多く、相場の雰囲気や投資家の想定とは逆の方向へ株価が動いていく事があります。
11月に入ってからは米国株式市場は上昇基調となっており、利上げが終了したという雰囲気が高まっている事から暫くは上昇が続いていくのではないかと思われます。
ただ、上昇がある程度続いていき、「まだまだ上昇が続いていく」という雰囲気が高まっていくと、その相場は終わりを告げて、ひとまず下落相場へと移行していきます。
どうしても相場が上昇していると楽観的になってしまうし、私も上昇が続くと嬉しくなって楽観的に見てしまいます。しかしながら、上昇が続いていった時は、あまり楽観的になり過ぎずに、淡々と相場を眺めていけるようにしていきたいですよね。
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