バラ色の新興国はない

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新興国投資。かつて私も虜になった新興国投資。「高成長」「未来の大国」「有望市場」「爆益」などなど、様々な言葉で語られ、多くの投資家がその未知なる市場へと旅立っていく。

未知の大陸を開拓する冒険者のように、ジャングルの奥にある財宝を目指して今日も投資家達が未知の市場へと繰り出していく。

お宝にたどり着きたいよね

夢がある投資って楽しいよね

夢がある投資とも言えますが、まさに夢のままで終わってしまう事もあります。

そんな新興国投資についてのお話です。

目次

新興国への投資

いつの時代も新興国の株式市場は希望に満ち溢れている。労働人口の増加や経済の発展、市場の拡大など新興国ならではの成長性への理由があり、それぞれが確かに将来の成長性を担保しているように思われる。

だが、本当に新興国は将来性があり、その市場の株価は上昇していくのだろうか?

もちろん、そのような市場もあるだろうけれども、全ての新興国が等しく成長するわけでもないし、また有望だと思われている新興国ですら思ったよりも成長しない事もあるだろう。

新興国の主なものを確認してみよう。

「代表格」 
中国
インド
ブラジル
ロシア

「アフリカ地域」
ナイジェリア
エジプト
南アフリカ、

「中東地域」
サウジアラビア
イスラエル
アラブ首長国連邦

「東アジア地域」
インドネシア
ベトナム
カンボジア

「南アメリカ地域」
アルゼンチン
チリ

これらの国々が新興国と呼ばれており、世界中に新興国は存在する。

代表的なものをあげただけであり、ここに上げた国以外にも新興国と呼ばれている国はまだまだあり、韓国やトルコなども新興国にあげられる国として有名である。

作られていく新興国

世界各地に多く存在する新興国。その中でも代表格、ボスキャラとして存在感を発揮している国々がある。それが中国とインドですよね。

中国やインドは、1人当たりのGDPはまだまだ低いが、国全体でみれば、世界のGDPランキングにおいてトップレベルに位置しており、中国は世界2位、インドは世界4位なので、もはや新興国と呼んでいいのだろうかという規模とレベルになっていますね。

新興国は先進国にはない高成長が魅力でもあり、経済発展が遅れているために今後の伸びしろが大きいと言えるのだが、安定して長期成長を続けていけるわけではない。

一方で、先進国は低成長でもある。これは逆に言えば安定した持続的な成長性があるとも言えるわけである。

さて、新興国に投資する場合に注意をしないといけないのは、新興国を積極的に推しているが金融機関や投資銀行だったりする事が多いということです。

リーマンショック前から投資をしている方であれば、「BRICs(ブリックス)」という言葉に懐かしさを感じるのではないでしょうか。また、その後は「NEXT11(ネクストイレブン)」や「VISTA(ビスタ)」、「CIVETS(シビッツ)」などという言葉が投資界隈に流れていきました。どれもが投資銀行や金融機関が作り出した造語です。需要を絞り出す為に生み出した言葉であるとも言えます。

金融機関が作り出したワード

「BRICs(ブリックス)」「NEXT11(ネクストイレブン)」「VISTA(ビスタ)」「CIVETS(シビッツ)」

これらの言葉は、成長著しい新興国の頭文字などから名付けられたものです。

「BRICs」は有名なので知っている人も多いと思います。

ブラジル(Brazil)
ロシア(Russia)
インド(India)
中国(China)

こららの4つの国々の総称です。それぞれの頭文字をとって付けられた新興国グループであり、一時はプチブームになった投資先として有名ですよね。

次は「NEXT11」をみてみましょう。

韓国
トルコ
イラン
エジプト
メキシコ
ベトナム
フィリピン
パキスタン
ナイジェリア
インドネシア
バングラデシュ

「BRICs」の人気が衰えてくると次に話題にあがっていったのが「NEXT11」ですよね。上記に記載している11カ国を集めて作った総称です。単純に、ブリックスの次に成長するであろうと言われている11か国をまとめてグループにしたという事になります。

次は「VISTA」をみてみましょう。

ベトナム(Vietnam)
インドネシア(Indonesia)
南アフリカ(South Africa)
トルコ(Turkey)
アルゼンチン(Argentina)

「VISTA」は、上記の国々の頭文字を合わせた総称です。ネクストイレブンと近い感じですが、ネクストイレブンの中でも成長性が高いと言われている国々と、ネクストイレブンには含まれていないが高成長が期待できる南アフリカなどを加えた新興国グループです。

