「未公開株投資」・・・少し魅力的な響きも感じられる反面、危ない匂いもプンプンとする究極のデンジャラスゾーン未公開株投資。
今まで投資をしてきた中で、1度だけ未公開株に投資が出来る機会がありました。
未公開株・・・怖いもの見たさがありますよね
基本的には触らぬ神に祟りなしだよ
普通に生活をしていれば、未公開株に投資する機会やお話が舞い込むことなどはないと思います。
今回は、そんな未公開株についてのお話です。
とあるブロガーの報告
今から15年以上も前の話ですが、私が中国株に投資をし始めた頃に、とあるブロガーが未公開株投資についての記事を書いていました。
そのブロガー(仮にAさんとします)は、香港企業の未公開株に50万円を投資してみたとブログに書いていました。
そして、その話題は中国株コミュニティーの間に拡散されて、一時話題になっていました。
Aさんのブログには、香港企業の未公開株を50万円購入した事、香港から送られてきた未公開企業の関連書類や未公開株の株券(当時は、まだ株券の電子取引が行われておらず、紙の株券が発行されていた)の写真などをブログにアップしていました。
当時はSNSなどもほとんどなく、未公開株に興味を持った読者はブログのコメント欄に書き込みをして、「どうしたら未公開株に投資が出来るのか?」を質問していました。
Aさんはコメント欄の質問に対して、ブログでも回答を公開していました。
- 現在は申込期限が過ぎてしまっている事
- 香港に取扱事務所があり、期間限定の募集であった事
- 知り合いの知り合いみたいな人から紹介されて1口50万円だけ投資した
- 未公開株なので上場するとは限らず、公開しない(上場しない)可能性もある
- 公開しなかった場合は数パーセントの事務手数料が引かれるが元本の大半は戻ってくる
- 公募価格より安く手に入るが上場初日の値動きが大幅下落の場合もあり必ず儲かるとは限らない
このような内容の未公開株だったようで、リスクはあるが公開しなかった場合は事務手数料だけで解約(売却)出来る点と、公募価格よりも安く手に入ると言う事で、ブログのコメント欄には買いたいという人からの質問が結構ありました。
Aさんは、「申込期限が過ぎているから無理だと思うけど、担当者に確認してみる」とブログに書いて、その日のブログは終了しました。
追加募集
数日経ってから、Aさんのブログに進展がありました。
担当者が調整をしてくれたようで、「どうしてもというのであれば1口50万円だけで数人分はなんとか用意が出来る」と担当者が言っていたらしく、仲介をするので挑戦したい方は私に(Aさんに)連絡してを下さいとブログには書いてありました。
何人かの方はAさんに連絡を取って未公開株への投資を申し込んだようですが、数人しか枠がないため、多くの人は応募する事が出来ず、コメント欄には「追加応募に間に合わず、残念でした」というコメントが多数ありました。
Aさんは、再び担当者と相談を行い、担当者側から「そんなに需要があるのであれば、ある程度までは枠を増築するので、1人1口50万円までだけど、人数は出来るだけ応募できるように取り扱います」との回答を受けて、再びブログに「追加募集が出来るようになりました」と書いていました。
そして、Aさんは担当者と募集した人の橋渡しを行い、応募者はAさん経由で担当者の連絡先を聞き、直接応募したようです。
実際に何人の方が応募をしたのかは分かりませんが、二次募集をするぐらいだからある程度の人数の方々が応募をしたのではないでしょうか。
Aさんのブログのコメント欄には、未公開株に応募出来た人達から「情報を教えてくれたことの感謝」と「未公開株が公開される(上場される)日を楽しみにしている事」への書き込みが相次ぎ、Aさんのブログ記事にも応募した仲間と共に交流を深めつつ、公開される日をワクワクしながら迎えていく日々を綴っていました。
Aさんと応募した読者たちは楽しみに公開日を待っていました・・・。
・・・・・来るはずのない公開日を・・・・・
公開日が過ぎていく
担当者から指定されていた公開日が近づいてきたようなのですが、担当者からは何の音沙汰もないため、Aさんは何度も取扱事務所に連絡をいれいます。しかし、曖昧な返事に終始しており、次第に連絡が取れなくなっていき音信不通になってしまいます。
それでも、「株券が手元にあるから大丈夫」と気丈にふるまっていたAさんですが、もちろん株券も偽物でした。そうとは知らず、Aさんは「株券があれば何とかなる」と思っていました。
そして、指定されていた公開日が過ぎていき、取扱事務所に連絡が取れなくなったことで、応募した読者たちは一斉にAさんを批判し始めます。
・・・しかし悲しい事にAさん自身も被害者だったのです・・・
ブログのコメント欄は誹謗中傷の嵐となります。Aさんは書き込み1つ1つに丁寧に対応していきますが、もちろん応募した人々は納得しません。
- お前のせいで大金がなくなったやろ
- 責任を取れよ、全額弁償するのが筋やろ
- 紹介した事に対して良心が痛まないのか悪魔め
Aさんは、皆に謝罪の言葉を繰り返し、自腹で香港まで行って事務所を訪ねてみたり、出来る事はやってみましたが、もちろんどうする事も出来ませんでした。日々、謝罪が繰り返されるブログ。そして批判が相次ぐコメント欄。
