サーム・ルームが発動した

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8月5日には日本株市場が前代未聞の大暴落しましたね。日経平均株価は、前日比4451円下落(12%下落)するという大暴落となり、下落幅はブラックマンデーを超えて史上最大、下落率でも史上2位という非常に衝撃的な結果となりました。そして、翌日の8月6日には、暴落を取り返すかのような急反発となり、今度は史上最高の上昇幅となる大暴騰となっていましたね。

私達投資家は、歴史的な瞬間に立ち会ったね

史上最大の下落と史上最大の上昇、激し過ぎるよね

これほどまで日本株市場が動揺したのには複数の要因が合わさっていますが、米国経済が急激に悪化した事も大きな要因の1つとなっています。そして、米国経済がリセッション(景気後退)に陥ったのではないかという懸念が高まったのには、サーム・ルールが発動したからという事もありました。

サーム・ルールって何?

私も初めて知りました・・・

サーム・ルールとは、2019年にFRBのエコノミストであったクラウディア・サーム氏が提唱したもので、「失業率の3か月移動平均が、過去12か月の最低値を0.5%ポイント上回る場合、米国が景気後退に陥っている可能性が高い」というものです。昔からある法則ではなく、近年(2019年)に提唱されたものみたいですね。

実際に、1950年以降に発生した11回の景気後退すべてでサーム・ルールは発動しており、そのうち10回はサーム・ルール通りに発動すると景気後退になっていました。唯一、外れていた1959年でさも、サーム・ルールが発動した時点では景気後退になっていませんが、サーム・ルールが発動した5か月後には景気後退に陥っており、サーム・ルールが発動すると超高確率で景気後退になると言われています。

「サーム・ルールの発動と景気後退のチャート」

今回は、先日の失業率が4.3%となっており、これによってサーム・ルールの発動基準を満たす形となっている事から景気後退に突入しているのではという懸念が高まったようです。

通常、景気後退の判断は様々な経済指標を基に確認して発表するため、正式な景気後退の判断が下されるは景気後退が始まってから1年近くが経過してからとなってしまいます。そのため、今、景気後退が起きているのかどうかを判断する1つの基準としてサーム・ルールは提唱されました。

ただし、サーム・ルールはあくまでも今(現時点)において景気後退が起こっているのかどうかを判断する指標であり、逆イールドのように景気後退の先行き(景気後退の事前予測)を判断するものではないです。

さて今回、景気後退の判断基準とされているサーム・ルールが発動したのですが、では実際に現時点で景気後退が起こっているのかどうかという点について、サーム・ルールの発案者であるクラウディア・サーム氏は先日このように述べています。

「米国はまだリセッション(景気後退)に陥ってはいないが、それに極めて近い」

クラウディア・サーム氏は、今年の初めごろにサーム・ルールが外れる事があるとすれば今回(今年)がその時かもしれないと述べており、今回(今年)にサーム・ルールが発動しても景気後退にはなっていない可能性を示唆していました。

その理由は、雇用統計における解雇率は低下が続くなど、足下の失業率上昇は企業が人員削減を進めているというよりも、労働力人口拡大による影響が大きいとみられており、移民が急増したことを含む労働力における劇的な変化が、以前の景気循環では、見られなかったような形で失業率の変化に影響を与えているようです。

なので、サーム・ルールが発動したからといって景気後退に必ずなっているというわけではないのですが、景気後退の判断は後になってからでないと分からない物なので、それを事前に図る物差しとしてサーム・ルールは活用されており、今回は失業率の急速な上昇とサーム・ルールの発動、そして他の経済指標の弱さなどが合わさって危機感が高まっているみたいです。

FRBのパウエル議長が7月31日のFOMC後に行った会見でもサーム・ルールについての質問が記者から出たほどなので、サーム・ルールはFRBや経済関係者にとって有名で重要な指標の1つとなっているようですね。

現時点では、景気後退はまだ起こっていないのではないかとされていますが、急速に景気は悪化している懸念があり、ちょっとのつまずきで経済や株価が急変する可能性があるので、今後は相場が激しく上下に動くボラティリティが高い相場が続くかもしれませんね。

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