最後は「CIVETS」です。

コロンビア(Colombia)
インドネシア(Indonesia)
ベトナム(Vietnam)
エジプト(Egypt)
トルコ(Turkey)
南アフリカ(South Africa)

これらの6か国の総称です。

「ブリックス」や「ネクストイレブン」ぐらいまでは私も把握していましたが、「ビスタ」になってくると辛うじて聞いたことがあるぐらいで、最後の「シビッツ」になってくると聞いたことがないぐらいになっていきます。

それくらい次々と新しい新興国グループが誕生していくのです。

新興国投資の罠

こうやってみると、いろんな新興国グループがあるものですよね。そして、それらを創り出す事で新しい投資信託や投資ファンドなどを産み出し、新しい集金マシーンを作り上げているとも言えるのです。

「次なる期待の成長国」「第2の中国株」「未来に輝く新興国」などと煽られると、ついついどんなものでも上昇し続けていくものだと思えてしまいますよね。「20年前の中国株に投資をする事が出来たとしたら・・・」といった煽り文句もチラホラと見かける事があります。

確かに、新興国は成長性があるし、長期的な高成長が期待できる可能性は高いと思います。ただし、波は非常に荒いし、経済成長を続ける事が出来たとしても、それがしっかりと株価に反映されるとは限りません。また、為替が不安定で為替を考慮すればあまり儲かっていないなんて事も起こり得るかもしれませんよね。

それに、世界的な金融不安や世界同時株安、世界不況などが起こった際には、まっさきに資金が抜けていくのが新興国市場であり、上がる時は上昇力が強いけれども、一旦下落し始めるとバケツに穴が開いたようにあっという間に資金が逃避していきます。

ノンビリと様子を見ているなんて事をしていると、高波をもろに被って溺れてしまう事にも繋がまりかねません。

なかなかとリスキーな市場でもあります。

まとめ

投資においては、キャッチーなネーミングが付いている時点で少し疑ってかかる必要があると感じます。

最近では、テーマ投資なども手を変え・品を変え、様々な金融商品や投資信託を出してきますよね。盛り上げりそうなテーマを見つけると、それらしく煽りながらガンガンとプッシュしていきます。

それが廃れると、また次なるテーマを探し出してきて、「これからは○○の時代ですよ」と言って、大々的に売り出しますよね。

本当に商売が上手いな~と感じます。そして、それが本当に未来永劫に渡って成長するのではないかと思えるような綺麗な資料とデータを揃えてくるので、ついつい乗っかりたくなりますよね。

あれもこれもという感じで、どれもが成長して成功するとは限らないです。というよりも、本当に長期的に成長する市場や企業なんて、ほんの一握りだけです。

新興国や新興市場、新規テーマなどは夢が溢れていますが、気を付けておかないと、商売の上手い金融機関などに自分の夢とお金を持っていかれるかもしれませんよ。

   

さて、今回の内容は、YouTubeにもアップしています。動画でみると、ブログとは違う魅力などもあると思いますので、ぜひYouTubeの方も見てくださいね。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • リーマンショック前からインドの個別株に投資をしたいのですが、日本の証券会社を利用しては投資ができないので現時点でインドの個別株に投資ができない状況です。(アメリカのADRは別です)
    インドに投資をする投資信託は買う気が無いので、いつの日かインドの個別株に日本の証券会社で投資ができる日を待つばかりです。(永久にそのような日が来ないかもしれませんが…。)
    外国資本の証券会社で取引をする気が無いので、私は現時点ではインドの個別株に投資をするのをあきらめています。
    新興国市場は魅力的ですが、平気で新興国市場の株価が暴落をするので、かなりリスクがありますよね。
    その様なことは分かっているのですが、私はインドの個別株に今でも投資をしたいです。(苦笑)

    • こんにちは、せいさん。

      日本の証券会社からインドの個別株に投資できるようになったらいいですよね。
      中国株や米国株なども人気が出てきたことから日本の証券会社でも取り扱えるようになったので、いずれは取扱いが開始される事を期待しています。
      現状では、個別株はADRになるのですが、ADRの方も個人的には魅力的な銘柄がなくて、インド株への投資は私もしていません。
      いずれ、インド株への投資が日本の証券会社から出来るようになれば、私も投資したいなと思います。

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