・・・そして、ついにブログは閉鎖されてしまいました・・・
投資は自己責任だ
Aさんには全く悪意がなかったようです。ただ、自分が投資をした未公開株の事をブログ記事にしただけでした。
そのブログ記事には、ちゃんとリスクとリターンについて書いていました。
- 未公開株だから損をする可能性がある
- 最悪の場合は紙くずになる危険性もある
- 未公開株という爆益になる可能性に賭けてみた
Aさんは、自分が投資をしてみた未公開株についての記事を素直に書いただけだったのですが、未公開株という未知なる魅惑的なワードに興味を持つ読者が多く、コメント欄に質問が相次ぎ、それに応えるために担当者(詐欺師)に連絡を取って追加応募が出来ないのかの確認をしてみたのでした。
Aさんが良かれと思って善意で行った行為によって、何人かの人々が追加被害にあってしまったのです。
しかしながら、私がこれらの騒動を見てきて感じたのは・・・それでも投資は自己責任だという事です。
まとめ
未公開株という怪しげなものに投資をするのであれば、爆益を手にする可能性と同列に、そもそも損をする可能性も高いと言う事が前提条件となるだろうし、無くなる(紙くずになる)可能性も高いだろうし、詐欺にあう可能性も考慮すべき事案だと思います。
基本的な事を言えば、未公開株に投資をするという行動自体が間違っていると思いますけどね。
まあ、それでも未公開株からの爆益に期待を掛けるのであれば、リスクは全て認識したうえで、自己責任で申し込めばいいだけだと思います。
確かに、騙された気持ちを何処かにぶつけたい気持ちは、ある程度は理解できますが・・・
それでも、悪いのは騙した詐欺師であり、そしてそれを考慮しなかった自分自身でもあると思います。
どのようなものに投資をしたとしても、どのような情報源を参考にしたとしても、最終的にそれに投資をするという意思決定をしたのは自分自身であり、そこを自覚して投資をしていかなければなりません。
「投資は自己責任である」
当たり前の言葉ですが、いざとなると忘れがちな言葉でもあるのかもしれませんね。
コメント
コメント一覧 (4件)
私はリーマンショック前に松井証券等で取引ができたグリーンシートという取引所で松井証券から日本株の未公開株を購入したことがあります。
名古屋にある学習塾で近い将来に株式公開をするという事でその会社の未公開株を約30万円で購入しました。
この会社の社長は毎年の決算ごとに「近い将来上場します‼」と言っていましたが、数年たっても全く上場する気配が無く株価はズルズル右肩下がりで下がっていきました。(いわゆる上場するする詐欺です)
数年経って、この会社(社長)に私が愛想をつかしてこの会社の株を売りましたが、確か3万円ぐらいで全ての株を売り払い約27万円の損失90%に及ぶパーセンテージとしては大きな損切りをしました。
松井証券のようなまともな証券会社で取引所を通じて未公開株を購入してもこのありさまでした。(苦笑)
それ以来、私は未公開株を購入していないです。
もうグリーンシートは無くなってしまいましたが、ものすごく不愉快な思いをした私の未公開株投資でした。
他人から紹介された上場を前提とした未公開株投資は、まさしく99%詐欺そのものと断言していいです。(当然、そうではないものもありますが、それは1%ぐらいの確率でしょう)
松井証券で私が取り引きした未公開株も上場するする詐欺でしたから…。
株式投資は上場している株に投資するに限りますね…。
証券会社を通した未公開株投資でも、実際に公開出来た企業は少なく、難しい投資先ですよね。
証券会社を通しても成功しにくいのに、知り合いからの紹介なんて上手いく気がしないです。
そもそも、上場する可能性が高いのであれば、誰かに知らせずに、もっと沢山自分で購入した方が儲かりますからね。
あえて他人に教える(勧誘する)時点で、リスクが高いと言う事だと思います。
未公開株には近づかない方が無難ですが、未公開株に手を出すのであれば宝くじのように紙くずになる事が前提で投資をする必要がありますよね。
その通りです。が人間どこかで自分だけはと思ってしまいますよねえ。
ビットコインが爆上がりする前にネットで知って、サイトをのぞいたことがあります。自分には摩訶不思議なサイトに思えて投資しませんでした。
その後億り人なる言葉が出てきたくらい爆上がりしたのですが、惜しかったと思う反面、私には手に負えなかったから自分の判断はあれでよかったし縁が無かったと思っています。
投資って人が儲かろうが損しようが人は人。
自分は自分でじぶんの道をいく あくまで自分が責任とって後悔しない範囲じゃないと無理 とわたしは思っています。そんなくらいのすこーーーーししかできていませんけどね。
確かに「自分だけは上手くいくかも」と思ってしまいがちですよね。
他人が儲かっている(儲かりそう)のを見ていると、「自分も同じように儲かりたい」と思ってしまいますからね。
SNSが発達した現代では、他人を気にしないようにしようと思っても、すぐに情報が入ってくるので、そのあたりの情報の取捨選択は大切だなと感じます。
自分のペースを守りながら、コツコツと投資を続けていく事が大切なんだろうなと思います。