日本時間22日の3時にFRB(米国連邦準備制度理事会)はFOMC(連邦公開市場委員会)を開催して、その会合にて利上げを0.75%引き上げる事を決定しましたね。
これによって、6月・7月・9月と3ヵ月連続で0.75%の利上げという非常に急ピッチでの利上げを行う事となりました。
大丈夫なのかな?
厳しいと思うけどな
今後の経済、そして今後の株価はどうなっていくのでしょうね。
相次ぐ見通しの修正
元々はFRBの利上げのペースも現状ほど急ピッチに上げていく想定ではありませんでした。
3月は通常の利上げ幅である0.25%でしたが、5月には0.5%と利上げの幅を引き上げました。しかしながら、その時のFRBの見解はまだまだインフレを軽視しており強い姿勢で臨んでいるようにはみえませんでした。
「5月時点でのFRBの見解」
0.75%利上げは検討していない
今後数回は0.5%の利上げをする見通し
FRBが背負う2つの責務に緊張はみられない
ソフトランディングは充分可能で景気後退が差し迫っているようには見えない
6月には、消費者物価指数が想定以上に伸びていた事から0.75%の大幅な利上げを決定します。この頃からはかなり危機感が見て取れますが、それでも現在の状況と比較すると、まだ甘い想定だったという事になります。
そして、7月にも0.75%の利上げを行い、今回の9月も0.75%の利上げを行いました。今回のFRBの見解では非常に厳しい見通しを述べています。経済成長の予測を引き下げ、インフレは引き続き高止まりし、政策金利の見通しを引き上げています。
「9月時点でのFRBの見解」
残り2回で1.25%の引き上げ(0.75%と0.5%が有力)
ソフトランディングは非常に困難
引き締めが続くほどソフトランディングの可能性は低下する
ソフトランディング失敗よりも物価安定の失敗の方が大きな痛手を受ける
過去のFRBの見解と比べると、徐々に見通しが厳しくなってきており、インフレ退治に苦戦している様子が見て取れます。
景気へのダメージを覚悟してでもインフレを抑える必要性を強く示唆しており、景気後退の可能性は非常に高まっています。
6月と9月の想定の違い
FRBが6月の時に想定してた水準と今回の9月の時点で想定している水準がどのくらい違うのかを確認してみましょう。
実質GDP成長率 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 適性水準 |
---|---|---|---|---|---|
6月時点 | 1.7% | 1.7% | 1.8% | ━ | 1.8% |
9月時点 | 0.2% | 1.2% | 1.7% | 1.8% | 1.8% |
失業率 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 適性水準 |
---|---|---|---|---|---|
6月時点 | 3.7% | 3.9% | 4.1% | ━ | 4.0% |
9月時点 | 3.8% | 4.4% | 4.4% | 4.3% | 4.0% |
PCEインフレ率 (個人消費支出物価指数) | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 適正水準 |
---|---|---|---|---|---|
6月時点 | 5.2% | 2.6% | 2.2% | ━ | 2.0% |
9月時点 | 5.4% | 2.8% | 2.3% | 2.0% | 2.0% |
コアPCEインフレ率 (コア個人消費支出物価指数) | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 適正水準 |
---|---|---|---|---|---|
6月時点 | 4.3% | 2.7% | 2.3% | ━ | ━ |
9月時点 | 4.5% | 3.1% | 2.3% | 2.1% | ━ |
政策金利 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 適正水準 |
---|---|---|---|---|---|
6月時点 | 3.4% | 3.8% | 3.4% | ━ | 2.5 |
9月時点 | 4.4% | 4.6% | 3.9% | 2.9% | 2.5% |
(画像:FRB公式サイトより引用)
GDPは落ちこみ成長性は鈍化していきます。失業率も高まり、インフレも6月の想定よりも高止まりする想定となっています。
政策金利(FFレート:フィデラルファンド金利)は、今年度だけで一気に4%も引き上げを行い、来年になっても更に引き上げを続ける想定になっています。
全ての条件は引き上げられており、今まで以上に経済が悪化していく事を想定しています。
景気後退と株価の下落
景気の後退が回避不能なのであれば、当然ながら企業の業績も悪化していくはずです。
景気が悪化して不景気になってから利下げをしても手遅れです。企業の業績悪化は食い止められません。
現時点では、企業業績の見通しを引き下げているところは少ないです。来期も、そして来年も企業の業績は上向いていくという想定になっているところが大半です。業績の悪化が織り込まれていくのはこれからです。
大きく引き上げた利上げの影響はすぐに出てくるわけではないです。利上げの悪影響が出てくるのはこれからです。
企業の業績の悪化と急速な利上げによる経済・企業への悪影響が発生していくのは、これからになります。
株価への強い下落圧力が掛かってくるのは、これからが本番だと思います。
コメント
コメント一覧 (2件)
まずは7月~9月のアメリカ企業の決算の内容がどうなるかですね。
連続の大幅な利上げの悪影響を受けて7月~9月の業績が悪化しているのか、または10~12月の決算から利上げの悪影響を受けるのか、現時点では予測不能ですが、10月から始まるアメリカ企業の決算発表は要注目ですね。
私は指値でコツコツ1000~1500ドルぐらいでアメリカ株の高配当や連続増配銘柄を中心に10%~15%ずつ買い下がっています。
じっくりと1年半から2年ぐらい時間を掛けて少しずつ小出しで株を買い下がっていきます。
11月8日にはアメリカの中間選挙もありますし、年内はアメリカ株の株価は下げ続けるような気がします。
まだまだ、コロナショックやリーマンショックのような大暴落のほうがやりやすいです。
アメリカはインフレが2%になるまで利下げはないので、ものすごく厄介です。
こんにちは、せいさん。
7月~9月の決算はまだマシな所が多いのかなと思っています。その決算の際の次期ガイダンス(第4四半期)がかなり悪くなっていくのではないかと思っているのと、来年の業績想定を下方修正していくのではないかなと思っています。
リーマンショックやコロナショックのように非常に大きな危機と暴落が起きていくというよりも、ほどほどの急落と反発を繰り返しながらジリジリと下げていくような感じになっていくのかなと考えています。
株価は下がるよりは上がってくれる方が嬉しいので、出来れば反発を期待したいのですが、個人的には厳しい展開になるのではないかなと思っています。